キャブコンやバンコンに比べると手頃な価格帯、そして街なかでも使いやすく、旅先で遭遇する細い道も躊躇なく進むことができる機動力から人気がある軽キャンピングカー。独自の進化をしてきた日本ならではカルチャーは、海外からも注目されています。
一方で、軽規格の中で製作しているため、荷物が増えたり2人以上で出かけたりすると、窮屈感があるのも事実。
2023年7月1〜2日に東京ビッグサイトで開催された東京キャンピングカーショーでも軽キャンピングカーは多くの人が展示車両をチェックしていました。それらを見てみると、軽自動車のボディにプラスアルファのスペースを設けて、より快適に過ごせるようにしているものが目立ちました。
ここでは軽キャンピングカーに新たなスペースを与えて使い勝手を高めているモデルを紹介します。
1.スマイルファクトリー「ルアナ」(433万7355円)
スズキ エブリイをベースにポップアップルーフを架装したスマイルファクトリーのルアナ。注目すべきはその開閉方法。一般的なポップアップルーフは前または後ろが上に持ち上がる構造になっています。ルアナのポップアップルーフはサイドが上に持ち上がる国内初のシステムです。
ポップアップルーフを展開してルーフ部のベッドを収納すれば天井が高くなり、大人も車内で立つことができる。これもポップアップルーフ車のメリットです。この際、前開き・後ろ開きタイプだと、高さがあるのは片側だけなので、実際に車内で立てるスペースには限りがあります。このルアナのような横開きだと、前から後ろまで一定の高さがあるので、車内のどの場所でも立つことができます。
ポップアップルーフ部分は長さ1800mm、幅1200mmと軽最大のスペースで、高さは1mもあり、車内のベッドを展開しても2mの室内高が確保されています。ちなみに車内のベッドは運転席側が長さ1.8m、助手席側は2.44mもあるので、背が高い人も足を伸ばして寝られます。
リアに設置されたシンクの給水は2Lのペットボトルの水を3本使う形なので衛生的。ベッド下には引き出し式のテーブルが隠れていて、バックドアの後ろに椅子を出してくつろぐこともできます。
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2. オートワン「ピッコロキャンパープラス」(305万9900円)
充電・給電機能を備えた軽キャンピングカー「給電くん」や、愛犬との旅に特化した軽キャンピングカー「愛犬くん」で有名なオートワン。「ピッコロキャンパープラス」は、ナチュラル感のある明るいチョコレートカラーにペイントしたスズキ エブリイに、後ろ開きのポップアップルーフをプラスしたモデルです。ポップアップ部分は85cm×110cmと十分な広さがあります。
4人乗り2人就寝のシンプルな構造にすることで価格を抑えているのが特徴で、展示車両と同じ装備でポップアップルーフレスだと236万4900円で手に入れることができます。
小物が収納しやすいオーバーヘッドキャビネットに加え、オプションでフロントキャビネットも設置できます。ベッド展開した状態で使える着脱式のテーブルは食事やちょっとした作業に便利。テーブルを使わない時は車内のリアサイドのスペースにすっぽり収まるようになっています。
多くの装備を盛り込むことをあえて避けたことで、室内は広々。だからたっぷりの荷物を積んで出かけることも可能です。
>> オートワン
3. 東和モータース販売「インディ108」(464万900円)
トラックのシャシーに居住スペースを載せたタイプや、ワンボックスの居住スペースをカットし別途製作した居住スペースを載せたバンベースタイプなどがあるキャブコン。キャブコンのメリットは常設ベッドやゆったりとしたダイネット、大きなキッチンなど、スペースを活かした自由なレイアウトが可能なこと。それを軽自動車で実現することを目指したのが軽キャブコンのインディ108です。
ベース車両はダイハツ ハイゼットトラックで、荷台に居住スペースを架装しています。ただ、軽自動車ベースでキャブコンを製作する場合、ひとつ大きな問題があります。それは軽規格で全高が2m以下と決められていること。そこでインディ108は居住スペースにポップアップルーフを設置することで、全高を1990mmに抑えています。目的地についてポップアップルーフを展開すれば、高さのある室内を立って移動が可能になります。
ダイネットは対面式の4人掛けで、サイドにはキッチンを設置。カップホルダー付きのテーブルを使わない時は専用スペースに収納できます。キャビン上部には天井を囲むようにキャビネットがつけられているので、小物や生活道具の収納に便利。
就寝時はダイネット部分に2名、ポップアップルーフに2名の4名で就寝が可能。ポップアップルーフ部分も2100×1170mmと、十分な広さが確保されています。
>> 東和モータース販売
4. リンエイプロダクト「マイクロバカンチェス ひとり旅」(272万9100円)
2〜4人の就寝スペースが確保される軽キャンピングカーですが、オーナーの中には釣りやソロキャンプなど、ひとりで楽しむ趣味で使うことを前提に購入する人も多くいます。それなら最初からひとりでの使用を想定して車内を快適に使えるようレイアウトしてしまおう。このような発想で開発されたのが「マイクロバカンチェス ひとり旅」です。
ベース車両はスズキ エブリイ系とダイハツ ハイゼット系をチョイスでき、後席は最初から取り払って2人乗りに。助手席もシートバックを前に倒してテーブルとして使うことを前提にしています。
長さのある1人用ベッドには、可動式のテーブルを設置。ベッドにゴロンと寝転んで、飲み物やおつまみを置き、リアに設置されたモニターでテレビや映画を楽しめます。そして手を伸ばしたところには冷蔵庫が設置されているので、飲み物がなくなってもすぐに取ることができるというわけです。
リアに取り付けられたヒッチキャリアに荷物を置いておくことで軽キャンピングカーの限られたスペースをより広く使えるよう工夫されているのもポイント。ひとり旅をとことん快適にしてくれるマイクロバカンチェス。このクルマでダラダラと過ごすのは最高の時間になるはずです(笑)。
>> リンエイ
5. ケイワークス「エクスクルーシブ・ミニ バード」(471万2600円)
遊びグルマに特化するため4ナンバー車になったアトレーをベースに開発された「エクスクルーシブ・ミニ バード」。バックドアを開けて外にテーブルを設置することで、開放的な空間でのんびりくつろげるようになっています。
バックドアがちょうどこの空間の“ひさし”のような感じになり、さらにここにカーサイドタープを展開すれば、プライベートを確保することもできます。
サブバッテリーにはリチウムイオンバッテリーを最大300Ahまで設置可能。2000Wのインバーターも標準装備されていて、クーラーや電子レンジなども気兼ねなく使うことができます。
>> ケイワークス
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/542584/
- Source:&GP
- Author:&GP
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