AI駆動のオペレーティングシステムで「未来の組織開発」を支援する米Wethos AI、シードで750万ドルを調達|行動分析で組織を最適化

世界の行動分析市場はいま注目のマーケットだ。2024年の市場規模は10億9,650万ドルと評価されており、2032年までに114億6,830万ドルにまで成長すると予測されている。同調査では、予測期間 (2024年~2032年) 中、CAGR34.1%の大幅な成長が示されている。

ニューポートビーチに拠点をおくWethos AIは、行動分析に基づいたAI駆動のオペレーティングシステムを提供し、“未来の働き方”を支援する企業。同社は8月15日、最初期となるシードラウンドで750万ドルの資金調達を発表。同ラウンドはGFT VenturesのJeff Herbstが主導し、Miramar Digital Ventures、UCI Cove Fund、Capellas Partnersらも参加している。

この資金調達の成功は、Wethos AIのアプローチに対する注目度の現れであることを同社は強調している。これからの組織開発において、AI駆動で組織と個人の能力を最大限に引き出し職場環境を進化させる同社の取り組みへの評価が期待される。

Wethos AIの創業者兼CEOであるStuart McClure氏は、このように述べる。

AI駆動で未来の働き方を支援するWethos AIのプラットフォームは、すでに職場環境革命の最前線に立っています。この調達した資金は、AI時代の最中に人々とチームの働き方を再定義するという、私たちの使命を果たすための“ロケットの燃料”なのです。

AIがかたちづくる未来の働き方

Wethos AIが提供するこの解説動画では、歴史を通じて破壊的テクノロジーが働き方をかたちづくってきたことが語られている。産業革命の時代に物理的な世界で機械が定型作業を自動化したように、デジタル時代には物理的な世界で行われていたことがオンラインに移行し、プログラミングやデータ分析、デザインの自動化が進むとしている。

具体的には、AIは以下のような形で職場環境や働き方の再構築を後押しすると指摘する。

  • 仕事の専門化と高度化:AIはこれまで人間が行ってきた定型業務を自動化する結果、従業員が担う仕事の専門化と高度化が進む。
  • 社内ギグエコノミーへの移行:従来の硬直的な働き方から、より流動的でプロジェクトベースの働き方である、ギグエコノミーと呼ばれる働き方への移行が社内で進む。
  • ソフトスキル重視へのシフト:AIが進化するにつれて、コミュニケーション能力、問題解決能力、創造性などのソフトスキルがこれまで以上に重要視される。

AI時代において組織が成功するためには、柔軟性、継続的な学習、そして部門横断的な協働を重視していくことが重要だというのだ。

未来の組織開発の基盤を担う

Image Credits:Wethos AI

Wethos AIが提供するプラットフォームは、AIを活用した各種サービスを備えることで、未来の組織開発を支援するオペレーティングシステムとして機能する。

たとえば「Wethos Style」は、行動分析に基づきチームを最適化できる機能。社員個人の行動パターンや強み、潜在的なバイアスを分析し、最適なチームを構成したり、適した人材をタスクに割り当てたりという活用ができる。

また「Wethos Copilot」は、AIが個人の生産性向上を支援するデジタルアシスタント機能。個人に最適化された支援によって、会議の準備やタスク管理、コミュニケーションスキル向上などをサポートする。

Image Credits:Wethos AI

さらに「Comfort Index」機能では、従業員の満足度と定着率に影響を与える要因を測定することが可能。これによって組織の潜在的な問題を早期に発見し、適切な対策を講じることができる。

AIが偏在する世界で人間の可能性を最大限に引き出す

Image Credits:Wethos AI

Wethos AIは、AIと組織心理学の深い理解の裏付けをもって、AI駆動による職場革命の最前線に立っている。同社CEOのMcClure氏は「AIがいつでも、どこでも、偏在する世界において、人間の可能性を理解し最適化することこそが、究極の競争優位性になるのです」と語る。

参考元:
Wethos AI
プレスリリース

(文・五条むい)


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