米国や英国を含む18カ国は現地時間11月26日、人工知能(AI)を「設計段階から安全に」開発するための措置を講じることを約束する国際協定に署名しました。同日に発表された20ページの文書において、AIを設計、利用する企業は、悪用から顧客や一般市民を守る措置を講じてAI開発及び導入する必要があると18カ国が合意しています。
■3行で分かる、この記事のポイント
1.米国を含む18カ国、企業に安全なAI開発を促すガイドラインに署名。
2.協定に拘束力はなく、データーの改ざんを防ぐことなどを推奨する内容。
3.欧州連合(EU)は、AI規制法の制定を目指している。
18カ国がガイドラインに同意
この協定に拘束力はなく、AIシステムが不正利用されないよう監視し、データーの改ざんを防ぎ、ソフトウェアサプライヤーを厳選するよう推奨する内容となっています。
米国サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)のジェン・イースタリー長官は、AIシステムが安全を最優先する必要があるという考えに多くの国が名前を連ねたことは重要であると述べ、他の国々にも署名を促しました。
イースタリー長官はReutersに対し、「これらの知能は単に優れた機能や、いかに早く市場に出すか、いかにコストを削減するために競争するかということだけであってはならないことを確認し合ったのは今回が初めてです」と語っています。また、このガイドラインは、「設計段階で最も重要なことはセキュリティであるという意見の一致」を反映したものだとも述べています。
新しいガイドラインに署名した18カ国には、米国と英国に加え、ドイツ、イタリア、チェコ共和国、エストニア、ポーランド、オーストラリア、チリ、イスラエル、ナイジェリア、シンガポールが含まれているということです。
欧州のAI規制について
欧州連合(EU)は、新しいAIシステムの開発とリリースを管理する法律を制定する試みにより、この分野で一歩先んじたスタートを切りました。これには、潜在的な脆弱性を特定するための定期的なセキュリティテストの実施を企業に義務付けることが含まれています。しかし、規制をかける動きは遅々として進まず、フランス、ドイツ、イタリアが独自の暫定協定の締結を進めている状況です。
ホワイトハウスは米国でAI規制を策定するよう議会に求めていますが、これまでのところほとんど進展は見られていません。バイデン大統領は先月、主にハッカーからシステムを保護することを目的とした安全性テストの実施をAI企業に義務づける大統領令に署名しました。
AppleのAI開発について
Appleは長年にわたって自社製品にAI機能を組み込んでおり、特にiPhoneの「写真」アプリには、AIを活用した機能が多く導入されています。
今年7月には同社が、Apple GPTと呼ばれる独自のチャットボットを開発していると報じられました。その後、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は、AIを積極的に開発していることについて公式に認め、生成系AIの研究開発費は四半期で約1兆円にのぼるとも明かしています。
しかし、今のところApple GPTは社内でのみ使用されており、これはAppleが製品のセキュリティを損なうことなくソフトウェア開発に生成系AI機能を活用したいためだと考えられています。
Appleは新技術に対して常に慎重な姿勢を取っているため、このチャットボットがユーザー向けにリリースされるのは、しばらく先になる見込みです。なお、Haitong International Securitiesのアナリストは、早ければ2024年に発表するiOS18に生成系AIが搭載されるのではないかと予想しています。
Source:Reuters via 9to5Mac
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- Original:https://iphone-mania.jp/news-560732/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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