Vision Pro、Wi-Fi 6Eと超広帯域無線(UWB)には非対応?

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現地時間1月16日、Apple Vision Proは米連邦通信委員会(FCC)の認可を取得しましたが、その申請書によると、同ヘッドセットがWi-Fi 6Eおよび超広帯域無線(UWB)に対応していないことが確認されました。
 

■3行で分かる、この記事のポイント
1.Vision ProはWi-Fi 6に対応しWi-Fi 6Eには対応しない可能性。
2.Wi-Fi 6Eでは新たに6GHz帯が追加され、より安定した高速通信が可能に。
3.Vision Proは、超広帯域無線(UWB)にも非対応。

Wi-Fi 6Eには非対応

Wi-Fi 6EWi-Fi 66GHz帯を追加した拡張規格で、互換性のあるデバイスやルーターとの電波干渉を低減し、より高速なワイヤレス通信を実現します。AppleのWi-Fi 6E対応デバイスには、最新モデルのiPad Pro 11インチ(第4世代)および12.9インチiPad Pro(第6世代)、iPhone15 ProとiPhone15 Pro Max、そして2023年に発売された全てのMacが含まれます。
 
FCCに提出された書類によると、Vision ProはWi-Fi 6Eをサポートしていませんが、Wi-Fi 6には対応しているということです。

Wi-Fi 5およびWi-Fi 6、Wi-Fi 6Eの違い

Wi-Fi 6は以前の規格であるWi-Fi 5に比べて最大通信速度が約1.4倍も高速になりました。Wi-Fi 5では、「5GHz帯」のみに対応していましたが、Wi-Fi 6では「5GHz帯」「2.4GHz帯」の2つの周波数が利用可能になっています。
 
5GHz帯は同じ周波数の電波と干渉しにくく安定した通信が可能ですが、壁などの障害物があると電波が弱まってしまうデメリットがあります。一方の2.4GHz帯は壁などの障害物に強く遠くまで電波を届けられるメリットがありますが、通信速度は遅めで同じ周波数帯の機器との電波干渉が起こりやすい周波数帯です。
 
そして、Wi-Fi 6Eでは「5GHz帯」「2.4GHz帯」に加えて新たに「6GHz帯」が追加されました。ちなみに、EはExtend(拡張)を意味しています。6GHz帯では、使用できるチャンネル数が増えたことでより高速な通信が可能になりました。また、6GHz帯は新たに追加された帯域のため、他の電波の干渉を受けにくく速度低下が起こりにくくなるというメリットもあります。つまり、Wi-Fi 6Eは、これまでのWi-Fiのデメリットを解消する規格だと言えるでしょう。
 
家族間などでWi-Fiを同時利用することが多い場合は、Wi-Fi 6Eが登場したことで、安定した高速通信が可能になります。
 
近年では、Wi-Fi 6E対応デバイスが徐々に増えてきており、Appleデバイスの最新モデルでもWi-Fi 6Eをサポートし始めているため、Vision Proもサポートすると期待していた人は多いのではないでしょうか。しかし、対応デバイスが徐々に増えてきたとはいえ、Wi-Fi 6E対応機器が十分普及しているとは言えないため、現時点ではWi-Fi 6の対応で十分なのかもしれません。

超広帯域無線(UWB)にも対応せず

なお、FCCに提出された書類では、Vision ProがUWBにも対応していないことが示唆されています。AppleのUWBチップ(U1チップ)は、「空間認識」に活用され、同チップを搭載するApple製デバイスの場所を室内で正確に認識することが可能です。UWBは、iPhoneやApple Watch、AirTagsにも搭載されています。
 
AppleはまだVision Proの完全な技術仕様を公開していないため、限られた情報しか入手できません。同社は今のところ、このヘッドセットにはM2チップ、カメラとマイクからの入力を処理する全く新しいR1チップを搭載し、基本ストレージ容量は256GBになると述べています。なお、MacRumorsによるとVision Proのメモリ容量は16GBだということです。
 
Vision Proは米国で2月2日(金)に発売となり、1月19日午前5時(PST/米国太平洋標準時)から予約注文が開始されます。
 
 
(m7000)


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