折りたたみに高コスパ。モトローラの最新スマホ「razr 40 ultra」「edge 40」は秀逸の出来

モトローラ・モビリティ・ジャパンがAndroidスマートフォンの最新機種を発表しました。折りたたみ式のハイエンドモデル「motorola razr 40 ultra」と、ミドルレンジの「motorola edge 40」。どちらも7月21日発売予定で、公式オンラインストア「MOTO STORE」での価格はrazr 40 ultraが15万5800円、edge 40が6万4800円。通信事業者ではIIJmioだけが取り扱い、razr 40 ultraが13万9800円、edge 40が5万7800円と、少し安く購入できます。

▲発表会に登壇したモトローラ・モビリティ・ジャパン 代表取締役社長の松原丈太氏(左)と、インターネットイニシアティブ 執行役員 MVNO事業部長の矢吹重雄氏(右)

発表会後に開催されたタッチ&トライで、いち早く実機に触れることができましたが、どちらも手に馴染みやすく、使用感も楽しく、持ち帰ってそのまま使い続けたいと感じました。今夏、スマホの買い替えを考えている人はマークすべきデバイスになりそうです。では、筆者のファーストインプレッションも交えて、それぞれのモデルの特徴を紹介していきます。

 

■使い勝手を大きく進化させた「motorola razr 40 ultra」

motorola razr 40 ultraは、折りたたみ時は手のひらサイズで、開くと6.9インチの大画面を利用できるフォルダブルモデル。

▲折りたたみ時のサイズは約88.42×73.95×15.1mmで、手のひらでがっしりと掴めるサイズ感。重さは約188gで、一般的なスマホと変わらない。閉じた状態でも約3.6インチ(1066×1056)のディスプレイを利用できる

▲開くと約6.9インチ(2640×1080)の大画面ディスプレイが現れる

最大の特徴は、折りたたみ時でも3.6インチのディスプレイで多くのアプリを使えること。電話をかけたり、メッセージを送信したりはもちろん、QRコードを表示して決済に使ったりもできます。しかも、144Hzの高リフレッシュレートにも対応しています。

▲外側ディスプレイのホーム画面

▲閉じたままでも、ほとんどの基本アプリを利用可能

ちょっとした作業は閉じたままででき、より大きな画面で確認したり、手間がかかる作業をしたい場合は、開くと大画面表示に切り替わる仕組み。ふたつの画面を直感的に使い分けることができそうです。

▲閉じたまま外側ディスプレイでも地図を見られる

▲開くとより多くの情報が表示され、経路検索などがしやすい

180度に開くのではなく、途中まで開いて、自由な角度で立てられることも利点。卓上に置いてビデオ通話ができ、背面カメラで自撮りしたりもできます。なお、背面カメラで撮影する際は、内側ディスプレイだけでなく、外側ディスプレイにもプレビューを表示させることが可能。人物を撮影する際に、被写体にも構図を確認してもらえるわけです。

▲ヒンジの背の部分は開くと隠れる

▲内側ディスプレイの折りたたみ部分の凹みはほとんど気にならない

▲背面カメラはメイン(約1200万画素/F1.5)+超広角・マクロ(約1300万画素/F2.2)。このように立てて、セルフシャッターで自撮りすることも可能

操作感も非常に軽快でした。プロセッサーにはハイエンド向けの「Snapdragon 8+ Gen 1」を採用。RAMは8GB、ストレージが256GB。内側ディスプレイのリフレッシュレートは最大165Hzで、ゲームを楽しむにも十分な仕様といえるでしょう。ステレオスピーカーを内蔵し、臨場感あるサウンドを再生する「Dolby Atmos」にも対応。バッテリーは3800mAhで、33Wの急速充電と5Wのワイヤレス充電にも対応しています。

あえて弱点を挙げるとすれば、おサイフケータイに対応していないことと、防塵・防水が「IP52」であること。「IP5X」は防塵といえる等級ですが、「IPX2」は雨に濡れるくらいは問題がない防滴レベルと考えるべきでしょう。

モトローラ製のフォルダブルスマホが日本で発売されるのは、2021年に発売された「razr 5G」以来の2台目ですが、razr 40 ultraはグローバルでは4世代目。使い勝手を大きく向上させ、完成度を高めたモデルと感じました。

