ゲーミングイヤホンをスマホユーザーが使うのはアリ? ソニー「INZONE Buds」、SIE「PULSE Explore」比較レビュー

完全ワイヤレスイヤホン市場に“ゲーミング”に特化した製品が登場しています。それが、ソニー「INZONE Buds(WF-G700N)」(実勢価格:2万9700円/10月27日発売)と、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」(実勢価格:2万9980円/12月6日発売)です。SIEより発売前にサンプルが届いたので、2機種を比較レビューします。

そもそも、なぜソニーとSIEからほぼ同時期にゲーミング完全ワイヤレスイヤホンが登場したの?と疑問に思う人もいるかもしれません。

今、ワイヤレスのイヤホン・ヘッドホンがブームですが、ゲーマーにとっての最重要機能は“低遅延”。2.4GHz無線接続のUSBドングルが必須になります。また現在のゲーミング市場は、PCゲーマーとコンソールゲーマーで分かれていて、ソニーはPCゲーマー向けに“INZONE”を、PS5純正の周辺機器はSIEが“PULSE”を展開しています。どちらもゲーマー向けに開発したけど、PCゲーマーとPS5で別々に考えていたら同時期に登場したというわけです。

どちらもゲーミング向けの製品ではありますが、そうはいっても「ソニー&SIEの完全ワイヤレスイヤホンだし、スマホと繋いで使ってもいいんでしょ?」と思ってしまうのも心情。

そこで今回は、そんな非ガチゲーマーが「そもそもスマホユーザーが買ってもいいのか?」という視点から、2機種をレビューしていきます。

 

■本格的にゲーミング特化も接続性に癖あり

最初に断っておくと、「INZONE Buds(WF-G700N)」「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」の2機種、外見も中身も全く別モノです。

▼接続性

レビューするにあたって、まずは対応機種と接続性をチェック。実はここが要確認ポイントです。

10月27日発売の「INZONE Buds(WF-G700N)」。低遅延2.4GHzワイヤレス接続のUSB-Cトランシーバー同梱で、PC/ゲーム機/スマホ等に接続可能。

Bluetoothも搭載しているのですが、普通の完全ワイヤレスイヤホンではありません。なんとBluetoothワイヤレスが“LE Audio”のみ!

LE Audioは低遅延のBluetooth接続方式ですが、2023年12月時点で利用できるのはAndroidスマホの一部機種のみ。iPhoneなどは全機種非対応で繋がりません。手持ちのスマホの非対応を知らず買わないよう、くれぐれもご注意を。

もちろんLE Audio対応スマホと組み合わせれば、普通のイヤホンにもなります。今回は対応機種であるXperia1Ⅳに接続して使いましたが、もちろん分かった上で選ぶのはアリです。

そして意外と汎用性のあるポイントとなるのが、USB-Cトランシーバーが付属すること。

▲PCのみならずMacやスマホ、iPhone15もUSB-Cで接続可能

製品コンセプトとしてはPCとの接続での低遅延となるわけですが、もちろんPS5でも利用可能です。それどころかUSB-CなのでAndroidスマホもiPhone 15も使えます。ただ、iPhoneではスマホ側の音量操作は効かないようです。

「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」は、SIEが発売するPS5純正周辺機器。超低遅延ロスレスオーディオの“PlayStation Link (PS Link)”が利用可能なUSB-Aドングルが付属で、PS5/PC/Macなどに接続可能です。また一般的なBluetoothワイヤレス接続機能もあり、PS Linkと同時接続も可能です。

▲スマホとの接続は通常のBluetoothで。SBC/AACコーデックが利用可能

Bluetoothでのスマホ接続は、機種を問わず使えます。ゲーム機+スマホ併用が「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」の想定シーンですね。

▲PS LinkのドングルはPS5やPC向け。PlayStation Portalリモートプレーヤーも接続可能です

PS LinkのドングルはUSB-Aで、PS5では繋ぐだけですぐに接続できます。PC/Macも利用可能ですが…気づかずマイクがミュートになっていたりと四苦八苦しました。

