【わが家の最新エマージェンシーギア選び】
非常時はさまざまな理由で何日か自分のクルマの中で生活することを余儀なくされるかもしれない。その時、車内で快適に過ごせるかどうかは、肉体的にはもちろん精神的な疲労度にも影響するだろう。万が一に備えてクルマに常備しておきたいグッズをカー用品のプロに教えてもらおう。
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災害に見舞われた際、クルマの中で急場をしのぐことができれば雨風を避けられるのはもちろん、プライベート空間を確保できる。起こらないに越したことはないが、非常食や防災グッズと同じように、クルマに避難した際の生活を少しでも楽にしてくれるグッズを用意しておくといざというときに安心できるはずだ。
「ただ、普段は生活やレジャーにクルマを使うので、非常用グッズで荷室が埋まってしまうような状態になってしまったら本末転倒です。なるべくコンパクトで便利に使えるものを用意しておくといいでしょう」(A PIT オートバックス東雲 児玉さん)
レジャーで日常的に車中泊を楽しんでいない人が車内で過ごす場合、まず考えたいのが“整理整頓”だ。複数人で生活すると、衣類や非常食などであっという間に車内が散らかり、生活スペースが削られてストレスになる。もう一つ大切なのはプライバシーの確保。車内はプライベート空間だが、外から中が丸見え。外からの視線を遮断することは快適性に大きく影響してくるものだ。
「今回は通年使えるものをセレクトしましたが、より快適に過ごしたいなら夏は車内に虫が侵入するのを防ぐネット、冬はポータブル電源と電気毛布など季節によって積んでおくものを変えるといいでしょう」(児玉さん)
A PIT オートバックス東雲 カーライフアドバイザー/児玉健さん
学生時代にオートバックスでアルバイトを始めてから25年以上、小物からカーオーディオまでさまざまなグッズを扱ってきたカー用品のプロフェッショナル。現在はA PIT オートバックス東雲で扱う商品をトータルで見ている
<車内を片付ける>
車内で長時間“生活”という形で過ごすと、さまざまなものが必要になる。そんなとき、車内を整理できれば快適度は大きく変わってくるものだ。
■使わない時は折り畳めるデザイン性に優れたゴミ箱
GORDON MILLER
「コーデュラ ダストボックス」(2480円)
コーデュラダストボックスは底部に重みのある素材を使い、車内で倒れてゴミが散らばるのを防ぎます(児玉さん)
車内生活ではどうしてもゴミが出てしまう。非常時はゴミ袋があるとは限らないので、ゴミ箱を一つ用意しておきたい。一方で平時だとゴミ箱は案外邪魔になる。この製品はコンパクトに畳めるので車内に入れておくのに便利。
■アシストグリップを使ってデッドスペースを有効活用
Leisurell
「オーバーヘッド スペースネット」(3980円)
このネットはインテリアバーがなくても付属のバーをアシストグリップに付けるだけで設置できて便利ですよ(児玉さん)
ミニバンやトールワゴンタイプは頭上に広いスペースがある。ここを収納スペースとして有効活用できるのがルーフネット。衣類などかさばるもの、眼鏡のように踏み潰したくないものを置いておくのに便利だ。
■汚れた靴の置き場があれば車内が汚れずに済む!
E Core
「シューズトレイ」(110円)
小型車でシューズトレイを置くのがスペース的に難しい場合は、防水防汚タイプのフロアマットを使うのもおすすめです(児玉さん)
長時間車内で過ごす場合は靴を脱げると快適に過ごせる。ただ、雨で濡れたり泥で汚れたりした靴をそのまま車内に持ち込むとフロアやシートが汚れて不快…。シューズトレーが人数分あると、快適度はグッと高まるもの。
■非常時に使うグッズをまとめておくのに便利
PROUD GEAR
「マルチトランクボックス」(1980円)
ボディの周囲にポケットが複数ついているので、充電コードなどなくしやすいものを片付けるのにも役立ちます(児玉さん)
非常時に使えるグッズを複数用意しておく場合、一か所にまとめておくといざという時に楽。折りたたみできるボックスに入れておけば、中に入れておいたものを使う際にコンパクトになるので車内で邪魔にならないで済む。
<暖を取る>
冬場はもちろん、夏でも天候が崩れると気温が下がって体力を奪われるもの。簡単に暖を取れるグッズがあれば体力と気力の消耗を抑えられる!
