iPhoneの「写真」アプリと「Googleフォト」、どっちが良い?|iPhoneでGoogle

【iPhoneでGoogle】

iPhoneを長く使えば使うほど、その期間に比例して思い出のデータが増えていくもの。そのカメラで撮影した写真や動画の管理を、どのアプリで行い、かつクラウドストレージにバックアップを取るのかは、常に頭を悩ませる課題です。そこで本稿では、iOS純正の「写真」アプリと、「Googleフォト」を比較しつつ、それぞれのアプリのメリットを比較検討してみます。

 

■料金が安いのはどっち?

まずは、クラウドストレージとしての料金を比較してみましょう。ここでは例として、iOSの「写真」アプリでは「iCloud+」の容量を使ったバックアップ、「Googleフォト」では「Google One」の容量を使ったバックアップを比較。2024年6月時点における、それぞれの容量と料金を比べてみます。

iCloud+とGoogle Oneの料金体系 ▲使用できる容量の違い

iCloudは、無料アカウントで5GBまでの保存が可能。有料プランのiCloud+としては、月額130円(税込、以下同)で50GB、月額400円で200GB、月額1300円で2TB、月額3900円で6TB、月額7900円で12TBの保存が可能です。

一方のGoogleアカウントでは無料アカウントで15GB分が備わっており、Google Oneのプランとしては、月額250円または年額2500円で100GB、月額380円または年額3800円で200GB、月額1300円または年額1万3000円で2TB、月額3300円または年額3万4800円で5TB、月額6500円で10TB、月額1万3000円で20TB、月額1万9400円で30TBの選択肢が用意されています。

こうして比べてみると、Googleアカウントの無料ストレージは、写真以外にも、GmailやGoogleカレンダー、GoogleドライブなどのGoogleサービスで共通して消費される容量であることに留意は必要ですが、無料アカウントでも15GB分が備わっているのがメリットになるでしょう。

特に、元々Googleサービスの利用頻度が少なく、無料ストレージを活かしたいという人ならば、厳選した写真をバックアップするのに役立てやすいはずです。また、年額プランがあることも含め、Google Oneの方が、iCloud+の料金よりもやや安価に設定されているのが分かります。

 

■クラウド上での管理のしやすさ

iCloudの同期は、iOSの「設定」アプリから「iCloud」→「写真」と画面を進め、「このiPhoneを同期」のスイッチをオン・オフすることで、機能を制御できます。ただし、ひとつひとつの写真について、バックアップをするかどうかを選択することは、基本的にはできません。ブラウザ版の「icloud.com」にアクセスすれば、手動選択も可能ですが、標準アプリで制御できないのはやや残念なところ。

つまり、「写真」アプリでは、必然的に端末内全部のデータをまるごとバックアップするような使い方になるため、容量はガンガン消費する前提で使うことになります。

一方、Googleフォトでは、クラウドストレージに同期する写真を選択しやすい仕様になっています。厳選した写真のみを選び、クラウドストレージ上にバックアップするという使い方ができるのです。こうした理由もあって、手動管理を望む場合には、Googleフォトに理があると言えます。

iCloud写真とGoogleフォトの違い ▲「iCloud写真」としてのバックアップは、基本的に端末まるごとの制御になるが、「Googleフォト」のバックアップは一枚ずつのアップロードも容易だ

 

■検索機能などが便利なのは?

写真の検索機能や、被写体の自動認識、位置情報の付加、過去の思い出をまとめたムービーのレコメンドなどは、「写真」アプリにも「Googleフォト」アプリにも備わっています。そのため、アルバムを作成したり、保存した大量の写真から必要なデータを探すような作業は、どちらのサービスを選択してもさほど問題ありません。この辺りの選択は好みの問題となるはずです。

「写真」アプリと「Googleフォト」の検索機能画面 ▲「写真」アプリと「Googleフォト」の検索機能のイメージ

また、写真の補正や画像検索などの機能も、「写真」アプリと「Googleフォト」の双方で利用できます。一部、被写体の切り抜きは「写真」アプリの方がやりやすかったり、「消しゴムマジック」を使ったレタッチは「Googleフォト」の方がやりやすいなどの違いはありますが、どちらも特殊な用途なので、あくまで日常使いでは大きな差は感じないでしょう。

 

■PCからのアクセス性が良いのは?

iCloud上に保存したデータには、ブラウザから「iCloud.com」にアクセスすれば、簡単にアクセスできます。

また、もしMacを使っている場合には、MacでのiCloud写真の同期を有効にすることで、iCloud上に保存したデータを「写真」アプリから確認できるようにもなります。PCではWindows用のiCloudを利用するというアプローチもありますが、こちらは挙動の安定性が課題といったところ。

一方のGoogleフォト(Google Photos)も、ブラウザから容易にアクセス可能です。また、こちらもデスクトップPC向けのアプリケーションが提供されています。PCからの写真のバックアップにも使いやすい点は、メリットと言えるでしょう。

iCloud.comにアクセスして開いたiCloid写真の画面 ▲ブラウザから「iCloud.com」にアクセスした際のiCloud写真の画面

ブラウザから「Googleフォト」にアクセスして開いた画面 ▲ブラウザから「Googleフォト」にアクセスした画面

*  *  *

諸々の特徴を比較してみると、ある程度維持費が発生してもよいのでiPhoneのデータを日常的にまるごとバックアップしておきたいという場合には、「iCloud+」を契約して、「写真」アプリからの管理を行うのが簡単だと感じます。

一方で、料金をなるべく抑えつつ、選択した写真のみをバックアップさせていく使い方ならば「Google One」の無料プランや低容量の年額プランを契約して、「Googleフォト」での維持管理を活用すると良いのではないでしょうか。また、AndroidやPCからもアクセスする前提である場合にも、Googleフォトからの管理を検討してみる価値はありそうです。

>> iPhoneでGoogle

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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