【GoodsPress Award 2023】
2023年は映像表現についてより一層の磨きを掛けた有機EL＆液晶の4Kモデルが登場した。中でも、今回取り上げたモデルに見られるのが“明るい高画質”というトレンド。最新の発光方式などが作り出す鮮明な映像で、お気に入りのコンテンツを明るいリビングで満喫したい。
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2021年は有機ELが漆黒の再現力を高め、2022年は液晶テレビがminiLEDバックライトを使った高輝度化を果たした。そして2023年は有機ELの“起死回生”となる新技術として、MLA（マイクロレンズアレイ）有機ELパネルが登場。漆黒表現の高さとともに一般的な液晶テレビを大幅に上回る高輝度を併せ持つ。同パネルを採用したパナソニックの「ビエラ MZ2500」は一時製造が追い付かなくなったほどだ。
一方、高輝度のminiLEDバックライトは各社の4K液晶ハイエンドモデルの定番に。ソニー「ブラビア X95L」や、パナソニック「ビエラ MX950」などの新製品が採用。中でもTVS REGZA「Z970M」は、高画質映像処理エンジン「レグザエンジンZRα」とminiLEDバックライトを組み合わせた画質最高峰の4K液晶テレビと言えるだろう。
最近ではminiLEDバックライトのコストダウンが進み、ハイセンス「U8K」のようなミドルレンジクラスも採用。高画質のトレンドとしては、miniLEDバックライトで明るさを競う新時代が到来したと言えそうだ。
機能面ではネット動画サービスとしてTVerアプリも続々と対応。ゲーム用途の表示遅延を最小限に抑える技術開発も、2023年は進んだ年だった。
AV評論家／折原一也さん
雑誌やWEBなど出版業界での活動歴約20年のオーディオ&ビジュアルライター／AV評論家。YouTube「オリチャンネル」で動画も発信中
GoodsPress AWARD 2023
ーテレビー
＜大賞＞
■“マイクロレンズ有機EL”の能力を完璧に引き出すトップモデル
パナソニック
「ビエラ TH-55MZ2500」（実勢価格：36万6300円前後）
漆黒の表現力とともに、ひと目見て圧倒されるほどの輝度感を両立しました。明るい映像は、液晶ハイエンドのピーク輝度に匹敵するほど。“マイクロレンズ有機EL”のポテンシャルを独自構造で完璧に引き出した、2023年の高画質4Kテレビのトップモデルと言えます（折原さん）
有機ELの高画質設計に加えて、最新のゲーム機が採用するHDMI2.1規格の4K/120P入力に対応。短時間による信号処理で、映像を表示するまでの遅延が抑えられており、ゲームをプレイするのも快適だ。地上／BS／110度CS放送の各チューナーを3つ搭載するので、視聴中以外の放送も2番組同時に外付けHDDに残せる。
▲解像感の高いクリアなサウンドとともに重厚感たっぷりのサウンドも響かせる“ラインアレイスピーカー”を採用。天井に向けて音を放つ“イネーブルドスピーカー”と、横方向に音の広がりをもたせる“ワイドスピーカー”などとの相乗効果で、音に包まれる臨場感を味わえる
▲新世代の有機ELパネルは、1画素当たり数千個のレンズが並べられたマイクロレンズと有機EL発光層を一体形成したもの。放熱シートを追加した構造の採用により、発光性能をさらに高めた
▲パナソニック独自の「転倒防止スタンド」を採用。設置面から離れる力が生じると、テレビ台に吸盤がしっかりと吸着し、倒れにくくする。吸着のオン／オフはスイッチ操作で簡単に切り替え可能だ
＜先端技術賞＞
■ユーザーの位置を認識して映像とサウンドを最適化！
TVS REGZA
「レグザ 65Z970M」（実勢価格：39万4430円前後）
高輝度のminiLEDバックライトとともに、自動運転などで用いられるミリ波レーダーを活用したセンシング技術を投入しています。ユーザーが視聴している位置情報を正確に認識するアプローチは、テレビの未来を先取りするもので、発表時には大きな注目を集めました（折原さん）
