結局ディレクターズチェアが一番ラクだったりしない? こだわり満載の最新アイテム4選

ちょっと前のモノが“エモい”なんて、注目されています。キャンプ業界ではチェアワン登場以降、ハンモックのように包まれるような座り心地のチェアが主流となっていますが、ここにきてディレクターズチェアスタイルの新作が目白押し。

本来のディレクターズチェアは木製フレームにキャンバス地を貼ったモノとされていますが、90年代に隆盛を極めた座面と背もたれに張りのある、あのスタイルは自由な姿勢で座れるので長時間でも疲れにくいのが特徴です。

2024年、どういう進化を遂げたのでしょう? 最新チェアを座り比べてみました。

▲左からコールマン「アルミデッキチェア(グレージュ)」(8470円)、ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」(4万6200円)、ラルファ「スリムローチェア」(1万3860円)、キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア(ブラック)」(1万2100円)

今回借りたのは、2024年発売済み〜発売間近の4アイテム。座面も背中もピシッと生地が張っていて、いかにも座り心地を期待できそうな雰囲気です。生地色が派手カラーではなく、ブラックとアースカラーなのも今どきで、食指が動きます。

■付加価値付きなのにスリムで軽い

“ディレクターズチェア=収納サイズが大きい”イメージがありますが、ご覧の通り、最新モデルは薄く収納できるものがそろっていました。

それぞれの収納サイズと重さは下記の通り。

  • コールマン「アルミデッキチェア」:16×55×H79cm、3.4kg
  • ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」:14×39×H62cm、3kg
  • ラルファ「スリムローチェア」:8.5×53.5×H53cm、3.1kg
  • キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア」:17.5×48×H80cm、2.2kg

ディレクターズチェアと同様に収納サイズが大きい収束式チェアは、幅も奥行きも20cmほど。ディレクターズチェアのほうが隙間にスッと収まる薄さだとわかります。なかでもムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」とラルファ「スリムローチェア」は高さも幅も抑えられていてコンパクトカーとの相性よし。

▲ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」の背もたれのギミック

ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」は独自機構を備えていて簡単に折りたためます。ムラコらしいアルミ製フレームを使っていて、背もたれを起こすだけの簡単ロック。収納する際は、軽く外側に引っ張るようにすると倒せるというもの。このメカっぽさがギア好きの心をくすぐります。

次に重量に注目したところ、ヘリノックスに代表されるフレーム組み立て型には及びませんが、重量3kgオーバーが当たり前の収束式チェアに比べるとずいぶん軽いことがわかりました。

▲キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア(ブラック)」

特にキャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア」はアルミとポリエステルを採用し軽さを追求することで、座面下に荷物置き場(耐荷重2kg)が付いているのに2kg台を実現しています。

▲コールマン「アルミデッキチェア(グレージュ)」

一方で最も重量があるのはコールマン「アルミデッキチェア」。アルミとポリエステルメッシュを採用して軽量化に努めているのですが、サイドテーブルの耐荷重は5kgとかなりタフ。飲み物や料理を載せても、おいそれとたたまれないようになっているわけで、ここらへんが重量増の理由なんでしょう。とはいえそれでも3kg台前半なのはさすがです。

■張りのある座面と腰を支える背もたれはやっぱりイイ

いよいよチェアの真価とも言うべき座り心地をチェック。

▼コールマン「アルミデッキチェア(グレージュ)」

▲コールマン「アルミデッキチェア(グレージュ)」90×56×H79cm、座面高44cm※モデル身長:160cm

まずはコールマン「アルミデッキチェア」から。カタログ値は幅90cmですが、これはサイドテーブルを展開したときの幅。テーブルをたたむと約50cmとなります。スタンダードなサイズと言えるでしょう。特筆すべきはそのフレーム。曲線を描いていて、腕や腿などが触れてもさほど大きな違和感はありません。

