コクピットや前脚など機首まわりを製作。パーツは驚きの高精度!【達人のプラモ術<F-35B ライトニングII>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
1/48 傑作機シリーズ No.125

「1/48 ロッキード マーチン F-35B ライトニングII」
02/06

タミヤ「1/48 F-35B」の製作、第2回。まずはコクピットから機首まわりを製作していきます。箱を開けるとぎっしりと詰まったパーツの多さに圧倒されますが、インスト(組立説明書)の指示の沿って進めていくことで、パチパチとパーツを組み上げていくことができます。今回は6回での完成を目指しています。プラモデル製作で焦りは禁物ですが、慌てず焦らず飛ばしていきましょう!(全6回の2回目/1回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■おっとその前に…

前回紹介したように本キットは「駐機状態」「短期離陸状態」そして「垂直着陸状態」の3つの状態を再現できるようになっています。それぞれ使用するパーツも違いがあるので、まずどの状態で製作するかを決めておきます。

今回の作例は、エンジンノズルが下方を向き、リフトファンドアや補助エアインテークドア等が開状態となり、脚柱が伸びた動きのある「垂直着陸状態」で製作することにしました。

▲3つの仕様はインストで詳しく解説されているので、じっくりと読み込んで決めたい。作例は「垂直着陸状態(VERTICAL LANDING)」をチョイス

 

■精度が高いパーツの注意点

キットはパーツの精度が驚くほど高く、小さなパーツでもピタリときまります。ただ精度が高いゆえに、ランナーからパーツを切り出した際に僅かでもゲートの出っ張りが残っていたりすると、上手く収まらなかったり、隙間が生じてしまうので気を使う必要があります。

なので、パーツの切り出しには刃の精度が高いプラモデル用薄刃ニッパーを使い、切り出したパーツの切断面は正確に研磨できるヤスリを使いたいところです。

▲胴体パーツは、切り出しの際にゲートがえぐれたりしないようにアンダーゲート(矢印の部分 ※1)となっている。切り出したあと平滑に研磨しておかないと、隙間が生じる原因になってしまう。嵌合ピンをアンダーゲートと間違えて削ってしまわないように要注意

▲タミヤ「先細薄刃ニッパー(ゲートカット用)」(3960円)

▲「先細薄刃ニッパー」は、部品とランナーの間が狭い場合や、細かなパーツの切り出し、アンダーゲートのカット時に正確なカットができ、パーツを傷めない。ただし肉厚なパーツの切断には不向き

※1:通常ランナーからパーツを切り出した際には、ゲート(ランナーと繋がっている部分)をカットした跡が残ってしまう。パーツを組み立てた後に目立たない場所(ほとんどの場合、接着面)にゲートを持ってくることでパーツ表面に切断面が出ないようなっているものをアンダーゲートという

 

■コクピットの製作

インストに沿って機体の上面を切り出し、リフトファンやコクピット内側などの塗装を済ませておきます。機体後部に装備されている“RCSエンハンサー”というパーツはステルス機ならではの装備で、訓練時はレーダーに機体が映るようにするためのものなので、実戦仕様で製作する場合は取り付けません。

ちなみにF-35のレーダー断面積は昆虫並みだそうです。昆虫がレーダーに映るのか?という疑問はさておき、F-35Bは最新鋭機だけにトップクラスのステルス性能を持っているってことです。

コクピットは9パーツで構成されています(計器盤や座席とパイロットフィギュアは後から製作)。サイドステックの操縦桿やスロットルレバーなど極小パーツが多いので、パーツを紛失しないように気を付けたいところです。

コクピットフロア後部には、STOVL(短距離離陸・垂直着陸)たるF-35Bの特徴でもある垂直着陸のための大型リフトファンを塗装して取り付けます。

▲切り出したコクピットパーツ9点(塗装前)

▲各パーツを塗装、組み上げたコクピット、サイドコンソールはデカールで再現される

▲機体内部の塗装と完成させたコクピット

▲機体にコクピットを組み込んだ状態。コクピット後ろのリフトファンが目立つ

 

■前脚収納庫と前脚の製作

コクピットに続いて前脚収納庫を製作します。完成後はほとんど見えなくなる部分ですが、細部までディテールが再現されているので、塗装、指定のデカールを貼り込んで仕上げます。

今回は垂直着陸時状態を選んだので、前脚柱は緩衝装置のオレオが伸びた状態のパーツ(W3)を使用します。スタンドモデルとした場合、目立つ部分でもあるので、オレオ部分はミラーフィニッシュシートを巻きつけています。

