サロモン「クロスハイク2」を20日間履き続けてわかった人気の理由と絶妙な履き心地

<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>

ここ数年、人気急上昇中のサロモン(Salomon)のシューズ。中でも「XT-4」や「XT-6」は、さまざまなショップやブランドとコラボを展開するなど、ファッション界隈では爆発的な人気となっています。うん、たしかにかっこいい。

ただ、人気となっているモデルの多くは“スポーツスタイル”とカテゴライズされているラインになります。でも正直に言います。昔からサロモンを知る者としては、サロモンのメインはやっぱり「山でガチの人が履いても満足できるテクニカルなモデルでしょ」なんて思ってました(スポーツスタイルのシューズもしっかりハイテクなんですけどね)。

そんな中、今年の夏頃からサロモンに触れる機会が多々ありまして。ちょうど雨の日に履けるシューズが一足欲しいと思っていたところなので、「ここはいっちょ、最新のサロモンいってみますか」ということで、“ハイキング”カテゴリーにあったGORE-TEX仕様の「クロスハイク2」(2万900円)を購入しまして。

▲今回、購入した「クロスハイク2」はたまたまネットで見つけた前シーズンのカラー

雨が降ったら履こう、なんてちょいと寝かしていたんですが、11月に入り雨が増えてきたことから、いよいよ下ろすことに(忘れていたわけでは…ありません)。

じゃあせっかくなのでレビューでもしてみようかと、履き始めから20日間、本当に毎日履きました。その際、日々スマホに感じたことをメモしておいたので、そのメモをベースに商品レビューしていきます。

ちなみに先に書いておくと、すでに履き始めて1カ月半以上経ちますが、6~7割方の日はサロモンで出掛けてます。たくさん歩くことがわかっている日は必ずサロモンです。

 

Day1:おっ予想外に軽い!

手に持った時の感覚より、履いた時のほうが断然軽く感じる。たぶん、しっかり足にフィットさせられるからなのかも。

歩き出して感じたのが、アウトソールの硬さ。多少の凸凹なら気にならない。だからといってソール全体が硬いというわけじゃなく、ミッドソールは体重をちゃんと受け止めつつ、反発もしてくれる弾性がある。片足に体重をかけてみると、ギュッと沈み込み、体重を抜くとクッと押し戻されるような感覚。

そしてアッパーは予想外に硬め。それをキュッと締めるわけだから、少々足に違和感はある。これはおそらく慣れだと思われる。この先、この硬さがどう変わっていくかが楽しみ。

ざっくり初日の感想は「軽さも相まって安心感がハンパない」といったところ。この日の歩数約1万6000歩。

 

Day2:滑りやすいタイルもへっちゃら

今日は、待望の雨! GORE-TEX仕様の「クロスハイク2」が活きる日だ。防水シューズを履いて雨の日に出かけた時の「雨なんぞ関係あるかい」という全能感が好き。

会社近くにある、濡れている時はツルツル地獄に変わるタイル貼りの場所も、キュッとグリップしてくれる。周りには恐る恐る歩いている人、多数。コンタグリップすげぇ!

▲アウトソールにはサロモン独自のContagripという滑りにくいソールが使われている

初日には、これでもかとギューッと締めたシューレースも、締めすぎるとしんどいということがわかったので、今日は気持ち緩めに締めた。すると、帰宅時に脱いだ時の疲労感が大違い。歩数が少なかったこともあるかもだけど、何事もやり過ぎはよくない。歩数約9000歩。

 

Day3:自転車も問題なし

今日はチャリでお出かけ。最近流行りの厚底やわらか系ソールはたしかに気持ちイイけれど、自転車に乗るには不向きだと思う。なぜなら、掛けた踏力がペダルにしっかり伝わらない気がするから。そういう用途じゃないのはわかってるけど…。

でもこの「クロスハイク2」はアウトソールが硬くて、ミッドソールは力がかかっても横に広がることがないから、踏むとしっかりペダルに力が伝わる。いい。

深めの溝がペダルの滑り止めに引っかかるかと思ってたけど、案外気にならず。あと足にしっかりフィットしてるのもポイント高し。歩数約5000歩。

 

