2023年は、まったく新しい生成AIサービスが次々と台頭し、ビジネス界を大きく揺るがした生成AI元年ともいうべき1年だった。2022年末に一般公開されたChatGPTが世界を席巻し、日本のネット空間ではAI絵師が人気を博したり物議を醸したりもした。誤情報や偏見を学習してしまうこと、著作権やプライバシーへの懸念などまだまだ課題は多いものの、生成AIの創造性によって人間側の作業効率が向上したことは間違いないだろう。
McKinsey&Companyの分析によると、生成AIが事業に与える経済効果は年間で約300兆円から600兆円に及ぶとのこと。先進国のGDPにも等しい金額である。ちょうど1年前の2023年1月にはChatGPTの開発元であるOpenAI社へのMicrosoft社による1.3兆円の巨額投資がニュースになったが、ここにきて生成AI導入に本腰を入れる企業も多いのではないだろうか。
今回は2024年にぜひともチェックしたい、生成AIの世界的イベント情報をまとめた。生成AIの動向が気になる方は要チェックだ。
GENERATIVE AI EXPO (2月13~15日/米フロリダ州)
今年で第2回となるGenerative AI Expoは、米国の国際イベントITEXPOの一部で、#TECHSUPERSHOWの一環として開催されるカンファレンス。2月13日から15日の3日間にかけて、生成AIの今後の可能性やアイデアが語られる予定だ。2024年1月末の時点で出展企業は300社以上、講演予定者30人。まだ世に知られていない生成AIスタートアップがフロリダ州の会場で一堂に会する。開催目的として、現段階では非現実的な未来を見せるショーケースというよりは、生成AIで何ができるのかを知ることが重要とされている。
NVIDIA GTC (3月17日~21日/米カリフォルニア州)
NVIDIA GTCは、AI半導体大手NVIDIA主催の生成AIに特化したカンフェレンスだ。カリフォルニア州・サンノゼにて3月17日~21日の5日間開催される。NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏の講演はもとより、Open AIをはじめ才能あふれる開発者や研究者たちが、生成AIの機能や技術を徹底的に語り合う。新しい発見や驚き、インスピレーションが期待できるイベントだ。
2023年の同氏の基調講演はYouTubeでも閲覧できる(日本語字幕あり)。画像やイラストがふんだんに使われているため、生成AIの仕組みが直感的に把握できるだろう。
Middle East Enterprise AI & Analytics Summit (10月10日/カタール、ドーハ)
中東では、MEEAI(Middle East Enterprise & Analytics Summit)と呼ばれる国際イベントがアラブ首長国連邦(UAE)の主催で毎年開催されている。同イベントは、2031年を見据えてUAE政府が掲げるAIストラテジーの一環で、中東をAIのグローバル・ハブとして位置づけることを目的としている。BtoBをメインにヘルスケア、輸送機、金融、教育、不動産など日幅広い分野におけるAIサービスを紹介するものだ。近年、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東主要国は、特にIT・テック分野で急成長を遂げて注目されている。丸紅、ソフトバンクなど中東の事業に参入する日本企業も多い。
2024年の開催地はカタール。中東のテック・AIスタートアップを中心に、世界中からビジネスチャンスを狙った企業が集まる。
TECH & ALIVE (5月21日/英ロンドン、11月20日/米ニューヨーク)
TECH & ALIVEは、BizClik、Tecnnology Magazin、AI Magazineの協賛による、完全オンラインのバーチャル型イベントだ。2024年5月21日にTECH & ALIVE London、11月20日はTECH & ALIVE New Yorkがそれぞれグリニッジ標準時・米国東部標準時にて開催される。特にNew Yorkは豪華な顔ぶれが特徴で、MicrosoftやAWS、Meta、Googleなどの超大手テックの経営層が世界最先端の技術について語る予定。1日だけの開催だが、1000人以上のハイテク・エキスパートが知見を共有するイベントだ。YouTubeでも過去の講演がチェックできる。
イベント後には講演の内容がネットで公開されたり、YouTubeでアップされるケースも多い。個人も企業も、生成AIの活用法や商品開発などにおいてヒントが得られるだろう。
(文:MI001YOU)
- Original:https://techable.jp/archives/225962
- Source:Techable(テッカブル) -海外テックニュースメディア
- Author:Techable編集部
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