生地はすべてポリエステルメッシュ。真夏でも蒸れにくいし、水遊びやサウナのあとも気にせずドッカリ座れます。メッシュ生地は伸びそうなイメージですが、このチェアは張りをキープしているのもうれしいですね。

▼ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」

▲ムラコ「YK02 FOLDING CHAIR」50×39×H71cm、座面高40cm

ムラコの新作チェアは極限まで背もたれや座面を削いだヌーディーなデザイン。これが座り心地にどう影響されるのか気になるところでしたが、座面は極めてフラットで浅く座っても深く座ってもぐらつくことはありません。

ポリエステルの10cmの超幅広ウェビングを組み合わせた座面で、安定感あり。ほどよく通気性もありそうです。座面高は今主流のローテーブルにも対応できて、なおかつ立ち座りが楽で腰に負担がかかりにくい、ちょっと高めの40cm。

背もたれから続くウェビングの肘掛けは、肘を置くというよりも沿わせるというか体全体を包む感じ。肘をついて体を預けるのが好きな人は、物足りないかもしれません。ちなみに草地なのでわかりにくいのですが、地面と接する部分にはリング状の滑り止めがついていて、ウッドデッキやフローリングの上で使っても安心です。

背もたれのない「YK01 FOLDING STOOL」(2万9700円)もありますよ。

▼ラルファ「スリムローチェア」

▲ラルファ「スリムローチェア」61×53.5×H69cm、座面高26.5cm

名前のとおり、座面高を押さえたローチェア。今はローチェアが主流なので、グルキャンなどほかの人たちと集まって過ごすときもひとりだけ頭が飛び出ることがありません。足を放り出す姿勢なので背もたれも少し後傾気味。座面もそうですが背もたれもハリがあって身体をしっかり支えてくれます。リラックスするのにいい感じ。

窮屈な感じはなくゆったりしているし、肘掛けには竹集成材が貼られていて温かみを感じます。ローチェアは立ち上がるときにここに手をかけることが多いので、この配慮はありがたい!

また、ゲタ足に見えますが地面に接するフレームは中央がわずかに上がった四つ足。不整地でもガタつきにくいこともさすがです。

▼キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア(ブラック)」

▲キャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア(ブラック)」62×48×H80cm、座面高46cm

最後はキャプテンスタッグ「棚モック付きアルミディレクターチェア」。ブラックのアルミフレームにブラックの生地という、トレンドを押さえたデザインは、さすがキャプテンスタッグ。でも座ってみるとどうなんだよ…なんてイジワル気分で座ってみると、“これだよ、これ”と言いたくなる座り心地。幅広座面で大柄な人でも窮屈じゃないし、座面の張りも申し分なし。リラックス度満点です。

それに肌寒くなったら棚モックに置いた上着をさっと羽織ることができます。ディレクターチェアの背もたれに上着をかけようにも肩があわないし、軽いチェアはひっくり返っちゃう。上着をかけられるチェアって案外ないから、棚モックは大歓迎。スマホなどの小物を置くのにも丁度いい、座ってくつろぐのに実に便利な機能なんです。座面高が高くて楽に立ち上がれるのもいいですね。

*  *  *

90年代の定番だったディレクターズチェアは一時、キャンプ場で姿を消しましたがここにきて復活の兆し。

ハンモックみたいな座り心地より張りのある座面が好きな人、姿勢を固定するのが性に合わない人は、進化した最新ディレクターズチェアを試す価値、あります。

<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡 撮影協力/コールマン、ムラコ、ラルファ、キャプテンスタッグ>

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。X

 

 

 

 

【関連記事】

◆簡単収納フォールディングチェアでリラックスタイムを過ごしてみない?
◆1760円のロングセラー!話題のちっちゃな「スツール」は座り心地だって悪くない!
◆スノーピーク「ローチェア30」に限定カラーのブラックが!室内でも絵になるビジュアルが◎


Amazonベストセラー

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA