iPhone14シリーズは衛星通信を使った緊急通報機能に対応していますが、この機能が近い将来、拡大する可能性があります。Appleと提携して衛星通信を提供するGlobalstarがアメリカの通信当局に提出した文書から、同機能の進化に向けた研究開発が進められていることが分かりました。
■3行で分かる、この記事のポイント
1. Appleが提携するGlobalstarが衛星通信機能は今後も進化を続けると説明。
2. 今後、衛星経由の音声通話、ネット接続が利用になる可能性。
3. 衛星通信サービスは現在、米欧で提供中だが、日本での提供時期は不明。
iPhoneの衛星通信機能は今後も進化を続ける
AppleはiPhone14シリーズの衛星通信サービスを、Globalstarと契約して提供しています。
AppleがiPhone14シリーズを発表する数日前に、SpaceXとT-Mobileが提携し、携帯電話ネットワークを衛星通信で補完するSCS(Supplemental Coverage from Space)サービスを発表していました。
Globalstarは、アメリカ連邦通信委員会(FCC)に提出した文書で、T-Mobileの「現在の一般消費者向けデバイスは、MSS(Mobile Satellite Service)に対応しない」という説明に反論しています。
GlobalstarはFCCに提出した文書で、最新のiPhoneで衛星との直接通信に対応していることを指摘したうえで、端末と衛星の直接通信に対応するために、GlobalstarのMSSサービスは今後も進化を続けると述べ、今後の機能拡大を示唆しています。
さらに、GlobalstarはFCCに対して、SpaceXとT-Mobileが利用するSCSサービスが、他の衛星システムに干渉を引き起こさないことを保証するよう求めています。
衛星との直接通信での音声通話やネット接続も?
Globalstarは、今後の衛星通信で利用可能になる機能内容について具体的な説明はしていませんが、PCMagは衛星通信経由での音声通話や、インターネット接続に対応するかもしれない、と述べています。
Appleは衛星通信サービスの研究開発に4億5,000万ドル(約650億円)を投じており、その大半がGlobalstarに提供されていることが分かっています。
位置情報とテキストメッセージで緊急通報
Appleは2022年9月、iPhone14シリーズの各モデルで、携帯電話ネットワークの圏外からでも衛星通信を使って緊急通報ができる機能を発表しました。
この機能は現在、衛星通信を通じて現在地などの情報を短いテキストメッセージで送信して救助を求めることが可能です。これまでに同機能を利用して救助された事例が複数報じられています。
米欧でサービス提供中、日本での提供時期は不明
Appleは、衛星通信機能の料金について、利用開始から2年間は無料としていますが、その後の料金については発表していません。
同サービスは2022年11月にアメリカとカナダで提供が開始され、2022年12月に4カ国、2023年3月に6カ国が提供対象国に追加されていますが、日本でのサービス開始時期は不明です。
なお、衛星通信は、緊急通報に加えて「探す」ネットワークを使った位置情報の確認にも利用可能です。
Source:PCMag via 9to5Mac
Photo:Apple, FCC
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-543592/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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