iPad Pro(M4)向けOLEDの出荷枚数はSurface Proの23倍と予測

同時期に発表された、有機EL(OLED)ディスプレイを搭載するiPad Pro(M4)とSurface Proですが、OLEDディスプレイの出荷枚数には大きな差があると、ディスプレイ業界情報に詳しい専門家が予測しています。

両機種に搭載されるOLEDディスプレイは、種別も異なっています

iPad Pro(M4)とSurface Pro向けOLEDディスプレイパネルの背景

13インチiPad Pro(M4)と13インチSurface Proに搭載されているOLEDディスプレイパネルの出荷枚数を伝えたのは、DSCCの最高経営責任者(CEO)であるロス・ヤング氏です。

ヤング氏の把握している情報では、Surface Pro向け13インチOLEDディスプレイパネルの出荷は2023年11月に始まっており、この点では13インチiPad Pro(M4)に先行しています。

13インチiPad Pro(M4)向けOLEDディスプレイパネルが出荷され始めたのは2024年2月とのことで、13インチSurface Proのそれと比べておよそ3カ月遅れです。

13インチSurface Pro向けOLEDディスプレイパネルの出荷が先行

ただし、実出荷枚数は不明ながら、13インチiPad Pro(M4)向けOLEDディスプレイパネルの出荷枚数が2月以降は急激に増加し、2024年5月にピークに達した後、引き続き高い水準で推移する見込みです。

対して、13インチSurface Pro向けOLEDディスプレイパネルは出荷開始後も低い水準で推移、製品発表後の5月および6月の増加率も、比較するとそれほど高くありません。

両機種向けOLEDディスプレイパネルの出荷枚数推移

そのため、13インチiPad Pro(M4)向けOLEDディスプレイパネルの出荷枚数は13インチSurface Proのそれの23倍に達する見込みです。

これには、それぞれの市場規模の違いも影響しているでしょう。また、Microsoft自身、量販機種は液晶ディスプレイ搭載モデルと考えているようです。

DSCC Ross_2

iPad Pro(M4)とSurface Pro向けOLEDディスプレイパネルの仕様比較

ヤング氏によれば、13インチiPad Pro(M4)と13インチSurface ProではOLEDディスプレイの種別も異なります。

下記比較表を見ても分かる通り、13インチiPad Pro(M4)のOLEDディスプレイパネルは2段スタック型のいわゆる「タンデムOLED」で、バックプレーンはiPhone15 Proシリーズと同じ低温多結晶酸化物(LTPO:Low Temperature Polycrystalline Oxide)です。

対して、13インチSurface Pro向けOLEDディスプレイパネルのバックプレーンはiPhone15やiPhone15 Plusと同じ多結晶低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicon)であり、最低リフレッシュレートや輝度なども大きく異なります。

Source:Ross Young(@DSCCRoss)/X (1), (2)

Photo:9to5Mac


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