あれっ進化した? iOSの「マップ」アプリを「Googleマップ」と比較!

【進化したiPhoneマップ】

地図アプリといえば、「Googleマップ」ばかりで、iOS標準の「マップ」アプリは敬遠してきたという方も多いことでしょう。かくいう筆者も普段はGoogleマップのヘビーユーザーです。一方で、iOSのマップも実はジワジワと機能が充実してきていて、一部機能の使い勝手を除けば、かなり実用的になってきています。

今回はiPhoneユーザーの視点で、GoogleマップとiOS標準マップの使い勝手を5つの視点で比較しました。両者に現在どのような差があるのか、おさらいしていきましょう。

 

1. ブラウザからも使える?

まず、使用できるデバイスについて。

Googleマップはスマートフォンのアプリからはもちろん、ブラウザ版サービスも展開されており、PCなどからも柔軟にアクセスできます。

一方、iOS標準の「マップ」アプリは、一部の例外を除き、基本的にiPhoneやiPad、Mac、Apple WatchなどのApple製品からのみ利用可能なサービスだと思ってよいです。アクセスできるデバイスが限られるのはややデメリットになるでしょう。

ただし、24年7月にはブラウザ版サービスが、ベータ版として公開されたこともトピック。あくまで正式版ではなく、まだ日本語展開もされていませんが、将来的な展開には注視しておきたいところ。

iOS標準マップとGoogleマップのアプリ画面 ▲iOS標準の「マップ」アプリの画面(左)と、iOS版のGoogleマップ(バージョン6.137.1)の画面(右)

 

2. 検索機能の使い勝手はどのくらい違うの?

続いて、検索機能について。Googleマップでは、キーワードを入力しての場所や施設の検索が行えるのが便利です。例えば、飲食店などを探す際に、営業日や営業時間、評価の高さ、価格帯などを指定したうえで絞り込みが行えるのが秀逸。こうした機能はiOS標準のマップにはないメリットと言えます。

一方、iOS標準のマップでも、チェーン展開している店舗のブランドを指定して検索できる機能は備わっています。例えば、服のショップを探すときに選択肢に表示される範囲ではありますが、「ブランドA」か「ブランドB」と絞り込みながらの検索が可能です。

iOS標準マップとGoogleマップのアプリ画面 ▲iOSマップでも若干の絞り込み検索は可能だ。ただし、Googleマップの充実度にはまだまだ及ばない

 

3. ストリートビューは使える?

クルマで初めて運転する道を調べる際には、Googleマップではストリートビューの画像で曲がるタイミングなどを予習できるのが便利。高速道路の分岐や出口の位置などを調べておけるので、実際にはカーナビを使って遠出する場合でも、Googleマップで調べたルートとカーナビのルートを一致させる必要がありますが、分岐を予習しておくことで運転時の安心感が高まります。

一方のiOSマップにも、Googleマップのストリートビュー的な機能である「Look Around」は備わっています。地図上の位置を変更しながら画面上半分でLook Aroundの画面を表示できるので、機能自体の使い勝手はかなり良いです。目的地の店舗前に駐車場があるかどうかなどはすぐ確認できます。

ただし、ルートの確認中にこれを表示する機能は用意されていません。もし車の運転の下調べするような目的で使うならば、カーナビでルートを表示した状態で、分岐点をひとつひとつ手動でチェックするので、少々手間がかかるかもしれません。

iOS標準マップとGoogleマップのアプリ画面 ▲iOSマップの「Look Around」の操作性は好印象だ。ただし、クルマを運転する立場でいうと、Googleマップのストリートビューは、ルートの予習に使うので欠かせない

 

4. 交通情報の確認はできる?

Googleマップでは、「デフォルト」の地図表示のほか、「航空写真」や「地形」といった表示へと、切り替えられます。また、それぞれの地図上で、鉄道の配置がわかる「路線図」や、車の渋滞状況がわかる「交通状況」、現地の様子を360°写真で確認できるかどうかがわかる「ストリートビュー」、拡大して斜めから表示した際に建物の高さなどが反映される「3D」など、複数の情報表示を切り替えられます(ちなみに、自転車用道路が表示される「自転車」という表示もありますが、これを選んでも日本では表示が変わりません)。また、ルートを選択したときに、移動手段として徒歩や自転車を指定していると、高低差の情報も表示されます。

iOSのマップでは、「詳細マップ」「ドライブ」「交通機関」「航空写真」の4つのスタイルを切り替えて使うようになっています。拡大して斜め視点にすれば、自動で3D表示にもなります。使い勝手としては、Googleマップのそれよりもシンプルで分かりやすい。ルート検索の際に上り坂の有無なども表示されます。こうした情報表示の充実度に関しては、特に不満なく使えるのではないでしょうか。

iOS標準マップとGoogleマップのアプリ画面 ▲地図の種類や表示できる情報は、一見Googleマップの方が多いが、日本国内での使用に関していえば、体験的にはさほど大きな差はないだろう

 

5. オフラインマップは使える?

最後に、通信量を節約するためにマップデータをダウンロードして、オフラインで利用したい場合について。結論を言えば、GoogleマップもiOS標準のどちらを使っても大丈夫です。

ちなみに、Apple Watchを使っていて、ウォッチ上で地図を確認したい場合には、iPhoneでiOS標準のマップでオフラインデータを取得しておくと、ウォッチ側にもダウンロードされる仕組みになっています。この点は、iOS標準マップのメリットになるかもしれません。

iOS標準マップとGoogleマップのアプリ画面 ▲iOSマップの画面に「ダウンロード」、Googleマップの画面に「地図をダウンロード」の項目があるように、どちらもオフラインマップの使用に対応している

*  *  *

実際にiOS標準の「マップ」アプリを使っていくテクニックについては、次の記事から数回に渡って紹介していく予定です。

>> [特集]進化したiPhoneマップ

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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