熊本県で救急搬送支援システム×医療情報ネットワークを実証。現場と医療機関をつなぎ救急医療をDX

救急現場と医療機関のコミュニケーションは、電話と紙の帳票で行われることが多く、デジタル化による改善が望まれています。

TXP Medical株式会社(以下、TXP)は、熊本県水俣市より救急医療連携システムの環境構築および運用支援などの業務を受託。

TXPの救急搬送支援システム「NSER mobile」と、公益社団法人熊本県医師会が運営する熊本県独自のシステム「くまもとメディカルネットワーク」を連携させた実証試験を実施しています。

同試験は2024年2月29日まで行われ、試験後は効果検証のデータに基づき、水俣市をはじめとする熊本県内での今後の展開について検討する見込みです。

現場と医療機関をスムーズにつなぐ「NSER mobile」

「NSER mobile」では、救急隊がハンズフリーでも患者情報を入力できるモバイルアプリを提供。患者情報をクラウドで連携することで、救急隊と医療機関のスムーズな情報連携を実現します。

例えば、音声入力で生じた誤変換を適切な表現に自動変換し、音声で入力先フィールドを指定してデータを配置するような音声コマンド入力機能や、心電図・血圧モニターの数字を自動解析する画像解析機能など、AI入力支援機能を搭載しています。

このほか、傷病者情報の確認の一環で使用される脳卒中スケールなど自治体固有要件に応じたカスタマイズができること、隊員の帰署後の書類作業負荷を軽減できる機能なども特徴です。

「くまもとメディカルネットワーク」とは?

「くまもとメディカルネットワーク」は、「参加者カード」を発行することで、個人の病院・薬局などの受診時の状況や、治療歴・検査・画像データなどを利用施設で共有できる仕組みです。

2015年の開始から2023年7月までで、県内716施設での利用、カード発行枚数106,553枚の実績があり、緊急度や適切な搬送先・治療の判断を支援しています。

実証試験の概要

今回の試験では、この「NSER mobile」と「くまもとメディカルネットワーク」を連携しました。

救急車にタブレットを配備し、救急現場にて救急隊員が素早く収集した患者情報を搬送先の病院に送信。同時に、参加者カードの情報をNSER mobileに取り込み、患者情報と共に医療機関に送ることにより、救急時の医療情報連携をより効率化します。

同試験を通じ、患者搬送先の病院の受入準備の効率化、患者情報のカルテ記載の効率化、搬送後の救急隊員のレポーティング業務の効率化などの効果を検証します。

また、患者の救急搬送発生時から到着した病院での治療や検査・転院など、一連の医療データプラットフォームの構築により、それぞれの患者に適切な医療機関で最適な医療を提供することを目指します。

現役の救急集中治療医が立ち上げたスタートアップ

TXPは、現役の救急集中治療医が立ち上げたスタートアップ。「医療データで命を救う。」をミッションに、医療データプラットフォームを開発し、大病院や救急隊などへ提供しています。

また、これらのプラットフォームを活用した医薬品の開発支援や、リアルワールドデータ解析などの医療データサービスも展開中です。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000060.000031630.html

TXP Medical株式会社 公式サイト:https://txpmedical.jp/

(文・Higuchi)


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