■USBソケットに差し込んで暖まるコンパクト電気ひざ掛け
BON FORM
「ヒートDX」(3280円)
サイズは110×70cm。一人で使うなら十分な大きさです。電源を入れずブランケット代わりとしても使えます(児玉さん)
車内のUSBソケットに差し込んで使うことができるコンパクトな電気毛布。ひざ掛けサイズなので、ちょっと暖を取りたい時に便利。モバイルバッテリーがあれば、外で作業する際に使うこともできる。
■アクセサリーソケットから電気を取るアウトドア湯沸かし器
JPN
「ワクヨさん」(7106円)
非常時はインスタントでも温かい食べ物や飲み物を口にできると心も温まります。湯沸かし器はあると便利ですよ(児玉さん)
アクセサリーソケットの電気を使うアウトドア湯沸かし器。容量は400mlで、25〜30分程度で沸騰させることができる。保温機能がついているので沸かしたお湯を長時間キープできるほか、中の水の温度を知らせる温度計もついている。
<衛生に気を遣う>
災害時は断水の影響で水洗トイレが流せなくなったり、手が洗えなくなったりする可能性もある。そんな状況に備えて、車内に衛生グッズを用意しておくと安心だ。
■渋滞やレジャーで使えるのでクルマに常備しておきたい
SEIWA
「捨てて安心 携帯トイレ」(398円)
非常時だけでなく行楽シーズンの渋滞時にも活用できるので、たくさん用意しておいても困らないはずです(児玉さん)
災害で断水した際にもっとも困ることの一つがトイレ。非常用の携帯トイレは複数用意しておきたい。廃棄用のゴミ袋が3枚ついているほか、他人からの視線を遮る前掛けシートも付属しているので女性や子供も安心して使える。
■ドリンクホルダーに入るコンパクトなティッシュ
GORDON MILLER
「ボトルティシュー」(250円)
ドリンクホルダーに入るコンパクトタイプなので、非常時の使い勝手に優れています(児玉さん)
ティッシュはいざというときに切れてしまったら元も子もない。日常使いとは別に非常時用のティッシュボックスを用意しておくと安心。この製品は狭い車内で使うことを想定して繊維ホコリが飛び散りにくい竹パルプを使っている。
■水がないときでも手洗い代わりに使える
AQ. BLACK LIMITED
「除菌ウェットティッシュ」(298円)
ウェットティッシュは車内を汚した時にも使えます。非常時は使う機会が増えるので複数用意しておきましょう(児玉さん)
ドリンクホルダーに入れることができるコンパクトなウェットティッシュ。ドリンクホルダーに収納できるので、車内がごちゃごちゃしがちな車中泊時でも置き場に困らなくて便利。除菌タイプなので衛生面でも安心。
<生活環境を向上させる>
クルマは雨風をしのぎ、シートを倒して寝ることができる。そこに生活環境を少しでも高めてくれるグッズがあれば、疲労は大きく軽減されるもの!
■太陽光と外からの視線を遮りプライバシーを確保
BON FORM
「車中泊カーテン」(6598円)
前後左右すべてのガラスをカーテンで覆うことができるので、プライバシーの確保が難しい非常時にあると安心です(児玉さん)
8枚のカーテンがセットになったタイプで、軽自動車からSUVまで、多くの車種で使用できる。取り付けはカーテンについたプレートを差し込んだり、ひもをクルマのフックにかけるだけなので、事前にクルマに加工しておく必要はない。
■足元スペースを埋めて足を伸ばして過ごせる
cretom
「ミニバン用スペースクッション」(4480円)
手動で膨らませるのは大変なので、一緒に電動ポンプを用意しておくことをおすすめします(児玉さん)
2列目席の足元に設置してフラットスペースを広げられるエアークッション。非常時の車中泊では横になれる広いフラットスペースがあると休息しやすい。複数のサイズが用意されているので車種に合わせて用意しておこう。
■車内外で使えるUSB充電式ライト
EARTH MAN
「フォールディングライトS」(2480円)
USBタイプなら電池が切れても車内で充電できます。マグネット&フック付きなので、使い勝手がいいですね(児玉さん)
停電時のためにライトは必須。首振りタイプのライトなら外はもちろん車内でも使いやすい。満充電からの連続点灯時間はHIGHで約2時間30分、LOWで約5時間30分、トップライトで約20時間。
■アクセサリーソケットの電源を家庭用電源に変換
BAL
「カーコンセント 100W 3.1A」(4980円)
USBソケットも2口ついているのでスマホも充電できます。家庭用電源との同時使用もOKです(児玉さん)
家庭用のコンセントが使えれば、モバイルPCの充電などに重宝する。アクセサリーソケットのDC12Vを家庭のAC100Vに変換できるインバーターはぜひ用意しておきたい。静音タイプなので就寝中の使用でも気にならない。
■コンパクトな携行缶でガス欠時に燃料を運搬
BAL
「ガソリン携行缶5L」(6480円)
20Lタイプは車内に常備するにはかなり大きいですが、5Lタイプなら場所を取らずにすみます(児玉さん)
非常時の車中泊で燃料は命綱。クルマが動けない状況でガス欠しそうなときも携行缶があれば、営業しているガソリンスタンドに徒歩で行くことができる。使用時は必ず事前に説明書を読んで、正しく使うようにしたい※。
※2020 年2月1日より、消防法でガソリンの容器への詰め替え販売を行う場合、運転免許証等での本人確認、使用目的の確認、販売記録の作成が義務付けされました。 ※携行缶にガソリンを入れて車内で保管するのは危険です。絶対に行わないでください。 ※燃料が入った携行缶は直射日光の当たる場所や高温の場所に置かないようにしてください。
※2024年3月6日発売「GoodsPress」4月号82-83ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/高橋満(ブリッジマン) 撮影/加藤義一>
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/589315/
- Source:&GP
- Author:&GP
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