小林製薬の持続性抗菌剤に「JAXA LABEL COLLAB」が付与。“宇宙での暮らしを支える技術”を地上でも活用へ

小林製薬株式会社（以下、小林製薬）が販売する持続性抗菌剤「KOBA-GUARD N（コバガードエヌ）」が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下、JAXA）が宇宙航空の魅力を地上の生活へ届けるために推進するブランドロゴマーク「JAXA LABEL COLLAB」の付与を受けた。

宇宙船内を抗菌加工する技術の共同研究

小林製薬と日本パーカライジング株式会社（以下、日本パーカライジング）は、2020年3月～2023年3月まで、JAXAと宇宙船内を抗菌加工する技術の共同研究に取り組んできた。共同研究において「KOBA-GUARD N」が使用された実績により今回の「JAXA LABEL COLLAB」の付与に至った。

今後、小林製薬と日本パーカライジングは、将来の宇宙での暮らしを支える技術開発を継続するとともに、これらの技術を地上でも活用することによって、宇宙と地上での微生物による課題の解決にさらに貢献していくとのこと。

また、「KOBA-GUARD」はさまざまな企業に採用されているが、今回の「JAXA LABEL COLLAB」の付与をきっかけに、コラボ商品・施工の新たな企画パートナーも積極的に募集し、「KOBA-GUARD N」の新領域への展開とともに、さらなる事業拡大を目指すそうだ。

「JAXA LABEL」は、JAXAの保有する特許・技術・著作物などを活用して作られた製品や、JAXAと企業のコラボレーションから生まれた製品、商品化許諾品などに対し、ブランドとなるロゴマークをJAXAが付与する制度だ。

宇宙分野で生まれた技術を地上での暮らしに利活用することの推進を目的としていている。このうち、今回付与された「JAXA LABEL COLLAB」は、JAXAとの共同研究などをはじめとしたコラボレーションから生まれたものを対象としている。

長期の宇宙滞在は免疫力の低下につながることから、健常な状態では感染症の原因とならない弱い菌も大きなリスクとなり得る。そこで、より健康的な宇宙の暮らしを支えるべく、宇宙船の内壁や船内で使用する物品を抗菌加工する技術について、小林製薬・日本パーカライジング・JAXAの3者で共同研究を行ってきた。

同研究では、国際宇宙ステーション（以下、ISS）で使用実績がある繊維・硬質素材を用い、ISSで検出された微生物の中で感染症につながるリスクが懸念される種への抗菌性を評価。

また、薬剤を固着させ抗菌効果を持続できるかという耐久性についても評価した結果、「KOBA-GUARD N」を含む複数の抗菌加工技術において、共同研究にて定めた抗菌性・耐久性に関する開発基準の一部を達成できたとのこと。

（文・我妻歩実）

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