Dimensity 9300の落とし穴!サーマルスロットリング問題発生

Dimensity 9300 die
 
iPhone15 Proシリーズ用A17 Proは発熱が多く、サーマルスロットリングが生じて処理能力が低下すると数カ月前に騒がれたばかりですが、今度は電力効率の高さで定評があるMediaTek Dimensityシリーズの最新システム・オン・チップ(SoC)、Dimensity 9300でもサーマルスロットリングが生じ、処理能力が大幅に低下したのが確認されました。
 
特定のサードパーティー製アプリとの相性が発熱の原因だったA17 Proに対し、Dimensity 9300の発熱の原因は、アグレッシブなCPU構成が原因のようです。

■3行で分かる、この記事のポイント
1. Dimensity 9300は、ベンチマークテストでA17 Proを上回るスコアを記録することがある。
2. MediaTek Dimensity 9300で行った負荷試験で、サーマルスロットリングによる大幅な性能低下が確認された。
3. サーマルスロットリングの原因は、超高性能コアと高性能コアで構成し、高効率コアを搭載しないというアグレッシブすぎる設計が原因と指摘。

動作周波数が3.25GHzから0.6GHzに低下!

スマートフォン向けSoCの発熱増加傾向に伴い、AppleはiPhone16シリーズにグラフェンを用いた冷却機構iPhone16 Proシリーズ金属外装を持つバッテリーを採用し、冷却能力を高めるとの噂があります。
 
そうした中、電力効率の高さで定評があるDimensityの最新チップ、Dimensity 9300の負荷試験が行われました。負荷試験は、Dimensity 9300を搭載するVivo X100 Proを用いています。
 
Vivo X100 Proは、iPhoneも採用すべきとの声もある高性能冷却機構であるベイパーチャンバーを搭載しています。そのため、iPhone15 Proシリーズよりも排熱性能は高いと考えられます。
 
Sahil Karoul氏(@KaroulSahil)が行った試験は、超高性能コアを4つ、高性能コアを4つ、合わせて8つのCPUコアで構成されるDimensity 9300に対し、最大100スレッドの負荷をかけるというものです。
 
Dimensity 9300 spec_1
 
結果、試験開始から2分後に早くもサーマルスロットリングが発生し、超高性能コアであるArm Cortex-X4のうち1つのコアの動作周波数が0.6GHzに低下、残りのコアも1.20GHzと1.50GHzに低下し、それに伴い処理性能はピーク時から46%低下したことが確認されました。

ベンチマークテストでA17 Proを上回ることもあるが

Dimensity 9300は、超高性能コアであるCortex-X4と高性能コアであるCortex-A720しか搭載しないというアグレッシブなCPU構成を採用しています。
 
Dimensity 9300 spec_2
 
つまり、Snapdragon 8 Gen 3が搭載する高効率コアであるCortex-A520は、Dimensity 9300には存在しません。
 
ベンチマークテストではA17 Proよりも高い性能を示すことがありますが、実使用環境ではそう多くない高負荷をかける試験とはいえ、ベイパーチャンバーですら冷却能力不足となると、MediaTekはこの設計を多少見直したほうが良さそうです。
 


 
Dimensity 9300 spec_3
 
 
Source:Wccftech
Photo:CHINA GADGET REVIEWS, RaJ∆noop(@anooprajaji)/X
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