話題のJHQ「鉄板マルチグリドル」はテク不要で茶色い男前メシを格上げ!

【アウトドア銘品図鑑】

2021年よりキャンプ飯の話題を独占しているのが、中華鍋をごく浅くしたようなルックスのJHQ「鉄板マルチグリドル 33cm」(9130円/シリコン製ミトン付属)です。

鉄板といっても、4mm厚のアルミ合金にイノーブルコーティングという特殊な加工を採用しており、油なしでも焦げ付かず、弱火でじっくり加熱するので食材のうまみを最大限に引き出すことができるのが特徴。おまけに絶妙なサイズ感でテーブルの真ん中にドンッと置くだけで大皿代わりになるんですから。

焚き火で小っちゃな鉄板料理、焚き火で中華鍋に続き、大いに盛り上がっている「鉄板マルチグリドル 33cm」ですが、この春、スタンダードな浅型にディープモデル「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」(1万5290円/専用ケース、鍋敷き、木製グリップ付属)が加わりました。いったいどちらが使いやすい? 探ってみました。

■ディープは深さ4cmで汁物OK

スタンダードな「鉄板マルチグリドル 33cm」はフラットに見えますが、中心部分は深さ2cm。対する「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」は深さ4cm。汁物を作りやすくなっています。

▲「鉄板マルチグリドル 33cm」は44×22×H4cm、「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」は35×29×H6cm

どちらも容量は1Lほどですが、ディープモデルのほうが傾斜がきついため、より汁物や煮物向き。

今回、北海道でキャンプをするにあたり、ふたつの「鉄板マルチグリドル」を持っていきました。

北海道といえばジンギスカン! スーパーでタレに漬け込まれたジンギスカンが簡単に手に入るのですが、ジンギスカン用の中央が盛り上がった鉄板を使わない限り、漬け込みタレで煮たようになり“焼き”の香ばしさは今ひとつ。

これを解消するのが、先に漬け込みダレをじっくり煮詰めてからジンギスカンを投入するというひと手間。“焼き”の香ばしさが際立ち、味も濃厚になるというわけ。

「鉄板マルチグリドル 33cm」なら、中央のくぼみで汁を煮詰めながら、縁でじっくり玉ねぎに加熱できるんです。鉄板全面を使って玉ねぎをサッと炒めた後、いちいち別皿に取り出さなくてもいいので洗い物は最小限。

「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」でも同様のことができますが、浅型のほうがいい感じ。

「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」は、どちらかといえば汁をメインとするラーメンにぴったり。ジンギスカン同様、具を炒めてから縁に載せ、中央のくぼみでラーメンを作るわけです。

ちなみに深型は炒める際、わずかに具が飛び出しづらかったかも。

どちらも弱火でじっくり加熱するので肉はしっとり。野菜も余計な水分が残らず、いい感じになりますよ!

■両者ともラフに扱えるイノーブルコーティング

「鉄板マルチグリドル」シリーズは、いずれもアルミ合金にイノーブルコーティングを施しています。だから軽い!

▲イノーブルコーティングは剥がれにくく、この上でナイフや金属製ターナーを使えるほど。ラフに扱えるのがイイ

「鉄板マルチグリドル 33cm」の重量は約1kg、「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」の重量はなんと約720g。オートキャンプはもちろん、仲間とのカヌーツーリングにだって持って行けそう。

なによりも、イノーブルコーティングは油を使わなくても焦げ付きにくいので、使用後はサッとペーパーなどで汚れを拭き取るだけで8割きれいになります。

油脂が残ったら、最後に弱火で湯を沸かしてから水分ごと拭き取ればきれいになる。水場が遠いキャンプサイトでとにかく便利。

▲ガス&ガソリンバーナー、炭火、焚き火に対応。熱伝導にすぐれているので弱火〜中火で調理しよう

熱源を選ばず、IHにも対応していて自宅でも活躍すること間違いなし。

ただし、テフロンなど加工を施したフライパン同様、空炊きと高火力は厳禁。なんてったって鉄のように見えますがアルミ合金製、高温すぎると破損の危険があるんです。

また、小型シングルバーナーの場合、燃料部分に「鉄板マルチグリドル」が覆わないようにしないと、輻射熱によって天板の焦げや燃料の爆発につながりかねません。今回用意したSOTO「ストームブレイカー」だと、持ち手部分は燃料缶に被りますが、そこさえ気をつければ距離をとれました。

■安定感はディープに軍配か?

