初代AirPodsの発表から7年。Appleは耳でも世界を変えていた

初代AirPods 発表
 
AppleがAirPodsを発表してから、7年間が経過しました。以前、スティーブ・ジョブズ氏が否定的だったワイヤレスイヤホンは、2016年末の発売直後から大ヒットしました。今では一般的な光景となった完全ワイヤレスイヤホン普及の立役者といえるAirPodsは、私たちの音楽の聴き方や街の光景も変えました。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 初代AirPodsの発表から7年が経過した。
2. 発売当初は独特の外観が揶揄されたが、今では一般的に。
3. 2023年秋には、USB-C搭載AirPods Pro発売との噂も。

 

2016年9月発表、12月に遅れた発売直後から入手困難に

Appleは2016年9月7日、iPhone7と同時に、完全ワイヤレスイヤホン初代AirPodsを発表しました。
 
初代AirPods 発表
 
iPhone7では、イヤホンジャックが廃止され(Appleのフィリップ・シラー上級副社長はその決断を「勇気」と表現しました)、同梱されていたイヤホンはLightning端子に変更されました。従来のオーディオ製品との互換性を保つため、Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタが同梱されました。
 
初代AirPods 発表
 
2016年9月のAirPods発表時点では、発売時期が10月と予告されたものの、販売が始まったのは2016年12月でした。AirPodsは発売直後に売り切れ、注文から納品まで1カ月以上待ちという状況が春まで続き、待たずに買えるまでには数カ月の時間を要しました。
 
AirPodsは、2019年3月に第2世代が、2021年10月には第3世代が発売されています。2年あまりでの新製品投入についてAppleInsiderは、内蔵バッテリーの劣化する時期にあわせたタイミングではないか、と推測しています。

スティーブ・ジョブズ氏はワイヤレスイヤホンに否定的だった

Appleは、AirPodsにつながるワイヤレスイヤホンの特許を2011年に申請し、同年3月29日に受理されていることから、AirPodsの開発は、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズ氏の生前から進んでいたと考えられます。
 
しかし、ジョブズ氏はBuletooth接続のワイヤレスイヤホンというアイデアには否定的でした。
 
2005年に、iPodのBluetooth接続対応の可能性について問われたジョブズ氏は、通信帯域が不十分なBluetoothの通信品質は改善されるだろうが、Bluetoothヘッドホンを充電するのを人々は嫌がるだろう、と語っています。

Beatsの巨額買収が伏線だった?

Appleは2014年、同社最大の30億ドルでBeats ElectronicsとBeats Musicを買収しています。
 
2015年にはApple Musicサービスが開始されており、2016年にはAirPodsと同時期にBeatsのワイヤレスヘッドホンが発売されています。
 
AirPodsの発売も、Apple Musicも、Beatsの買収が伏線だったと言えそうです。

ノイキャンイヤホンの知名度を高めたAirPods Pro

2019年10月には、AirPods Proが発売されました。
 
それまでオーディオマニア向けの高価なヘッドホン用機能だったアクティブノイズキャンセリングの知名度が一気に高まったのは、AirPods Proの大ヒットによるものと言えます。
 
初代AirPodsの発表から6周年となる2022年9月7日、AppleはAirPods Pro(第2世代)を発表しました。
 
ノイズキャンセリング性能が向上し、バッテリー持続時間が伸びたAirPods Pro(第2世代)は、iOS17とあわせてリリースされる新機能、適応型ノイズキャンセリングにも対応します。
 
2023年秋には、充電ケースにUSB-Cポートを搭載したAirPodsシリーズが発売されるのではないか、と噂されています。

AirPods Max、低価格のBeats製品に脅かされる

AirPodsシリーズとして唯一のオーバーイヤー型ヘッドホンとなるAirPods Maxは、2020年12月に発売されました。
 
AirPods Maxは発売から3年近く経つ現在も、次世代モデルが投入されずに84,800円(税込)という高めの価格帯で販売が継続されています。
 
最近では、AirPods Maxと同等の機能を持ち49,800円(税込)と手頃なBeats Studio Proが発売され、AirPods Maxの優位性が薄れたと言われています。
 
2023年末から2024年にかけて、AirPods Max(第2世代)が発売されるのではないか、との噂もあります。

「耳からうどん」と言われたのも今は昔

発売当初は「耳からうどん」などと揶揄されたAirPodsですが、今では街で見かける完全ワイヤレスイヤホン利用者の大半がAirPodsシリーズを装着しています。
 
初代AirPods 発表
 
Samsungも、発表会で役員がイヤホンジャックのないiPhoneをこき下ろしていましたが、2018年にはイヤホンジャックを廃止しています。
 
完全ワイヤレスイヤホン、アクティブノイズキャンセリングを一気に普及させたAirPodsシリーズが、今後どう進化するのか楽しみです。
 
 
Source:AppleInsider
Photo:Apple/YouTube
(hato)


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