7万9800円の格安折りたたみスマホで日本市場に参入。「nubia」って、どんなブランド?

ZTEジャパンが3月14日に新製品発表会を開催し、「nubia」ブランドの日本上陸を発表しました。

nubia(ヌビア)は、中国のスマホメーカー・ZTEが2012年にスタートさせたグローバルブランド。ハイエンドを中心に展開し、UDC(Under Display Camera)や裸眼3Dディスプレイなどを搭載した製品をいち早くリリースしたことでも注目を集めたブランドです。

▲nubiaの先進性として3つの技術をアピール

毎年2月末に開催される世界最大のモバイル展示会「MWC」には先進的なデバイスを出展し、今年のMWCでもZTEブースに展示されたnubiaのスマホに注目が集まっていました。

日本上陸の第1弾として、3月下旬に発売されるスマホは2機種。ひとつはMWCでも注目を集めていた折りたたみ式の「nubia Flip 5G」。もうひとつは、大画面とシンプルな操作性を特徴とする「nubia Ivy」です。

▲nubia Flip 5G

▲nubia Ivy

 

■約8万円で買える折りたたみ式スマホ「nubia Flip 5G」

nubia Flip 5Gは、折りたたみ時はポケットにすっぽり収まるコンパクトサイズで、開くと約6.9インチの大画面が現れるという仕様。折りたたみ時は円形のサブディスプレイで時刻や通知を確認でき、天気やレコーダー、音楽プレーヤーなどのウィジェットも使えます。

▲閉じた状態では約1.43インチの有機ELディスプレイで情報を見たり、ウェジェットを使ったりできる。カラーはブラックのみ

▲開くと約6.9インチの有機ELディスプレイを利用できる

待受画面に「壁紙ペット」という動く犬や猫などの画像を表示させることも可能。シンプルな機能ですが、スマホの中でペットを飼っているような気分を味わえそうです。なお、発売時には2Dの壁紙ペットしかプリセットされていませんが、今後のアップデートで3Dの壁紙ペットも表示できるようになるとのこと。

nubia Flip 5Gの最大の利点は、セルフィーの自由度が高まること。閉じたままでも、約5000万画素のメインカメラで自撮りができ、ピースをしたり、手をかざしたりして、シャッターを切ることも可能。机の上などに立てて撮影できることも利点。家族や友人たちとの撮影や、“踊ってみました” 的な動画を撮るにも重宝しそうです。

▲アウトカメラはメイン(約5000万画素)+深度(約200万画素)。閉じたままでメインカメラで自撮りができる

▲60度〜110度の範囲で開いて固定できるとのこと。このように卓上に立てて撮影することも可能。ちなみに、インカメラは約1600万画素

プロセッサーはSnapdragon 7 Gen 1(最大2.4GHz)で、RAMは8GB、ROMは256GB。ミッドレンジとハイエンドの中間くらいのスペックです。

おサイフケータイにも対応。防水の等級はIPX2で、雨に濡れる程度であれば気にならないレベル。セキュリティロックの生体認証は指紋と顔の両方に対応しています。

▲フレームとヒンジはメタリックで頑強な印象。ヒンジ部に「nubia」ロゴが刻まれていて、開くと隠れる仕組み

ちなみに、ワイモバイルから2月29日に発売された「Libero Flip」は、このnubia Flip 5Gをベースにしたモデルです。カラバリは異なりますが、同じデザインで、ハードウエアの主要スペックも共通しています。ただし、Libero Flipのメモリが6GB+128GBなのに対して、nubia Flip 5Gは8GB+256GBと増強。対応する周波数帯もnubia Flip 5Gのほうが多く、国内4キャリア全てに対応しています。

メーカー希望小売価格は7万9800円。折りたたみ式スマホの価格が軒並み10万円を超える中では破格の安さと言えるでしょう。

▲nubia Flip 5Gの価格は7万9800円。amazon、一部のMVNO、家電量販店などで購入できる

 

■約3万円で買える万人向けモデル「nubia Ivy」

nubia Ivyは、いい意味でフツーのスマホ。多くの人が求める機能が揃っていて、画面もほどよく大きく見やすい。そんな端末です。

プロセッサーはMediaTek Dimensity 700(最大2.2GHz)。メモリはRAMが6GB、ROMが128G。なので、ハイエンドではなくミッドレンジの仕様です。nubiaブランドの中では下位に位置づけられるモデルですが、大きなアドバンテージがあります。安いんです。メーカー希望小売価格は3万1880円と発表されています。

▲nubia Ivyの価格は3万1880円。MVNOはIIJmioとHISモバイルが取り扱う

約6.6インチの液晶ディスプレイを搭載し、解像度は2408×1080ドット。格安モデルながら、最大90Hzの高リフレッシュレートに対応しています。

▲約6.6インチのディスプレイは、昨今主流の有機ELではなくTFT液晶だが、明るく視認性は良好。インカメラは約800万画素

背面パネルはサラサラしたマットな手触りながら、キラキラと光るラメを散りばめたような美しい仕上がり。ふたつの円が並ぶカメラ部には、上にメイン(約5000万画素)、下に深度(約200万画素)とマクロ(約200万画素)のカメラが搭載されています。

▲カラバリはブラックのみ。背面パネルは高級感のある仕上がり

生体認証は指紋と顔のどちらにも対応。おサイフケータイが使えて、防水(IPX5・IPX7)、防塵(IP6X)。簡単に操作できる「シンプルモード」に切り替えることもでき、知らない人からかかってきた電話に「通話を録音する」といったアナウンスを流し、実際に録音できる「迷惑電話対策」機能も備えています。高齢の親に持たせるスマホとしても適していそうです。

実は、nubia Ivyをベースにしたモデルも、すでにワイモバイルから発売済み。「Libero 5G IV」というモデルで、カラバリや背面デザインが異なり、RAMはLibero 5G IVが4GBなのに対して、nubia Ivyは6GBに増強されています。ワイモバイルのユーザーは、両モデルを比べて選ぶことをおすすめします。

 

■今後日本で発売されるスマホにも期待!

nubiaはハイエンドを標榜するブランドでありながら、今回発表されたのはミッドレンジとミッドハイのみ。筆者もそうですが、やや物足りなく感じた人がいるかもしれません。しかし、ZTEジャパンによると「nubiaというブランドを知っていただくために、まずは気軽に購入していただける価格帯の機種を投入した」とのこと。今後、よりハイスペックな機種の日本発売も検討しているそうなので、期待しましょう。

▲2月26日〜29日にスペイン・バルセロナで開催されたMWC Barcelona 2024では、ハイエンドのnubia Z60 Ultra(左)、高性能スピーカーを搭載したnubia Music(右)などが注目を集めていた

>> nubia

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

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