Day5:シューレースの余りをどうするか…

今日はなぜか驚くほど足にフィットしてる。もう足と靴が馴染んだのか。前日までは、履き始めらしい違和感があったけど、今日はそれがない。最も気になっていたカカト側の当たりも、シューレースの締める強さの塩梅を掴んだのか、まったくイヤな感じがない。

そして5日目にして、クイックレース(シューレース)の余りをシュータンのポケットに入れるのが少々面倒になってきた。出したままで歩いてみたけど、せめて先っちよだけは固定しといたほうがいい。足を動かすたびにバタつくのはやっぱり気になる。

ちなみにクイックレースとは、サロモン独自のシューレースのことで、引っ張ると全体が締まり、留め具をスライドさせて固定する。脱ぐ時は留め具を緩めるだけで、シューレース全体も緩まる。だから毎度、しっかり足にフィットさせられて、脱ぐ時もラクラク。これ一度使うとやめられなくなりそう。歩数約1万2000歩。

 

Day8:ブラブラさせるのはやっぱりよくない

この日は試しに、クイックレースの余り部分をタンにあるポケットに入れずに過ごしてみた。

最初は、やっぱりパタパタするのが気になったけど、慣れるとさほどでもなくなった。ただし、当然ながら見た目には美しくない。それにどこかに引っ掛けるかもしれないので、よろしくない。

ズボンの裾の中に入れてみたけど、何かの拍子に出てくる可能性があるから、必ずシュータンのポケットに入れよう。

そういえば出かけた先で、サロモンを履いている人を見かけた。モデル名まではわからなかったけど、サイドの波々した意匠が見えたから、おそらくXシリーズのどれかなはず。最近本当によく見かけるようになった。

ちなみにサロモンのシューズはどれも、側面にブランド名が大きめに書かれている。シューズカラーに近い色の場合もあるけど、目立つものもある。歩数約1万1000歩。

 

Day18:試してみたかったアウトドア

この日から2泊3日でキャンプギア撮影のため、キャンプ場へ。そう、雨の日もだけど、この予定もあったから、履き始めたのだ。

到着して自分たちのテントと撮影基地となる大きなタープを張ったら撮影スタート。ギア類をセットしては撮影を繰り返す。芝生のサイトを使ったんだけど、地面の凸凹もなんのその。こういう時に硬めのアウトソールは助かる。

そして撮影の合間を縫って、カメラマンさんに撮影をお願い。

やっぱりプロの写真は違う。焚き火の前のチェアに座って撮ってもらったんですが、雰囲気あるわー。

その後、テントに出入りする際の脱ぎ履きもクイックレースのおかげでラクだし、不整地でもしっかり足が保護されている感覚があり、そして疲れない。さすが本格トレランシューズを手掛けているブランドだけはある。

最終日まで毎日、一日中履き通しでも余裕でした。

*  *  *

アウトソールの深い溝やパッと見のゴツさから、街履きにはどうかな、なんて思ってたんですが、なんのなんの、雨の日はもちろんのこと、ほぼ毎日履いてます。

レギュラーシューズのひとつであるナイキ「エアフォース1」が少々重めなことから、翌日にサロモンを履いた時の足が軽くなる感覚がいいんですよね。片足389g(27cm)と、決して軽量シューズというわけではないのですが、しっかりフィットさせられることと、不整地からアスファルトまでどんな地面でも常に足を同じような状態にできるソールが、軽さを感じさせてくれるのかもしれません。

これまでも、雨の日用にGORE-TEXのシューズを常に一足は持っていたんですが、当分はこの「クロスハイク2」でいいかも。というか気に入ったらそればっかり履くクセがあるので、かなりヘビーに履き倒す可能性もありそう…。

ファッション系のラインもこれらのテクノロジーが使われていることを考えると、見た目で入った人たちも履いてみて手放せなくなっているのでは、なんて思ったり。人気の理由、よくわかりました。

>> サロモン

<取材・文/円道秀和(&GP) キャンプ場写真/逢坂聡>

 

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