イザというときには非常電源にもなる!最新PHEV&EV活用のススメ【わが家の最新エマージェンシーギア選び】

【わが家の最新エマージェンシーギア選び】

災害時に怖いのが停電。電気が寸断されると快適な暮らしを続けるのが難しくなってしまう。オール電化の家ならなおさらだ。そこで注目したいのが、いざというときに大容量バッテリーから電気を取り出せるPHEVやEVだ!

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内閣府の資料によると、首都直下地震が発生した際、電力の復旧目標は6日となっている。そんな中で注目されているのが、PHEVやEVといった外部給電機能があるクルマだ。

もともとは快適機能として開発されたものだが、停電時もクルマに蓄えた電気を取り出して「電気のある暮らし」を続けることができる。三菱自動車広報部に災害時のPHEV活用の実例を伺ったところ、以下の話を教えてもらった。

■岐阜県高山市での大規模停電(2014年):初日は給電で照明や冷蔵庫を動かし、2日目には不安を感じる子供とDVD鑑賞。3日目は給湯用ボイラーを作動させて祖母たちが入浴。オーナーは「お湯が出た瞬間の感動は生涯忘れられない」と話しているそう。

■千葉県での大規模停電(2019年):アウトランダーPHEVが高齢者施設に出動し、約200人分の洗濯物を一晩で洗濯・乾燥。他にもPHEVやEVが災害時に活躍した事例はたくさんある。大切なのはいざという時のために可能な限り燃料を満タンにしておくこと。これで非常時の安心感が大きくなるはずだ。

教えていただいたのは…
三菱自動車工業広報部

 

 

 

■クルマに蓄えた電力を家庭で使うV2Hとは?

Vehicle to Homeの略で、クルマのバッテリーに蓄えた電気を家庭に供給するシステムのこと。普段は太陽光発電で発電した電気をバッテリーに蓄えて夜間に家庭に供給したり、夜間の安い電力で充電した電気を昼間に家庭で使ったりできる。

非常時にはPHEVやEVが非常用電源になり、バッテリーから家庭に電力を供給することで停電が発生していてもエアコンや冷蔵庫をはじめ、家庭にある家電を普段通りに使うことができる。V2Hを利用するためには、クルマから電気を取り出すためのV2Hシステムを用意する必要がある。

V2Hシステムには給電中は電力会社からの電気を利用できない『非系統連系型』と、給電中も電力会社からの電気や太陽光発電の電力を利用できる『系統連系型』がある。高額な初期費用が負担になる場合はリースを利用する方法もある。

■クルマのACコンセントで家電を動かせるV2Lとは?

▲平時はアウトドアなどで電気ポットなどの家電を使うことができるV2L対応車は人気が高い

Vehicle to Loadの略で、PHEVやEV、HEVのバッテリーに蓄えた電気を家電などに供給することを指す。アウトドアで家電などを使えるのはもちろん、非常時に蓄電池としてクルマの電気を使えるので便利。

V2L対応車種は、クルマに家庭と同じAC100Vのアクセサリーコンセントが付いているタイプと、外部給電装置をクルマに接続することで給電が可能になるタイプがある。トヨタのハイブリッド車は車両の走行機能を停止した状態でクルマから給電する『非常時給電システム』を採用するものが多い。

■最大約12日分の電力を家庭に供給できる!<PHEV>

MITSUBISHI
「OUTLANDER PHEV」(新車価格:499万5100円~)

日本で最も売れているPHEVであるアウトランダーは20kWhのバッテリーを搭載。V2H機能はバッテリー満充電、ガソリンが満タン状態で最大約12日分の電力を供給できる性能を備えている。アクセサリーコンセントはラゲッジルームとフロアコンソール背面の2か所に設置。

 

■非常時にも役立つPHEV&EVモデル

<PHEV>

▼アウトランダーより小さくても約10日分の電力を供給!

MITSUBISHI
「ECLIPSE CROSS PHEV」(新車価格:409万4200円~)

アウトランダーより一回り小さなモデルでバッテリー満充電、ガソリン満タン状態で約10日分の電力を家庭に供給できるV2H機能を備えている。アクセサリーコンセントはMがオプションで、その他のグレードは標準装備になる。

 

▼ロータリーエンジン搭載!V2Hの供給力は約9.1日

MAZDA
「MX-30 ROTARY-EV」(新車価格:423万5000円~)

発電専用のロータリーエンジンを搭載したシリーズのPHEV。V2Hは燃料が満タンで満充電状態だと約9.1日分の電力が供給可能。V2Lは最大1500Wで、別売りの可搬型外部給電器を使うと3000Wまたは4500Wまで給電できる。

 

▼災害時に電力供給できる非常時給電システムを搭載

TOYOTA
「PRIUS」(新車価格:460万円)

プリウスPHEVは、バッテリーにためた電力を外部に給電できるEV給電モードに加え、非常時にクルマを電源として活用できるHV給電モードを設定。バッテリー満充電、ガソリン満タンで約5.5日分の電力を家庭に供給できる。

 

<EV>

▼バッテリーに蓄えた電気を約3.5日分家庭に供給

LEXUS
「RZ」(新車価格:409万4200円~)

レクサスブランド初のEV専用モデルで四輪駆動システム「DIRECT4」を搭載するRZ450eと、前輪駆動のRZ300eが用意される。V2Hによる電力供給時間は約3.5日。外部給電装置を接続することでV2Lにも対応する。

 

▼大容量バッテリーから自宅に電力を供給

NISSAN
「ARIYA」(新車価格:539万円~)

日産のプレミアムEVであるアリア。現在発売されているのは66kWhバッテリー搭載の2WDモデル“B6”になる。V2H使用時の電力供給時間は公表されていないが、数日間はアリアから家庭に電力供給が可能だ。

 

▼小さくたって一般家庭の最大1日分の電力供給が可能

MITSUBISHI
「eK X EV」(新車価格:254万6500円~)

軽EVのeKクロスEVは20kWhのバッテリーを搭載。満充電で一般家庭の最大約1日分の電力を供給できる。急速充電ポートに別売りの外部給電装置の給電コネクターを接続すれば、V2Lも使うことができる.

※2024年3月6日発売「GoodsPress」4月号80-81ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【わが家の最新エマージェンシーギア選び】

<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>

 

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