2月26日、スペイン・バルセロナで「MWC2024 Barcelona」が開幕しました。毎年この時期に開催される世界最大のモバイル展示会で、これに合わせて多くの新製品や新サービスが発表されます。
今年のMWCでとりわけ注目を集めているスマートフォンは、シャオミのフラッグシップ「Xiaomi 14」シリーズ。ライカと共同開発したカメラを搭載するハイエンドモデルで、カメラのレンズやセンサーも一新されていました。現地で開催された発表会およびMWCの会場でいち早く触れてきたので、筆者のインプレッションを交えて紹介します。
▲初日から多くの来場者で賑わっていたシャオミのブース
▲スマホだけでなく、シャオミが初めて開発した電気自動車「Xiaomi SU7」も展示されていた
■新しいSummiluxレンズを搭載
Xiaomi 14シリーズは、実は中国向けには発表済みで、中国版はXiaomi 14/14 Pro/14 Ultraの3モデル展開となっています。一方、今回発表されたグローバルモデルは14と14 Ultraの2モデルのみ。14がベーシックモデルで、14 Ultraが上位モデルという位置付けです。
Xiaomi 14は、ライカと共同開発したトリプルレンズカメラを搭載。超広角(14mm相当/F値2.2)+メイン(23mm相当/F値1.6)+望遠(75mm相当/F値2.0)という構成で、有効画素数はいずれも約5000万画素。
▲Xiaomi 14には3眼カメラを搭載。カラバリは3色で、背面パネルの質感は色によって異なる。これはBlack
▲Jade Greenはかなり光沢が強い仕上がり。もう1色のWhiteも光沢仕上げ
メインカメラには、ライカの「Summiluxレンズ」を採用。これまでのシャオミとライカのコラボモデルには「Summicronレンズ」が使われていましたが、アップグレードされたと捉えていいでしょう。
イメージセンサーは、シャオミとライカが共同でカスタマイズした「Light Fusion 900」を採用。1/1.31インチという大きさで、ピクセルサイズは1.2μm。4つの画素を結合させて、より明るく撮れる仕組みで、その場合のピクセルサイズは2.4μm相当になります。
▲メインの広角カメラにはSummiluxレンズを採用
▲独自のカスタマイズが施されたイメージセンサーは、スマホ向けとしては大型の1/1.31インチ
▲画素の使い方によって2倍も光学ズーム相当の画質で撮影できる
Xiaomi 14は、6.36インチの大画面ディスプレイを搭載しつつ、ベゼルが細く、持ちやすいサイズ感に抑えられていることも特徴。プロセッサーは最新かつ最高峰の「Snapdragon 8 Gen 3」なので、サクサクと軽快に操作できることも期待できます。
▲ディスプレイの画質も申し分ない。大画面のわりには軽くて持ちやすいのも魅力
ヨーロッパでの価格は999ユーロ(12GB+256GB)〜となっています。
■Xiaomi 14 Ultraは1インチセンサーを搭載し、絞り調節も可能
上位モデルのXiaomi 14 Ultraは、背面に大きな円形のカメラユニットを搭載。これは海外ではトレンドになっているデザインで、カメラ性能の高さをアピールする狙いがあるようです。
ライカと共同開発したクアッドカメラは、超広角(12mm/F値1.8)+メイン(23mm/F値1.63)+望遠(75mm/F値1.8)+望遠(120mm/F値2.5)という構成で、有効画素数はいずれも約5000万画素。一般的に、スマホのカメラはメイン(広角)だけがスペックが高く、それ以外はスペックを控えめにすることが多いのですが、Xiaomi 14 Ultraでは、超広角でも望遠でも、明るく精細な画質で撮れることがアドバンテージと言えるでしょう。
▲「LEICA」ブランドを冠した円形のカメラユニットは、デザイン面でも大きな特徴になっている
▲カラバリはBlack、Whiteの2色で、背面はヴィーガンレザー。Blackのほうが、よりカメラっぽく見える
メインカメラには1インチの「LYT-900」というイメージセンサーを採用。レンズはXiaomi 14と同じくライカのSummiluxレンズ。Ultraだけの優位性として、可変式絞りを搭載していることも大きな特徴。F1.63〜F4.0の範囲でシームレスに絞りを調整することができ、カメラまかせではなく、撮影者が意図するボケのコントロールが行える趣向です。
▲可変式の絞り装置を搭載
▲絞り値はF1.63〜F4.0の範囲で調整可能
▲被写界深度を浅くして、背景をぼかしたいときはF値を小さく、全体にピントを合わせてシャープな印象で撮りたいときはF値を大きくするといった、撮影意図に合わせた設定が可能
製品が展示された状態でしか試していませんが、ピント合わせが速く、シャッタータイムラグも感じず、望遠でも明るく写りました。設定にこだわれる機種ではありますが、デフォルトで使うだけでも、高性能のメリットを享受できそうです。
▲望遠撮影に強いこともメリット
動画撮影も大きく強化されていて、人の顔に優先的にピントが合い、自動で切り替わるモードを搭載。任意で細かい設定ができるモードも備え、発表会では、映画を撮影できるレベルの性能を備えていることも紹介されました。
▲プロの映像カメラマンやクリエイターもターゲット
▲細かい設定を行えるプロモードを備えている
Xiaomi 14 Ultraには、別売の「キット」も用意されます。取り付けると持ちやすいグリップになり、シャッターボタンや録画ボタン、露出などを調節するダイヤルを搭載し、カメラのように操作ができる仕組み。グリップにはバッテリーが内蔵されているので、電池持ちも長くなります。さらに円形のカメラ部にフィルターを取り付けることもできます。
▲別売の「Photography Kit」を取り付けた状態。外観は、もはや高級コンデジ
▲グリップの上部にシャッターボタンや露出などを調節できるダイヤルを搭載
▲シャッターの半押しでピントを合わせら、操作感はデジカメそのもの
ディスプレイは6.73インチに有機EL。プロセッサーはSnapdragon 8 Gen 3。5000mAhのバッテリーを内蔵し、90Wの急速充電にも対応しています。
▲6.73インチの大画面ディスプレイを搭載。ベゼルが細くて、画面占有率が高く、映像を楽しむ際の没入感も高そうだ
ヨーロッパでの価格は1499ユーロ(16GB+256GB)〜です。
■気になる日本発売の可能性は?
Xiaomi 14シリーズは、まだ日本で発売されるか否かは発表されていません。前モデルのXiaomi 13シリーズは日本では発売されていないので、発売されない可能性もなきにしもあらず。日本ではシャープがライカブランドを冠したスマホを出していることもあり、発売が難しい大人の事情があるのかもしれません。
しかし、昨年12月には、海外ではライカとのコラボモデルとしてリリースされているXiaomi 13Tシリーズが、日本ではライカブランドはないものの、グローバル版とほぼ同じ仕様で発売されました。Xiaomi 14シリーズもそのような形で日本に上陸する可能性はあるでしょう。正式なプレスリリースを待ちましょう。
>> Xiaomi
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
【関連記事】
◆Google Pixelを超えた!? サムスンがAIスマホ「Galaxy S24シリーズ」を発表!
◆今や希少なハイエンドコンパクト機! ASUS「Zenfone 10」はカメラ機能が大幅進化!
◆完成度を極めた「Xperia 5 V」はiPhone 15のライバルになる予感
- Original:https://www.goodspress.jp/news/587044/
- Source:&GP
- Author:&GP
Amazonベストセラー
Now loading...