「鉄板マルチグリドル 33cm」と「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」の違いは広さ・深さだけではありません。

バーナーや焚き火台の五徳に載せたときの安定感が微妙に異なるんです。

ひっくり返してみると、中央部分がただフラットになっているだけではありません。「鉄板マルチグリドル 33cm」には4本、「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」には12本の足というか溝が刻まれているんです。

「鉄板マルチグリドル 33cm」だと、今回用意した3本五徳の「ストームブレイカー」では安定感に欠けます。

▲左は33cmに付属しているシリコンのミトン、右はディープ付属の木製グリップ

運良く「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」は「ストームブレイカー」の3本五徳にハマりましたが、モノによっては支えなくてはいけないこともあるでしょう。

「鉄板マルチグリドル」には、それぞれ素手で取っ手を持てるようカバーが付属されています。

「鉄板マルチグリドル 33cm」のほうは、シリコン製のミトンで取っ手を挟み込むスタイル。「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」は木製のグリップを差し込みます。

操作性でいえば、木製グリップのほうが断然よし! ただしバーナーではいいのですが、焚き火料理の場合は、木製グリップを差し込んだままにするのは不安。耐熱グローブは必携と言えそう。

■映えなくてもおいしさアップ

世の中にはカラフルで“映える”キャンプ飯であふれていますが、&GP的には焼くだけ・煮るだけの手間を掛けない茶色い男前メシが大好物。

2泊3日、ふたつの「鉄板マルチグリドル」で作ったのは、漬け込みタイプのジンギスカン、味噌ラーメン、今が旬のアスパラガスと地元産豚肉&キノコの炒めもの・醤油&カレー風味、ゆでたアスパラガスとキノコの温サラダ・塩&オリーブオイルがけ、キノコ汁・味噌味など。

プチトマトの赤も、バジルやブロッコリーの鮮やかなグリーンもなく、唯一の華やぎがアスパラガス。いつも通り、見た目は地味ですが肉は柔らかく、野菜も水っぽくなくしゃっきり仕上がりました。

それもこれも「鉄板マルチグリドル」の面の広さとわずかな傾斜、そして熱伝導にすぐれた厚手アルミ合金製による弱火推奨のおかげでしょう。

肝心の「鉄板マルチグリドル」どっちを選ぶか問題ですが、少し幅が狭く、シングルバーナーへの載せやすさを考えると、「鉄板マルチグリドル ディープ 29cm」がやや有利。

とはいえ、「鉄板マルチグリドル 33cm」は浅く、バッグの隙間にスッと入るので、収納性を第一にするならこちらを選ぶほうがよさそう。

JHQの「鉄板マルチグリドル」には、ソロ向きの小型スタンダードタイプ(19cm/6930円)やシングルバーナーに載せやすくて広さも十分なオーバルのコラボモデルなんかも登場しています。どれを選ぶのか迷ってしまいますが、自分のキャンプスタイルを見つめるチャンスでもありますよ。

>> ジェイエイチキュー

 

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

 

 

 

【関連記事】

◆発売から四半世紀!ユニフレーム「ファイアグリル」が今も多くの人に愛用される理由を探る|The ORIGIN of the CAMP GEAR
◆ちゃんと涼しいポータブルクーラー「ECOOL+」。周囲温度を9℃下げる高性能機に期待!
◆アイリスオーヤマのコードレスなポータブルウォッシャーは洗車やキャンプ、海遊び後にも活躍しそう!


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA