日本の自動車メーカーが手がけていないジャンルに属するモデルも登場!2024年期待のクルマ【輸入車編】

2024年に日本市場に導入される輸入車は、多種多様。EVもあれば、スポーティなSUVも、という具合です。

なかには、日本の自動車メーカーが手がけていないジャンルに属するモデルもあり、クルマ好きとしては、目が離せません。

24年で気になる動きは、ピュアEV(BEV=バッテリー駆動EV)のメーカーになると宣言したジャガーが、後半には新世代のモデルを見せるかもしれないということです。

2030年までに販売する車両の8割がBEVに、という計画を掲げているポルシェでは、24年にマカンEVを発表すると言われています。ボルボは、プレミアムサイズのエレクトリックSUV、EX90の生産を24年はじめから開始するそうです。

▼BMW X2

23年10月の「ジャパンモビリティショー」でお披露目された2代目「X2」。ダイナミックなボディラインというのが、BMWによる宣伝文句。厚みのあるボディですが、躍動感がうまく盛り込まれていて、ファンへのアピールは強そうです。

全長は4554mm、全幅は1845mm、全高は1590mm、ホイールベースは2692mm。従来モデルより大きくなっていて、室内も荷室容量も拡大したといいます。

大きなキドニーグリルは、最近のBMWモデルにならって、輪郭が輝く「アイコニックグロー」搭載。夜間の存在感はかなりなものでしょう。

もうひとつの注目点はインテリア。カーブドディスプレイなる大型液晶モニターには、数かずのインフォテイメント用プログラムが搭載される予定で、乗員全員で楽しめる対戦型ゲームなど欧州では積極的に展開中。日本でも積極的に企画しているそうです。

150kWのパワフルなxDrive20i M Sport(628万円)と、233kWのスポーティなM35i xDrive(810万円)が、日本では24年に販売されます。

▼ミニ・カントリーマン

ミニ・ファンお待ちかねのモデルが、クロスオーバー改めカントリーマンとして登場するミニの新型ステーションワゴン。第3世代になります。

機能的なワゴンボディは505リッターの荷室容量。加えてリアシートのバックレストは4対2対4で可倒式なので利便性は高そう。外観はサイドウインドウにちょっとした装飾があったりして、機能一辺倒なデザインになるのを回避する工夫が見られます。

4445mmの全長に、1660mmの全高(JCWのみ1645mmとちょっと低い)。ホイールベースは2690mmです。エンジンのバリエーションは豊富で、1.5リッター3気筒、2リッター4気筒ディーゼル、2リッター4気筒、さらに233kWの2リッター4気筒(JCW用)というぐあい。追って、BEV(バッテリー駆動EV)も追加されます。

価格はベーシックな「C」が489万円、ディーゼル「D」が509万円、2リッターエンジンに4WDの「ALL4」が566万円、もっともパワフルな「John Cooper Works ALL4」が667万円。納車は24年第1四半期が予定されています。

▼フォルクスワーゲンID.BUZZ

かつてヒッピーにも愛されたブッリ(マイクロバスの愛称)を現代的に再解釈したBEVのID.BUZZ(アイディーバズ)。

消費者に愛されてなんぼの「ラブカーズ」をブランドのコアコンセプトにすると発表したフォルクスワーゲンだけに、このクルマは内外装がキュートだし、荷物をたくさん搭載可能。

まず欧州で2列シート仕様が発表され、23年に主に北米市場向けの3列ロングホイールベース仕様が追加されました。前者には欧州各地で乗ったことがありますが、あたりがやわらかく、たしかに誰でも気持ちよく運転できる操縦感覚が特徴的といえます。

日本には、24年末ごろ、2列シート仕様が導入されると発表されています。競合のないマーケットだけに、欲しいひとがたくさん現れそうです。

▼BYDシール

EVの技術でリーダー的立場にあるといってもいいBYDが、「ATTO3」「ドルフィン」に次いで日本に導入するのが「シール」。全長4800mmのセダンです。

日本仕様は、2モーターによるAWD(と、ひょっとしたらシングルモーターの後輪駆動)の予定。AWDの場合、230kWの出力をもつリアモーターに、160kWのフロントモーターの組合せ。

ブレードバッテリーというBYDならではの薄型バッテリーを使うことに加え、セルトゥボディといって、従来の駆動用バッテリーのようにモジュールを使わず、容量拡大と、バッテリーをボディの一部とすることで強度を上げることを狙った技術採用も注目点です。

BEVの利点を活かして、車内が広いのも、シールのメリットです。前席では大型モニターでインフォテイメントシステムを楽しめるいっぽう、後席乗員はゆったりとした気分でいられます。

ジャーナリスト向けのお披露目が中国のサーキットだったように、スポーティな操縦性も特徴です。トルクがたっぷりあるうえにスムーズな加速をもたらすモーターによる駆動と、高剛性シャシーと、スポーティな設定のサスペンションとステアリングを備えています。

日本市場への導入は、24年春頃だそう。価格も未発表です。ATTO3やドルフィンが装備や性能に対して、かなり買いやすい価格設定だったことを考えると、シールにも魅力的なプライスタグが提げるられるかもしれません。

▼ヒョンデ・アイオニック5 N

ヒョンデのピュアEV、アイオニック5は日本でもすでに販売されていて、路上で見かける機会も増えました。こちらは、アイオニック5をチューンナップしたパワフルなモデル。EVの可能性を拡張して見せてくれた点で画期的です。

ベースモデルの出力が225kWであるのに対して、こちらは448kW。スポーティな外観からくる期待を裏切りません。

BMWやメルセデス・ベンツ出身の技術者たちの知見かたまりのような仕上がりで、サーキットで楽しめる技術満載。さらに、慣れないひとでもドリフトが楽しめる装備まで搭載されています。

日本市場には24年上半期導入とのことで、あたらしい乗りものとしてのピュアEVの可能性に注目したモデルだけに、人気を呼ぶのではないでしょうか。

▼ヒョンデ・キャスパー

かわいらしいオバケが主人公の米国製アニメーションと同名の、ヒョンデが手がけるコンパクトカー。全長3.6mと、日本の軽規格(3.4m)よりはすこし大きいけれど、ソウルなどの市街地で見かけると、ずいぶんキュートです。

それでも存在感があるのは、ピラーをあえて太くしてボディ強度が強そうなイメージを前面に押し出したボディデザインゆえ。これも大きな魅力です。

いまは1リッターエンジン搭載ですが、まもなくピュアEV版も登場すると言います。それができれば日本にも導入したい、とヒョンデの開発者は語っています。24年内に間に合うかわかりませんが、日本でも乗ってみたいという期待を込めて、ここで紹介します。

▼ランボルギーニ・レヴエルト

ランボルギーニが発表した、プラグインハイブリッド・ハイパースポーツ。6.5リッター12気筒エンジンに3基のモーターの組合せ。合計出力は747kW(1015ps)に達しています。

車体はド迫力。5m近い全長に、2mを超える全幅、かつ全高は1.1mと地を這うような低さです。最高速は時速350km。静止から時速100kmまで加速するのに要する時間はたった2.5秒といいます。

コクピットは「パイロットのような感覚」とメーカー自身が言うほど、ぎゅっとタイトで、計器やスイッチが並びます。デジタライゼーションでシンプルにしていくのが昨今の傾向ですが、ランボルギーニはあえて背を向けています。とはいえ、ドライバー眼の前の計器盤が薄いのは、新世代感が感じられます。

「新しいマーケットを獲得できましたよ」。23年秋に会ったとき、CTO(チーフテクニカルオフィサー)を務めるロウフェン・モア氏は私に語ってくれました。

競合はとうぜん、フェラーリSF90ストラダーレ。2019年発表のSF90ストラダーレでは4リッターV8ですが、23年にフェラーリはSF90XXストラダーレを発表。トータル出力は758kWに達し、静止から時速100kmまでを2.2秒で加速としています。このバトルもすごい。

そんな新しいランボルギーニを手に入れるには6543万円を払える厚いお財布と、発売は24年春ですが、納車まで数年待てる忍耐心が必要です。お持ちですか?

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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