カリフォルニア大学サンディエゴ校（UCサンディエゴ）の研究者たちによる、血圧測定用の超低コスト機械式スマートフォン用付属品に関する論文が、オープンアクセスの電子ジャーナルScientific Reportsに掲載されました。わずか100円足らずの付属品で、キャリブレーションフリー（調整なし）で正確な血圧測定が行えるとのことです。
量産すれば1個あたりコストは14円ほどに
「血圧モニタリングの障壁を下げる、安価なソリューションができました」と、この研究の第一著者であるカリフォルニア大学サンディエゴ校の電気・コンピュータ工学博士課程の学生ユイナン（トム）・シュアン氏は述べています。
「このクリップは低コストなので、クリップを必要としているが定期的にクリニックに行くことができない人に配ることができるでしょう」と、UCサンディエゴの電気・コンピュータ工学の教授で、Digital Health Labのディレクターである上級著者エドワード・ワン氏は述べています。「血圧測定クリップは、歯科受診時にフロスや歯ブラシのパックをもらうのと同じように、検診時に渡すことができます」
このクリップは、スマートフォンのカスタムアプリで動作し、現在のところ約80セント（約112円）で製造可能です。研究者らは、量産すれば、コストは1個あたり10セント（約14円）程度に抑えられると見積もっています。
血圧測定クリップはどのように動作する？
UCサンディエゴの研究者たちが開発した血圧測定クリップは、スマートフォンのカメラとフラッシュに装着する、3Dプリントされたプラスチック製の付属品です。ピンホールカメラのような光学設計が特徴となっており、ユーザーがクリップを押すと、スマートフォンのフラッシュが指先を照らします。その光は、ピンホールサイズのチャンネルを通して、赤い円の画像としてカメラに映し出されます。クリップの内側にはバネがあり、ユーザーはさまざまな強さで押すことができます。強く押せば押すほど、カメラに映し出される赤い丸は大きくなります。
スマートフォンアプリは、この赤い円から主に2つの情報を抽出します。赤い丸の大きさから、ユーザーの指先の力加減を測定し、また、円の明るさによって、指先に出入りする血液の量を計測します。この情報を、アルゴリズムが収縮期血圧と拡張期血圧に変換します。
実験に使用したスマートフォンモデルはGoogle Pixel 4のみとのことですが、「このクリップのデザインは理論的には他の機種でも使えるはずです」と、前述のシュアン氏は付け加えています。
Source:Scientific Reports
Photo:Digital Health Lab/UC San Diego
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-539637/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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