従業員同士が個人的な思い出や音楽の好みを通じてつながるプラットフォーム「Anthym」が、新たに新入社員向けの機能「Welcome」を発表した。Welcomeを活用することで、新入社員の会社へのエンゲージメントを高め、離職率を低下させることが期待される。
思い出や音楽の好みを共有するプラットフォームを提供
Anthymは写真に写された思い出や音楽の好みを共有することでチーム・組織内のメンバーとのつながりを強化させることができるプラットフォーム。現在、英語版のみで提供されているが、すでにGoogle、Amazon、Starbucksといった名だたる企業への導入実績があるサービスだ。
COOのJeremy Gocke氏とCEOのBrian Mohr氏は、多くの従業員が職場でのつながりを切望していることに気づき、Anthymを設立した。マッキンゼーによると、従業員の46%が、お互いを信頼していない、思いやりのない人々と一緒に働いていることが離職理由になったと報告しているという。
従業員同士で人生の思い出の曲を5つ共有
Welcomeでは、従業員は犬を引き取ったときや愛する人を亡くしたときなど、人生の重要な思い出に関連する曲を5つ選ぶ。それらの曲を「JamTracks」と呼ばれるプレイリストに保存する。この場合、採用担当マネージャーは新入社員にJamTracksを完成させるよう指示し、それをチームの他のメンバーと共有して、同僚間のつながりを深めていく。
ChatGPTを利用した機能も存在
ChatGPTを利用した機能もあり、新入社員の性格、コミュニケーションスタイル、核となる価値観、他のチームメンバーとの関わり方を把握するための採用担当マネージャー向けの従業員ユーザーマニュアルを生成する。
このユーザーマニュアル機能は、収集した従業員データとプリンストン大学音楽認知研究所教授のElizabeth Margulis博士、UCLA社会認知神経科学研究所所長のMatthew Lieberman博士、AIスタートアップ企業の創設者で元FSU教授のAllen Romano氏によるAnthymの科学顧問グループからの研究データを組み合わせた独自の大規模言語モデル(LLM)を活用している。
Welcomeは新入社員育成における課題解決が目的
Welcomeは多くの従業員が経験している不十分なオンボーディング(新入社員を企業にとって有用な人材に育成する施策やプロセス)を解決することを目的としている。
オンボーディングが不十分だと、自尊心の低下、エンゲージメントの弱さ、退職リスクの高まりを引き起こす可能性があるという。Welcomeを導入することでそれらの課題解決につながることが期待される。
年間サブスクリプション費は1,200~6,000ドル
Welcome機能は2023年11月16日から正式に利用可能である。同社は数か月前にこの製品をベータ版で公開し、すでに160社の顧客が存在するという。年間サブスクリプションの範囲は1,200~6,000ドルである。
Welcome公式サイト:https://bewelcome.ai/
(文・よし@yoshibizcom)
- Original:https://techable.jp/archives/223614
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Haruka Isobe
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