テンセントは、2023年9月7日(木)に中国・深圳で開催された旗艦イベント「グローバル・デジタル・エコシステム・サミット」で、独自の大規模言語モデル「Hunyuan」を初公開しました。
現在、テンセントクラウド上でAPIを通じたアプリのテストや構築を行うために中国の企業に開放しています。
企業のための新しい能力を解き放つHunyuan
テンセントの基盤モデルは、画像の作成、コピーライティング、テキスト認識、カスタマーサービスなど、幅広い機能をサポート。これらは、金融、公共サービス、ソーシャルメディア、電子商取引などの主要産業で役立つとされています。
テンセントでは、20の主要産業にまたがる50以上のソリューションを備え、経済的に実行可能な産業別の大規模言語モデルを企業に提供するModel-as-a-Service(MaaS)を展開中。
企業は、Hunyuanを利用して大規模言語モデルを改良し、業務全体で独自のインテリジェント・サービスを生み出すことができます。
現在、Hunyuanモデルには1,000億以上のパラメータがあり、事前学習データは2兆トークンを超えるのだそう。今後は、時間をかけてさらに多くのビジネスやアプリケーションに拡張される予定だといいます。
50のテンセント製品に接続するHunyuan
企業は、強力な中国語処理能力、高度な論理的推論、信頼性の高いタスク実行能力を備えた、テンセントのパブリック・クラウド・プラットフォームを通じてHunyuanに接続可能。特定のニーズに合わせてファインチューニング可能です。
Hunyuanは、Tencent Cloudをはじめ、Tencent Fintech、Tencent Meeting、Tencent Docsなど、50のテンセント製品に接続しています。
例えば、Tencent Meetingは現在、Hunyuanを搭載したAIアシスタントを備え、ユーザーからの自然言語の指示やプロンプトを処理することで、関連する議事録の作成などの複雑なタスクを実行可能です。
Tencent Docsは、Hunyuanと統合され、数十のテキスト作成シナリオをサポートし、ワンクリックで標準フォーマットのテキストを生成できます。
テンセントクラウドの国際事業は好調に伸長
テンセントグループで世界有数のクラウド企業であるテンセントクラウドは、日本・東南アジア・ラテンアメリカ・欧州・アフリカなど主要地域で国際事業を展開中。
現在までに、5大陸26地域に70のアベイラビリティ・ゾーンとエクサバイト・レベルのストレージ容量を持つデータセンター施設を有しています。
国際事業においては、2023年上半期に2桁の収益成長を記録。特に日本・シンガポール・マレーシア・インドネシア・欧州・中東が好調だったようです。
同社は、現在11,000のパートナーで構成されるグローバル・パートナー・エコシステムが国際事業の重要な原動力となっている模様。パートナー主導の収益は2023年半ば時点で前年比66%増となりました。
テンセントクラウドの国際事業拡大戦略
テンセントクラウドの国際事業拡大戦略は、「能力強化と製品の国際化」「パートナーとエコシステムの強化」「イマーシブ・コンバージェンスにおけるイノベーションの推進」の3つの柱を中心に展開。
テンセント上級副社長兼テンセント・クラウド・アンド・スマート・インダストリーズ・グループ(CSIG)CEOのDowson Tong氏は、「私たちの拡大戦略は、中国企業の海外進出をサポートすると同時に、外国企業の中国進出を促進することです(一部抜粋)」と述べました。
また、ラテンアメリカや中東をはじめとするグローバル市場でも開発チームを増やしたことを明らかにしています。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000094069.html
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/219413
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口千穂
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