BASFジャパンら、栽培管理支援システムと営農支援サービスを組み合わせた実験を実施

日本の農業分野では、担い手の減少・高齢化の進行等による労働力不足が課題となっており、スマート農業の導入による生産性の向上が求められています。また、政府が食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立を目的に策定した「みどりの食料システム戦略」では、化学肥料使用量の30%低減が掲げられており、無駄がなく効果的な施肥の必要性が高まってきています。

そんななか、BASFジャパン株式会社、BASFデジタルファーミング社、全国農業協同組合連合会、株式会社クボタは、栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER」と営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」の連携実験を開始したことを発表しました。

同実験では、農業現場での労働生産性の向上と無駄な肥料の抑制を両立する“可変施肥”の普及、施肥量の最適化による生産コストの低減が目標に掲げられています。また、ユーザーによる機能や操作性の評価も行われるとのことです。

衛星データから作られたマップを活用して田植機で施肥作業

実験では、「xarvio FIELD MANAGER」が人工衛星センシング画像から作成した可変施肥マップを使用。このデータを「KSAS」経由で取り込んだクボタ製田植機で施肥作業を行い、システム機能や操作性を確認します。

「KSAS」へのデータ移行には、クボタのデータ連携ツール「KSAS API」を使用。

可変施肥マップとは、生育のばらつきを解消するため、生育が良いところと悪いところで肥料の散布量に濃淡をつけて地図上に示したもの。クボタ製の対応田植機は、マップの指示通りに自動で肥料の量を調節しながら施肥できるシステムを実装しています。なおこの連携機能は2024年春に正式リリースされる予定とのこと。

また、実証試験の結果を踏まえて、田植機以外の可変施肥対応農機への展開も検討されるそうです。

最適な栽培管理を支援する「xarvio FIELD MANAGER」

「xarvio FIELD MANAGER」は、人口衛星解析による作物の生育状況の見える化や人工知能(AI)による生育予測、病害/雑草の発生予測を行い、最適な栽培管理を提案・支援するシステムです。PCおよびスマートフォンアプリとして展開されています。

同システムは、25年かけて蓄積されたデータ・知見と30以上のモデルに基づいた最適な栽培管理を提案します。

主な機能は、「フィールドモニター」「施肥管理支援」「病害虫雑草防除支援」の3つ。

「可変施肥マップ」作成のほか、生育予測モデルにより、作物の施肥に最適なタイミングを通知したり、圃場内におけるゾーンごとの、窒素、リン、カリウムの施肥マップを作成したりするといった機能を有しています。

インターネットクラウドを活用した「KSAS」

「KSAS」は、農業経営課題の解決をサポートするインターネットクラウドを利用した営農・サービス支援システム。米、麦、大豆、そばのほか、畜産、果樹(栽培)といった用途にも対応しているのが特徴です。

電子地図「Google Map」を利用して、PCやスマートフォンから圃場(ほじょう)の住所や面積、所有者情報を管理できる「圃場管理」機能や、作物の栽培場所を検討し、資材費などのシミュレーションも行える「作付計画」、センサー付きコンバインで測定した食味・収量の結果を分布図で表示する分析機能などを利用できます。

 

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000092340.html

公式サイト:https://www.xarvio.com/jp/ja.html

(文・S.Inosita)


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