前脚収納庫後部のリフトファン下部も同時に組んでいくのですが、通常の飛行機とは違う機体内部の構造が興味深いですね。

各パーツも本当に怖いくらいパチパチ組めてしまうのですが、塗料の厚みでパーツが差し込みづらくなるので、接着面の塗膜を削るなどの配慮も必要です。また機体内側に取り付けるパーツA26は、接着位置が僅かでもずれると機首パーツの上下接着の際に隙間が生じてしまうので、仮組みで確認しつつ正しい位置に接着する必要があります。

▲脚収納庫内部はつや消し白で塗装するが、パーツのディテールを強調するため、下地に黒サーフェイサーで塗装している

▲下地の上につや消し白を塗装

▲脚庫内部のコーションマーク(注意書き)もデカールで再現されている

▲塗装を完了させた前脚収納庫

▲前脚柱も脚庫と同時に組み込む必要があるのだが、取り付け時点では脚庫内に収納できるので破損の心配がない。タミヤらしい作り手視点に立った配慮だ

▲加重が抜けて伸びた状態のオレオはミラーフィニッシュシートを巻き付けて金属感を強調

▲完成した前脚収納庫とリフトファン

 

■インテークダクトの製作と塗装

続いては、これまた特徴的なインテークダクトを製作。

機体中央にリフトファンがあるので、インテークからエンジンに繋がるダクトは大きく湾曲しているんですね。湾曲させることで、レーダーに補足されやすいエンジンのタービンブレードにレーダー波が反射しない構造になっているのだそうです。

▲インテークダクト内側は基本的につや消し白で塗装する

▲ダクト前半分は調色した機体色(グレー)で塗装した後、左右を貼り合わせる。分割ラインがよく考えられておりパーツの接合線はほぼ見えない

 

■再現が難しい機体色

さて、ダクト内部は基本つや消し白で塗装するのですが、インター側と前部分は機体色の塗装が指定されています。今回のタミヤF-35では、機体色のグレーを混色で製作せよと指示されているんですね。なのでインストの指示に従って、タミヤラッカー塗料の「LP-14 舞鶴海軍工廠グレイ(日本海軍)」を7、「LP-59 NATOブラウン」を1の割合で混ぜて機体色を製作します。

ステルス性能のために機体全面に塗装されているRAMコーティング(レーダー吸収素材)は、晴天、曇天の違い、見る角度や光の当たり方でも微妙にグレーの色調が変わって見えるという、模型的には何とも表現の難しい色です。タミヤの調色だと僅かに茶色がかったグレーといったグレーとなります。

確かにそう見える写真があるのも事実。知り合いでF-35の実機を撮影しているカメラマンいわく「条件で色調が変わって見える色だから正解がないんだよ。だから悩むより自分が思うグレーで塗るのが正解」とのこと。難しい色であるのは事実、ということで、今回はタミヤの指示のとおり色を調色して塗装に使用しています。

 

■自作色は多めに作っておく

色を自作する際には、多めに作っておく…これ大事です。今回の場合では7:1と調色レシピが指示されているので、不足したら追加を作ればよいと思いがちですが、塗装中に色がなくなり、レシピを元に追加で調色しても、絶対に同じ色になってくれません。微妙に色調が変わってしまうんですね。なので色を自作する場合は多めに作っておくのがお約束です。

今回はタミヤ「LP-14 舞鶴海軍工廠グレイ」を2本使って、スぺアボトル1本分(1/48のF-35Bなら2機は塗れる量)を用意しました。

▲機体色の調色で指定されているタミヤラッカー塗料「LP-14 舞鶴海軍工廠グレイ(日本海軍)」(176円)と「LP-59 NATOブラウン」(176円)を7:1で調色。左側が調色で使用したタミヤ「スペアボトル46 ビン」(198円)。計量メモリが入っているので調色に便利

▲調色したグレーをプラスプーンに塗装し、色調をチェック。確かに見る角度によって僅かに茶色味がかってみえるグレーだ

 

■機首の完成

先に完成させた機首パートと組み上げたインテークパートを機体上面に組み合わせて、首ブロックの完成です。パーツは取り付け位置にピタリと決まってくれます。

▲先に製作したコクピットなど各ブロックを胴体上面に組み合わせれば機首周りが完成

というワケで今回はここまで! 次回はエンジンと機体を組み上げてきます、乞うご期待!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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