さてさて今年も5月10日(水)~14日(日)に、静岡市のツインメッセ静岡において「第61回静岡ホビーショー」が開催されました。一般公開日となる13日(土)と14日(日)ともに生憎の雨でしたが、開場前から長蛇の列ができていました。
今回のホビーショーでは、過去最多となる97の企業や団体が出展。コロナが5類に移行したこともあり、海外のバイヤーも多く訪れていました。
また一般公開日には「第32回モデラーズクラブ合同作品展」が同時開催。国内のみならず海外からの参加クラブの作品を併せて1万点を超える展示作品が一堂に会して来場者を迎えてくれます。
▲市内各所に設けられている『模型の世界首都静岡』のモニュメント
▲一般公開日2日目の日曜日も開場前から長蛇の列ができていた
■達人視点で気になる新製品をピックアップ!
というワケで、今回も達人視点で静岡ホビーショーを濃厚取材、気になる新製品をピックアップ。いやー発売が待ち遠しいです!
1. SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』の宇宙ステーションがついにキット化!
MOBIUS MODELS(メビウスモデル)※プラッツ扱い
「1/2600 2001年宇宙の旅宇宙ステーション」
発売日未定
価格未定
今回は会場発表ということでパネル展示のみでしたが、いやぁお持ちしておりました! メビウスモデルは映画『2001年宇宙の旅』に登場するメカを次々とキット化しているメーカーですが、ついに出ましたラスボス…じゃなくて宇宙ステーション! 劇中でも印象的な姿を見せる建造中のステーションの姿が完全再現されており、小さく見えているのはドッキングベイに入港するオリオン号(スぺースシャトル)なんですね。スケール1/2600で、完成後の直径は35センチになるとのこと。これを見て頭の中に『美しく青きドナウ』がリフレインするアナタはリッパな2001年マニアですよ。
2. SFマニア御用達のエクスプラスが1/8スケールでマリリン・モンローを発表!
X-PLUS(エクスプラス)
「1/8 マリリン・モンロー」
発売未定
価格未定
▲慰問の際にモンローが来ていたB-15Bフライトジャケットも再現!
達人的にいちばん注目したのがエクスプラスモデルであります。同社は往年のSF映画に登場するモンスターを次々とモデル化している新進メーカーで、これまでも『メトロポリス』(1927年公開)に登場するアンドロイドのアリアや、『シンドバッド7回目の航海』(1958年公開)に登場するサイクロプス、アメリカン・コミックスで人気のヴァンピレラといったモンスターやクリーチャーを発売しているんですが、静岡ホビーショー初出展となる今回は発売予定のモデルを一挙展示! 中でも1954年2月に朝鮮戦争で韓国に駐留する米軍兵士を慰問した際のモンローを1/8スケールで再現! いやぁこれは作りたいです!
またヴァンピレラ J.G.(蓄光)、半魚人の逆襲、ティラノサウルス・レックス、RHサイクロプス(蓄光)、さらにはルゴシ・ベーラのドラキュラなどなど魅力的なアイテムを発表。さらに映画『原子怪獣あらわる』(1958年公開)に登場するリドサウルスの情景モデルも最高! これは2個買いです!
▲『原子怪獣あらわる』(1958年公開)に登場するリドサウルス。発売未定、価格未定
▲『半魚人の逆襲』(1955年公開)のギルマン。発売中、価格:5720円
▲『魔人ドラキュラ』(1931年公開)でルゴシ・ベーラが演じるドラキュラ。発売未定、価格未定
3. 考証に定評のあるファインモールドから1/72でF-15Jが登場!
ファインモールド
「1/72 F-15J戦闘機“ホットスクランブル1984”(初期型)」
9月発売予定
価格:4950円
「1/72 F-15J戦闘機“J-MSIP”(近代化改修機)」
9月発売予定
価格:4950円
ファインモールドからは、完全新金型でF-15Jイーグルが発表。F-15といえば知名度も高いな機体なので、これまでも各社がキット化はしてはいるんだけれど、今回発表のキットは、航空自衛隊配備の初期の機体「F-15J戦闘機“ホットスクランブル1984”(初期型)と、アイリスカバーなしの排気ノズルや各種アンテナなど差異パーツ化した「F-15J戦闘機“J-MSIP”(近代化改修機)」。実機取材や最新考証による、F-15イーグル好きにはお待たせしました!的なディテールとなっております。パーツ精度に加えて製作しやすさも考慮されており、ビギナーにもオススメの最新F-15Jであります。
▲会場で詳しくキットを解説してくれたファインモールドの鈴木社長。ありがとうございました!
