IDC Japanは6月22日、日本国内の2023年第1四半期(1~3月)における携帯電話・スマートフォンの出荷台数を発表しました。iPhoneがスマートフォン出荷台数の55.0.%を占めてトップですが、販売の中心が割引販売されている型落ちモデルや小容量モデルが中心で、世界的な流れから外れています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. 2023年第1四半期の国内スマホ出荷は景気減速の影響で大幅減。
2. iPhoneの出荷は順調だが、8割以上が型落ち、小容量の安価なモデルに偏る。
3. ベンダー別シェア3位のFCNTは経営破綻、4位の京セラは撤退。
景気減速でスマホ出荷台数は前年同期比23.7%減
IDC Japanによると、2023年第1四半期の日本国内での従来型携帯電話とスマートフォンの出荷台数は775万台で、前年同期比23.6%減でした。スマートフォンに限った出荷台数は759万台で、前年同期比23.7%減の、大幅な減少となりました。
世界的な経済環境悪化による需要減速が在庫過剰状態は国内でも同様で、各キャリアが在庫を抱えているため出荷台数が大幅に減少した、とIDC Japanは分析しています。
出荷の中心が低価格・小容量モデルに偏る日本
OS別の出荷台数は、iOSが417万台(前年同期比13.1%減)、Androidが342万台(33.6%減)と、特にAndroidスマホの落ち込みが目立ちます。
iPhone(iOS)は2桁のマイナスですが前年同期の出荷が好調だった反動もあり、出荷台数としては順調といえます。
日本では、iPhoneの販売傾向が割引販売される型落ちモデルや、比較的安価なストレージ容量の小さいモデルに偏る傾向がある、とIDC Japanは指摘しています。世界的には256GBが販売の中心となっていますが、日本では128GBと64GBが出荷の8割を超えており、世界のトレンドから外れています。
小容量モデルが出荷の中心を占める傾向は、Androidスマホにも共通しています。
IDC Japanのマーケットアナリスト井辺将史氏はこの傾向が続けば、スマートフォンを通したサービスやアプリケーションの展開に影響を与える可能性があり、日本が世界の流れから取り残されるかもしれない、とコメントしています。
スマホ出荷シェア1位はiPhone、3位のFCNTは経営破綻、4位の京セラは撤退
スマートフォンのベンダー別シェアは、Apple(iPhone)が55.0%でトップで、2位以下はシャープ(13.0%)、3位は経営破綻したFCNT(8.3%)、4位は個人向けスマートフォン事業からの撤退を発表した京セラ(6.4%)、Samsung(6.0%)となっています。
5月に、国内出荷シェア3位のFCNTと、4位の京セラがともに市場からの撤退を発表したことで、国内ベンダーはシャープとソニーの2社となってしまいました。ただ、低価格モデルが出荷の中心となっている日本市場では、ベンダーが利益を確保しにくいことも課題となりそうです。
Source:IDC Japan
Photo:Apple
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-542910/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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