Twitter、偽情報に関するEUとの合意から離脱〜欧州委「逃げても隠れられない」

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イーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)に就任してから、Twitterの治安が悪くなったと感じるユーザーも少なくはないはずです。Twitterは26日、偽情報への対処を取り決めた欧州連合(EU)との合意から離脱することを明らかにしました。

EUとの合意から離脱

Twitterは2018年、GoogleやFacebookなどの8社とともに、EUが定めた偽情報に対応するための行動規範「EU Code of Practice on Disinformation」に署名していました。
 

‐偽情報の定義‐
 
検証可能な、虚偽⼜は誤解を招く情報で、経済的利益を得るため⼜は公共を欺くことを⽬的として⽣成、表⽰、拡散され、それによって公共への損害が⽣じうるもの

 
しかしTwitterは26日、行動規範を取り決めた合意から離脱し、EUに従う形で偽情報への対処を行う努力を放棄することを明らかにしました。行動規範に署名した企業がコンテンツを適切に管理しなかった場合、最大で年間売上高の6%に相当する罰金が科されることになりますが、それよりかは自主的に対象外となることを選んだ格好です。

以前は自主的なポリシーも用意していたが

もともとTwitterは行動規範に従う形で独自のポリシーを設け、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの偽情報を発信するアカウントに対処していました。
 
しかし、イーロン・マスク氏によって買収された後はポリシーを撤回、さらに偽情報に対しての取り組み報告書をEUに提出せず、欧州委員会から問題視されていました。

デジタルサービス法で義務化へ

ただし、EUとの合意から離脱したからといって、Twitterが自身のプラットフォームを野放しにしても何もお咎めがないわけではありません。
 
8月から新たにEU域内で施行されるデジタルサービス法では、違法コンテンツや誤情報を取り締まる責任がプラットフォーム側に課されるため、偽情報への対処は法的な義務となります。
 
法律に違反した場合は、全世界での年間売上高の最大10%に上る罰金が科されます。さらに違反を繰り返す悪質なケースでは、最大20%の罰金のほか、EU全域でのサービス展開を制限される可能性もあるため、どのみちTwitterは対処の必要性に直面するでしょう。
 
欧州委員会のティエリー・ブルトン委員も、Twitterで「義務は残る。逃げることはできるが、隠れることはできないのだ」と強く警告しています。
 


 
 
Source:Bloomberg,Forbes,AppleInsider,総務省(pdf)
(kihachi)


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