 

▼装着感&機能性

▲「INZONE Buds(WF-G700N)」

ホワイトカラーがソニーのゲーミングを彷彿とさせる「INZONE Buds(WF-G700N)」ですが、外見はソニーの完全ワイヤレスイヤホンの変化系。ソニー独自開発8.4mmのドライバーユニット「ダイナミックドライバーX」を搭載。耳へのフィット感を重視したデザインです。なお、外側の黒いパネル部はタッチ操作にも対応しています。

ソニーの完全ワイヤレスイヤホン“1000Xシリーズ”で定評のあるノイズキャンセルと外音取り込みに対応。試してみると、室内のPCファン音などを重点的に低減するチューニング。全体的な騒音低減はさほど強くありませんが、違和感はありません。

▲充電ケース内にUSB-Cドングルを収納できるのが機能的

バッテリーはイヤホン本体のみで12時間と長い点はさすがゲーマー向け。付属のケースで充電すると合計約24時間の再生が可能です。

なお、PC接続時には「INZONE Hub」で音質カスタマイズ、「360 Spatial Sound for Gaming」による立体音響なども利用可能です。なお、PS5接続ではカスタマイズこそできませんが問題なく使用可能です。

では「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」もチェックしていきましょう。

▲外で使うと目立ちそうな「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」

イヤホン本体にはPSロゴが入り、カーブを描くデザインがかなりの個性派。プレーナー(平面駆動型)マグネティックドライバーと、実は音響技術も注目ポイントです。耳への密着部分はフラットで、標準搭載のイヤーピースも小さめ。全4サイズのイヤーピース付属なので、耳へのフィット具合を確かめて交換してみてください。

イヤホン本体の機能性は、PS5に繋げば簡単に使えるという他に特別な機能はありません。PCやスマホ向けに特別なソフトウエアの提供はなく、“PlayStation Link (PS Link)”でのPS5との接続で超低遅延、さらにスマホとBluetoothで同時接続できる。これだけでも十分機能的ではあります。

▲PS5感のあるデザインのスライド式充電ケース。サイズは大きめ

バッテリー性能はイヤホン本体のみで5時間、付属のケースで充電すると10時間プラスで合計約15時間再生です。

▼音質

2機種ともスマホに接続して音質をチェックしてみました。

「INZONE Buds(WF-G700N)」は、低遅延のUSB-Cトランシーバーをスマホに取り付けて接続し、音楽を聴いてみました。高域から低域まで情報豊富かつ臨場感豊かな高音質。音楽用には音の厚みがもっと欲しいところですが、ゲームの効果音を埋もれさせないバランスでしょう。Bluetooth LE Audioの接続でもサウンドバランスや傾向は同じ。ただ全体的に情報量が落ちるナチュラルサウンドになります。

「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」は、Bluetooth接続で聴いてみると、強めでシャキシャキ癖のある高域と、ズンズン響く低音とドンシャリ系サウンド。エンタメ指向のチューニングです。ただ、PS LinkでPS5と接続してゲームプレイをする、まとまりの良い音で聴けました。

*  *  *

ソニー&SIEのゲーミング向け完全ワイヤレスイヤホン2機種を比べてみると、USBドングルがType-CでPCでもPS5でもスマホでも使える上、音質、ノイキャン搭載、機能性など「INZONE Buds(WF-G700N)」が全体的に一歩リード。ただ、iPhoneで通常のBluetooth接続で使いたければ、選択肢は「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」しかありません。

どちらも本格的にゲーミング向けに作り込まれていて、スマホでも条件付きで使えるけど、あくまでスマホ接続はオマケ程度と考える方が良さそうですね。

>> ソニー「INZONE Buds(WF-G700N)」

>> SIE「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」

<取材・文/折原一也 取材協力/ソニー、ソニー・インタラクティブエンタテインメント>

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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