4. 最新の「GMA T.50」が1/24スポーツカーシリーズで登場!
タミヤ
「1/24 GMA T.50」
8月発売予定
価格:5500円
▲特徴的な3座のコクピットやエンジンなどが精密再現されている。もちろん作りやすさは定評のタミヤテイストだ
タミヤからは1/24スポーツカーシリーズで70~80年代のF-1シーンで革新的なマシンを生み出した奇才ゴードン・マーレーが手掛けたスーパースポーツカー GMA T.50が登場。強烈なダウンフォースを生み出すファンカーのスタイリングを精密再現しています。ちなみに実車は100台限定生産で、価格は3億2600万円! いや大丈夫、タミヤのプラモなら5500円でオーナーになれます!
また今回往年の名キット1/20ポルシェ935マルティーニが24年ぶりに再登場。そしてランチアストラスターボが限定再販されます。どちらも懐かしさ炸裂の名キットであります
「1/20 ポルシェ935マルティーニ」
6月17日発売
価格:5280円
▲今でも人気に高いマルティニカラーが映えるちょっと大きめの1/20スケールモデル。今回24年ぶりの再販となる
「ランチアストラスターボ」
発売日未定
価格未定
▲1977年のグループ5レースで活躍したランチアストラスのシルエットフォーミュラマシン。アリタリアカラーが最高に似合うマシン
今回タミヤ発表の新製品はYouTubeのタミヤ公式チャンネルで達人が詳しく解説しておりますので、ぜひそちらもご覧くださいと、さりげなくアピール。
■やっぱりホビーショーは楽しい!
今回の静岡ホビーショー、取り上げたアイテムだけではなく、ともかく見どころが多かったです。会場前には自衛隊の16式軌道戦闘車が展示され来場者の注目を集めておりました。また注目といえば、アオシマ(青島文化教材社)のブースで展示されていた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン(レプリカ)が大人気でした。
会場内では謎のファントムボーイが子供たちに、自衛隊ブースに展示されたF4ファントムの操縦桿(本物)をPR。また静岡市内でも軽装甲車の展示や、スタンプラリーでプラモデルが貰えるなど、静岡市内全体がホビーショーで盛り上がっていました。
そして会場を驚かせたのが、映画監督のJ.J.エイブラムスとギレルモ・デル・トロの来訪でした。東京に映画の打ち合わせで来ていた両監督の希望だったとのことで、メーカーのブースと合同展示会会場の作品を見学して回ったそうです。小生はその時に別件で会場におらず両監督と会うことは果たせませんでした(号泣)。
というワケで2023年静岡ホビーショーは大いに盛り上がったことは間違いないようです。
▲会場前に展示された16式軌道戦闘車
▲会場内を飛び歩いていたファントムボーイ(中は自衛隊広報の人)
▲自衛隊ブースで展示されていたF-4ファントムの操縦桿
▲市内で展示された自衛隊の軽装甲車。何故か女子高生に大ウケ
▲アオシマブースで展示されていた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンレプリカ
▲タミヤブースに展示されていたGRヤリスラリー1
>> [連載]達人のプラモ術
<取材・文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」でもレビューを配信中。
【関連記事】
◆華麗なるアメリカ海軍飛行展示チーム「ブルーエンジェルス」をF-4JファントムⅡで製作!【達人のプラモ術<F-4JファントムⅡ ブルーエンジェルス仕様>】
◆傑作ヘリ「SH-60」米海軍HSL-51“ウォーローズ”所属機を製作【達人のプラモ術<SH-60B シーホーク>】
◆世界最速の戦略偵察機!マッハ3で飛行する”黒き怪鳥”を製作【達人のプラモ術<SR-71Aブラックバード>】
- Original:https://www.goodspress.jp/features/531043/
- Source:&GP
- Author:&GP
Amazonベストセラー
Now loading...