映像処理エンジン「レグザエンジンZRα」と新しいminiLED液晶パネルなどが生み出す高画質映像はもちろん、計11個のスピーカーによる臨場感あふれるサウンドも魅力だ。レグザ特有のタイムシフト機能も健在で、見たいものをすぐに探し出せる機能もさらに進化している。
▲ミリ波レーダーを使った“レグザセンシング”技術は、位置情報に合わせて映像と音を自動調整するのが特徴。例えば、テレビから離れた位置の場合、映像の精細感を高めてメリハリを強める処理を行う
＜ゲーム対応賞＞
■画面が湾曲して視界を覆う！新発想のゲーミングテレビ
LGエレクトロニクス
「LG OLED Flex 42LX3QPJA」（実勢価格：43万7800円前後）
屈曲率を20段階で変えられる有機ELパネルを採用。視界が映像に覆われることで没入感は圧倒的！ 素早い動きの映像でも滑らかな「120Hz表示」や、ゲーム映像向けのテクノロジー「Dolby Vision Gaming 4K」にも対応する、新発想のゲーマー向けテレビです（折原さん）
画面を曲げられるだけでなく、高さと角度の調整にも対応。ゲームをプレイする際のベストポジションに画面をセッティングできる。40Wのフロントスピーカーと、映像に合わせて音が360度移動するDolby Atmos機能によって生み出されるサウンドの迫力は圧巻。
▲スピーカーから聞こえるゲーム内の背景音を小さくし、ボイスチャットの声を明瞭に伝える“エコーキャンセリングマイク”を内蔵。ヘッドセットを着用しなくても参加者との意思疎通を図りやすい
＜パーソナルサイズ賞＞
■サブとして使えるサイズながら画質もネット機能も申し分なし！
シャープ
「アクオス 2T-C32EF1」（実勢価格：5万3541円前後）
寝室や書斎で使うサブ機として、32V型の小型テレビは根強い人気があります。「アクオス 2T-C32EF1」は、そんなニーズに応えるモデルで、コンパクトなサイズながらネット動画の各種サービスに対応する、国内メーカーの製品としては希少な1台と言えるでしょう（折原さん）
「HDR10」「HLG2」といったHDR規格に準拠。同対応コンテンツを表示した際は、明部は白飛びせず、暗部は黒く潰れることのない、高画質な映像として楽しめる。USB端子が2系統備わり、外付けHDDや無線機器の受信機などを接続するのにも困らない。
▲Android TV機能を搭載し、ネット動画を鑑賞するのはもちろん、スマホの映像をキャストして表示したり、Webカメラを取り付けて「Google Meet」のビデオ通話を楽しんだりすることもできる
＜ハイコスパ賞＞
■低価格とは思えない高画質を表示！ネット動画にも対応する買い得モデル
ハイセンス
「65U8K」（実勢価格：19万8000円前後）
2023年における4Kテレビのトレンドワードとなった高輝度miniLEDバックライトを搭載し、実勢価格で20万円を下回る65V型モデルとは思えない明るい高画質を実現した、ハイセンスの“戦略的”なモデルと言えます。コスパで選ぶなら断然ハイセンスですね（折原さん）
人気の動画配信会社17社のサービスに対応し、そのうち10社についてはリモコンにダイレクトボタンを用意。同ボタンは電源も兼ねており、目当てのネット動画をすぐに視聴できる。3つのスピーカーシステムが生み出すサウンドの臨場感も申し分なしだ。
▲圧倒的に情報量が多い4K映像を高速で処理すべく、最新の映像エンジン「HI-VIEWエンジン」を搭載。地上／BS／110度CSの各種デジタル放送はもちろん、ネット動画やゲームも高画質で楽しめる
※2023年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号50-51ページの記事をもとに構成しています
＜取材・文／折原一也、ナゴヤリュータ＞
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/579251/
- Source:＆GP
- Author:＆GP
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