機械式時計の愉しみを存分に味わえるボールウォッチ「ロードマスター モデル A」

ボールウォッチより発表された新作「ロードマスター モデル A」(88万円、10月31日よりオンライン受注受付)が、時計愛好家の間で注目されています。

3年もの歳月をかけて開発されたこのモデル、注目すべきは機械式時計ではかなり珍しいアラーム機能の搭載にあります。実用性が高い機能ながら、今やメカニカルウォッチではほとんど搭載されることのないコンプリケーションを装備したGMTウォッチで、しかも生産数は世界でわずか333本。希望のシリアルナンバーをリクエストできる、ユニークな事前予約プログラムも話題です。

今回の新モデルは、取り回しやすい41mm径ケースに自社製自動巻きムーブメント“BALLキャリバーRR7379”を搭載し、複数エリアの時間を同時に確認できるGMTを装備した実用性の高いモデルです。

特徴的なアワーマーカーや鮮やかなコントラストで塗り分けられた厚みのあるベゼルなど、「ロードマスター」シリーズらしいディテールを備えますが、冒頭でもお伝えした通り、特筆すべきはやはりアラーム機能。

デジタルウォッチにおいては特に珍しくないアラーム機能ですが、繊細で精密な駆動を必要とする機械式時計において、安定した精度を維持しながら物理的な動作でアラーム音を響かせるのは非常に困難。ですが、この「ロードマスター モデル A」には、ムーブメントにゴングとハンマーを搭載しています。

あらかじめ設定した時刻になるとアラーム用ゼンマイが解かれハンマーが振動し、ゴングが独特の金属音を発します。高音で鳴らされるアラーム音は、昔懐かしい目覚まし時計や駅のホームで発車を知らせるゴング式ベルを思わせます。

腕時計で音を使った機能に、これも高い技術を必要とする“ミニッツリピーター”というコンプリケーションがあります。この機構はムーブメントの外周をぐるりと囲んだリング状のゴングを内側からハンマーが叩いて音を鳴らす構造になっているのですが、この「ロードマスター モデル A」では一般的なミニッツリピーターで使われるものの約2倍の長さのゴングを新たに開発。

ムーブメントの外側にセットすることで、最長18秒間もの響音を実現。また、ダイヤル外周に配置したインナーリングの下に12か所の通音用ノッチを設けるなど、アラーム音を美しく響かせるためにさまざまな工夫が施されています。

アラームの音質に徹底したこだわりを見せますが、一方でアラームの振動が時計精度に影響を与えてしまうと本末転倒。そこでこの“BALLキャリバーRR7379”では、時刻表示とアラーム機能が相互に干渉しないように2つの香箱を搭載。ひとつのローターが右回転時に時刻表示用ぜんまいを、左回転時にアラーム用ぜんまいを巻き上げるという画期的なシステムを採用しています。

安定しつつ正確な駆動を実現するため、主ぜんまい巻き上げやGMT針・日付ディスク・時刻設定などの操作を行う2時位置のりゅうずと、アラームに特化した4時位置のりゅうずに分けられています。

極めてユニークな機構は、シースルー仕様で視覚的に楽しめます。また、最大で第3時間帯までの表示が可能なGMT機能や、29本のカラフルな自発光マイクロガスライトが彩るダイヤルも魅力的です。

>> ボールウォッチ

<文/&GP>

 

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