あなたの話をAIが盗聴して広告に!Appleは「明確な違反」と猛批判

iPhone スマートフォン 盗聴 hato/iPhone Mania
 
スマートフォンのマイクを通じて日常会話を自動収集・解析し、内容に合致したWeb広告を表示する技術が問題となっています。プライバシー侵害で違法ではないかと思われますが、技術を提供するマーケティング企業は、利用規約に含まれているので合法だと主張しています。Appleは、ユーザーが音声の提供を明確に同意していない場合はApp Storeガイドラインに違反する、と批判しています。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1. 日常会話を解析して広告表示に使用する技術が問題に。
2. 提供企業は、アプリの利用規約に含まれており合法と主張。
3. Appleは、App Storeガイドラインでユーザーの明確な同意を義務付け。

日常会話をAI解析、広告を表示

アメリカのマーケティング企業、Cox Media Group Local Solutionsが、スマートフォン、タブレット、スマートスピーカーやスマートテレビなどのマイクを通じて聞き取った日常会話を人工知能(AI)で解析し、最適な広告を表示する技術「アクティブ・リスニング(Active Listening)」を紹介する記事を公式ブログに掲載しました(現在は削除)。
 
ブログ記事によると、家族どうしで交わされる「天井にカビが生えているな」や「もっと有利な住宅ローンにしよう」といった日常会話をAIが解析し、必要度が高いと判断される広告を自動で表示できるとのことです。
 
Cox Media Group Local Solutions Active Listening (Wayback Machine)
 

会話を広告販売に利用するのは「合法」と主張

日常会話を聞き取り解析した情報を、広告表示に使用するのはプライバシーの侵害であり、違法行為のように思えます。
 
しかしCox Media Group Local Solutionsは、新しいアプリのダウンロード時やアップデート時に、数ページにわたる利用規約のどこかにアクティブ・リスニングに関する項目が含まれており、ユーザーがアプリを使用するために利用規約に同意している以上、アクティブ・リスニングは合法だ、と主張しています。

Apple「明白なガイドライン違反」

Appleは米テクノロジーメディアiMoreに対し、アクティブ・リスニングに関する項目が利用規約に含まれていたとしても「App Storeガイドラインの明白な違反に該当する」とコメントしています。
 
App Storeガイドラインには以下の記述があり、利用規約に紛れ込ませるのではなく、ユーザーの明確な同意が必要とされています。
 

アプリで、録音や録画、ログの記録、またはその他の方法でユーザーのアクティビティを記録する場合は、ユーザーの同意を明示的に確認し、記録中であることが視覚および/または音声でわかるようにする必要があります。これにはデバイスのカメラ、マイク、画面収録機能、またはその他のユーザー入力ツールの使用が含まれます。

 

iPhoneで自分のプライバシーを確認するには

iPhone、iPad、Macでは、撮影・録音中には画面上部に小さな丸い点が表示され、マイクやカメラが使用中であることをユーザーに知らせます。
 
Apple サポート iPhoneインジケータ
 
Androidスマートフォンも、マイクやカメラの使用中にはインジケーターが表示されます。
 
iPhoneでは、「設定」アプリの「プライバシーとセキュリティ」から「アプリプライバシーレポート」を開くと、過去7日間にユーザーの位置情報やカメラ、マイクなどにアクセスしたアプリを確認できます。
 
 
Photo:Cox Media Group Local Solutions (WaybackMachine), Appleサポート
(hato)


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