UGC、海外大学と提携しているEdTech企業に厳格な警告を発令。インドのオンライン教育サービスに波紋

インドの大学助成委員会(The University Grants Commission:以下、UGC)が、EdTech企業に向けて厳格な警告を発令した。「UGCが承認していない海外の大学と提携したプログラムを学生に提供しないように」という内容だ。また、学生に対しても、該当のカリキュラムやコースの受講を避けるように促している。

UGC未承認の外国大学プログラムをインドで禁止

UGC公式サイトより引用

1956年に設立されたUGCは、インドの高等教育機関(大学、カレッジなど)の発展と品質を確保するための機関。大学やカレッジに対して認定や助成金の配分などを行い、国内の高等教育の基準を維持するためにさまざまな規則やガイドラインを制定するのが主な役割だ。

UGCのガイドラインでは、外国の高等教育機関がUGCからの事前承認を得ずにインドでプログラムを提供することを禁止している。この規定は国内の高等教育の質を保持する目的で作られたと考えられている。

これまで規定の範囲はオフラインの高等教育機関に絞っていたようだが、今回その範囲をオンラインにまで拡大した。

UGCの委員長Mamidala Jagadesh Kumar氏は、X(旧Twitter)で以下のようにポストした。

「UGC規則では、外国の高等教育機関は、UGCの事前承認なしにインドでいかなるプログラムも提供してはならない。高等教育機関はフランチャイズ契約に基づいてプログラムを提供してはならない。そのようなプログラムはUGCによって認められないものと定めている」。

EdTech企業はプログラム再編成と学生サポートが重要に?

インド国内で海外の大学の学位を取得できるEdTechサービスはいくつかある。

例えばupGradでは、MBAやデータサイエンスなど、多岐に渡るプログラムを受講でき、30か月で2つの学位を取得するコースも展開中だ。通学の必要はなく、「100%オンライン」となっている。

これまでに200万人以上が受講しており、提携している大学もインドだけでなく、イギリスやアメリカ、オーストラリアなど多様な印象を受ける。

そのほか、Simplilearnでもオンラインで学位を取得できる。アプリを通じて外出先でもレッスンを受講でき、人工知能やデータ分析、クラウドコンピューティングなどデジタル分野での修士号を取得可能なのが特徴だ。

提携プログラムがUGCの承認を受けていれば問題ないが、そうでなければこれを機に新たな対応を要求されるだろう。

UGCは問題のあるプログラムには法的措置を取る姿勢を見せているため、プログラムの再編成や受講中の学生への対応、すでに取得した学位の扱いなど、教育体制を整備することが急務となるかもしれない。

参考・引用元:
UGC 公式サイト
upGrad 公式サイト
Simplilearn 公式サイト

(文・山田)


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