Apple Vision Pro、廉価モデル開発も問題山積。ARメガネは先行き不明

Appleの空間コンピュータApple Vision Proは、アメリカで2月に発売され、日本でも6月28日に発売予定ですが、販売は大きく伸びていません。Appleは、およそ半額となる低価格モデルの開発も進めているものの、コスト削減のため魅力的な機能をカットしてしまうジレンマに直面しています。最近のAppleは、軽量なメガネ型デバイスの開発に再び力を入れているものの、発売時期の見通しは立っていないようだ、とBloombergのマーク・ガーマン記者が報じています。

Apple Vision Pro、普及モデルは2025年末までに発売?

日本でも6月28日に発売されるApple Vision Proですが、アメリカで3,500ドル(日本では599,800円)からという高価格帯に加えて、空間コンピューティングのニーズが一般的でないこともあり、一般ユーザーを巻き込んだ大ヒットには至っていないのが現状です。

Appleは、1,500ドル〜2,000ドル(現在のレートで約24万円〜32万円)の普及モデル(コードネームN107、仮にApple Vision)の開発に取り組んでおり、早ければ2025年末までの発売を目指している、とBloombergのマーク・ガーマン記者が、ニュースレターPower Onで伝えています、

Appleは、コスト削減のためにApple Vision Proの特徴でもある主要機能を省略する必要があるという問題に直面しています。

例えば、装着しているユーザーの目の動きを外側に映し出すEyeSightディスプレイを省略し、内側のディスプレイ性能を落とすほか、視野角をApple Vision Proよりも狭くし、処理をケーブル接続したMacかiPhoneに依存することで、必要となる処理能力を大幅に引き下げられます。

しかし、コストのためにそれらの機能を省略すれば、仮に1,500ドルでもMetaなどのライバル製品よりも約3倍も高価格にもかかわらず、ユーザーにとって魅力を欠くデバイスとなってしまいます。

処理性能アップ、装着感向上の第2世代の発売は2026年末?

Appleにとって、あまり優先順位は高くないものの、Apple Vision Proの第2世代モデルの開発も進められている、とガーマン氏は報じています。

コードネーム「N109」が与えられた第2世代モデルは、外観は初代Apple Vision Proと同様ながら、より高速なプロセッサを搭載し、外側のカメラ性能を向上させ、初代よりも軽く、装着感を向上させています。

第2世代Apple Vision Proの発売時期は、数カ月前までは2025年内を予定していたものの、4月の時点では2026年末まで延期されているようです。

先日、The InfotmationがApple Vision Proの第2世代は開発が中止されたと報じていますが、ガーマン氏は、AppleがハイエンドのApple Vision Proから撤退する計画はないようだ、と伝えています。

Apple、軽量のARメガネの開発に改めて注力

ガーマン氏によると、最近のAppleは拡張現実(AR)に特化した、軽量で、1日中装着できるメガネ型デバイスの開発に改めて力を入れているそうです。

最近、Appleがメガネ型デバイスに関連した特許を複数出願していることからも、開発が進められていると思われます。

ARメガネの発売は2027年頃との噂があったものの、ガーマン氏がAppleの内部関係者から得た情報によると、数年以内に完成すると考えている関係者はいないとのことで、発売はしばらくの間、期待できなさそうです。

Source: PowerOn/Bloomberg

Photo: Apple


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