▲閉じたままでも、開いても、便利に使える印象

▲カラーはインフィニットブラックのみ。背面パネルはマットな質感だ

 

■絶妙なサイズ感に、必要十分な機能を搭載「motorola edge 40」

モトローラのスマホは、コスパの高さが注目されることが多いのですが、egdeシリーズは、デザインやエクスペリエンス(体験)に注力し、なおかつ手頃な価格を実現しているシリーズです。

今回発表されたmotorola edge 40は、日本の市場を意識して開発されたモデルで、FeliCa(おサイフケータイ)と、IP68の防塵・防水に対応しています。ただし、昨年発売された「motorola g52j」や、今年6月にリリースされた「motorola g53j」のような日本専用モデルではありません。グローバルモデルで、すでに発売されている国での売れ行きも好調とのこと(海外向けモデルはFeliCa非搭載)。

▲edgeシリーズでは初めておサイフケータイに対応

▲IPX8相当の防水性能を備えているので、うっかり水没させても心配無用

edge 40の最大の特徴は持ちやすさ。6.55インチの有機ELディスプレイは、左右にカーブが施されて、ボディ幅は約71.99mm、最薄部は約7.58mmに抑えられています。手にしっくりと馴染むサイズ感で、片手でも軽快に操作できそうです。

▲サイズは約158.43×71.99×7.58mm(最薄部)。ディスプレイの解像度は2400×1080

カラバリはイクリプスブラックとルナブルーの2色。イクリプスブラックはヴィーガンレザーでマットな手触り。ルナブルーはアルミを用いて、ソリッドな印象です。全く質感が異なるので、迷うなら実機に触れてから決めることをおすすめします。

▲カラバリはヴィーガンレザーの「イクリプスブラック」(左)とアルミの「ルナブルー」(右)から選べる。カラーによって重さに差があり、イクリプスブラックは約171gで、ルナブルーは約167g

プロセッサーは、台湾MediaTek社製の「Dimensity 8020」を採用。最大2.6GHzの高速チップで、RAMは8GB、ストレージは256GBという構成。ディスプレイは144Hzの高リフレッシュレートに対応しており、ストレスなく、快適に操作できそうです。

▲ディスプレイは明るく見やすく、操作のレスポンスもスムーズだった

背面カメラはメイン(約5000万画素/F1.4)+超広角(1300万画素/F2.2)の2眼で、超広角カメラは120度の画角で撮影でき、マクロ撮影も可能。フロントカメラも約3200万画素/F2.4と高性能。

▲大口径レンズを採用した50メガピクセルカメラを搭載

4400mAhの大容量バッテリーを搭載し、同梱のチャージャーを使えば、68Wの急速充電が可能。さらに、15Wのワイヤレス充電にも対応しています。ステレオスピーカーを内蔵し、「Dolby Atmos」にも対応。今年これまでに発売された5〜6万円台のスマホでは、トップクラスのスペックを備えています。

▲68Wの急速充電に対応し、10分ほどで数時間使える電池をチャージできるとのこと

 

■どちらも今夏の注目モデルになる予感

motorola razr 40 ultraは、ただコンパクトに折りたためるのが便利なだけではなく、折りたたみ時と開いた時の2WAYの利点を生かした操作性を実現していることが魅力。かといって、操作性にクセはなく、誰でもスムーズに使いこなせそうなので、「そろそろフォルダブルを使ってみたい」と思っている人は選択肢に加えるべきでしょう。

motorola edge 40は、デザイン、機能、操作性のバランスがとれたモデル。カメラの性能は、実際にいろいろなものを撮ってみないと評価できませんが、スペックから判断すると、6万4800円はお買い得。高コスパの全部入りモデルを求める人におすすめします。

>> MOTO STORE

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

【関連記事】

◆折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」は期待以上に便利! Google純正アプリは大画面に最適化
◆日本のスマホ市場に参入したアメリカ発の 「Orbic」ってどんなメーカー?
◆ahamo、povo、LINEMOで使うスマホ、どこで買えばいいの?


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA