小物の置き場がないジムニーに、専用に開発されたスマホホルダーを設置!3製品の中でどれが使いやすいかを検証した

こんにちは、ライター高橋です。2023年10月にスズキ ジムニーを購入。1年ほど乗ってきました。他のクルマでは絶対に味わえない、機械を操っていることがダイレクトに伝わってくる乗り味。ラフロードをためらうことなく走破できる安心感(その分、オンロードは不得意ですが…)。ジムニーならではの楽しさを満喫しています。

一方でジムニーは非常に特殊なクルマなので、普通のクルマと同じ感覚で選ぶと戸惑うこともあります。その1つが身の回りの物を置いておく場所がとにかくないこと。

日本の軽自動車はパッケージングを工夫し、インパネ周辺はもちろん前後のドアやセンターコンソールなど、車内のさまざまな場所に便利な収納を多数設置することで、室内を広く使えるようにしています。スライドドアを備える軽ハイトワゴンはもちろん、軽ワゴンや軽クロスオーバーもこのようなパッケージングを採用しています。

しかし悪路走破性を高めることを第一に設計されているジムニーは他の軽自動車とは異なり、車内にトランスファーレバーやサイドブレーキレバー、助手席グリップなどの機能装備が配置されています。そしてFRベースのレイアウトでボンネットが長くなり、サイズに制限のある軽自動車だとどうしても室内空間が犠牲になってしまう側面があるのです。

そのため室内空間に余裕がなく、他の軽自動車のような多彩な収納を設置できないという事情があります。

運転中に置き場がないと困るものとして挙げられるのが、ペットボトルなどの飲み物とスマホでしょう(かつては小銭も置き場がないと困りましたが、ETCが普及したことで不要になりました)。ドリンクホルダーは前席の後ろ側に2個分、そしてスマホはドリンクホルダーの手前にあるポケットに置くことになりますが、どうにも使いづらい…。

そんなジムニーですが、アフターパーツに目を向けるとジムニー専用に開発された製品が数多くあります。2023年度のジムニーの販売台数は4万859台。人気モデルとはいえ、N-BOX(21万8478台)やスペーシア(13万3410台)などに比べるとかなり少ないのが現状です。それでも専用品がたくさんあるのはモデルサイクルが長い(先代のJB23は20年!)ので一度製品を開発すれば長期間販売できること、そして機能にこだわるオーナーが多いジムニーだからこそ、汎用品ではなく専用品の需要が高いからでしょう。

そこで今回はジムニー専用のスマホホルダーの使い勝手を試してみました。

■ジムニー専用開発のスマホホルダーをチョイス

今回試してみるスマホホルダーは次の3つです。いずれもJB64ジムニー/JB74ジムニーシエラ専用モデルになります。価格はすべて2024年10月時点でのアマゾンでの販売価格になります。

・oricarmes「JB64型ジムニー専用ダッシュボードトレイ」3480円
・槌屋ヤック「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォンホルダー」3570円
・長靖工業「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォン車載ホルダー」4200円

■まずは3つの製品を取り付け。設置は驚くほど簡単!

では、それぞれの製品をクルマに取り付けていきましょう。

▼oricarmes「JB64型ジムニー専用ダッシュボードトレイ」

メーターの上に置くだけで設置完了

ジムニーオーナーのSNSでよく見かけるのがこれ。小物を置ける場所が極端に少ないジムニーの不便さを解消するグッズで、メーター上のダッシュボードに設置するトレイです。スマホはもちろんサングラスや駐車場のチケットなどをパッと置くことができるので便利。

メーター形状に合わせて成形されているので、ダッシュボードのホコリを付属のクリーナーで拭き取り、底面につけられた両面テープを剥がしてメーターの上に置きます。そして付属の滑り止めゴムをトレイの中に入れれば設置完了。時間は1分もかかりません。

 

▼槌屋ヤック「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォンホルダー」

メーターとディスプレイの間にある隙間を活用

ジムニーのインパネは、センターにあるモニターパネルとメータークラスターの間に縦長の狭いスペースがあります。このデッドスペースを活用するスマホホルダーがこちら。

箱の中には本体のみ入っていて、別にアルコールクリーナーが付いています。

取り付けは、まずクリーナーでモニターパネル側とくぼみの下を拭き、次に本体横にある両面テープが付いたステーを取り外し、両面テープを剥がしてモニターパネル側に貼り付けます。この際、ステーとくぼみのアールの間に隙間ができないようにするのがポイント。ステーがモニターパネルにある縦のラインからはみ出ると隙間ができている証になるのですが、くぼみ内のアールにぴったりハマるようきちんと成形されているので取り付けは特にコツなども必要なく簡単でした。

次に本体底面の両面テープを剥がし、本体をくぼみの上から下に下げるように入れていきます。この際、本体モニターパネルに押し付けるように下げていくことで、ステーにつけられたフックに本体がしっかり固定されます。フックが本体に入る際に「カチッ」などの音がするわけではないのできちんと取り付けられたか心配になりましたが、本体がブレないので大丈夫!と判断しました。

 

▼長靖工業「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォン車載ホルダー」

助手席グリップのネジ穴を使って設置

ジムニーにはラフロードを走る際に助手席に座る人がしっかり体を支えられるように、グリップが設置されています。そしてこのグリップの左右には六角形のネジがデザインされていて、ハードなイメージを演出しています。

このネジはゴム製のダミーで、取り外すことができます。取り外したネジ穴に設置するスマホホルダーになります。

箱を開けると入っているのは本体と六角レンチのみ。取扱説明書はありません。

こちらも取り付けはとても簡単。まず六角レンチを使ってゴムキャップを取り外し……。

本体のツマミを緩めてボールジョイントを外し、ネジ穴に固定。その後、ボールジョイントを本体につければ完了。わずか数分で設置が終わりました。

■3つの製品の使い心地は?

ここからはそれぞれの製品の使用感をリポートしていきます。

▼oricarmes「JB64型ジムニー専用ダッシュボードトレイ」

運転中の視線移動が少なく便利だが…

ダッシュボードトレイの便利なところは、メーター上にスマホを置けるので、地図アプリをカーナビとして使用する際に、最小限の視線移動で地図を確認できること。例えるならヘッドアップディスプレイのような感覚です。

スマホはトレイの中に立てかけるだけ。滑り止めがついているのでコーナリング中にスマホが滑ってしまうこともありませんでした。ただ、スタンドの高さの関係でスマホは横置き専用になります。筆者は地図アプリを縦画面で使っているので、横画面の地図表示は違和感がありました。でもこれは慣れれば解消されるはずです。

ダッシュボードにスマホを設置すると、車種によってはスマホが運転席からの死角を作ってしまうこともあります。しかしこのトレイは運転席から見た時にスマホがボンネットからはみ出さないので、スマホが死角を作ることはありません。「これはうまい場所を見つけたな。多くのジムニー乗りから選ばれているのもわかるな」と感じました。

難点を挙げるとすれば、トレイ自体が大きく複雑な形状をしているので、スッキリしているダッシュボードがかなりゴチャゴチャした印象になってしまうこと。

さらに陽の差し込み方によってはトレイがフロントガラスに映り込んで前方がやや見づらくなる時間帯がありました。映り込みはトレイにスマホだけでなく小銭やガムなどを置いているとより顕著になります。スマホを充電する場合もケーブルの映り込みが目立ちました。筆者はクルマをなるべくシンプルな状態で使いたいのでちょっとマイナスポイントが大きいなと感じました。

 

▼槌屋ヤック「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォンホルダー」

インパネ内に馴染むデザインが秀逸。スマホも見やすい!

今回、もっとも感心したのがこちら。車内のわずかなスペースを有効活用し、スッキリしたデザインを壊さずにスマホを置けるようにしています。「うまい場所を見つけたな」と驚きました。筆者がジムニーを買ってから1年間スマホホルダーを使わずにいたのはプラスチック感が強く、意外と存在感のあるものが車内に存在するのが好きではないから。でもこれは違和感がなく、まるでこの装備が標準で付いているのではないかと感じるほどです。

設置場所がタコメーターの左側になるので、運転席からの視認性がいいのもポイント。スマホ画面の右下がステアリングで少し隠れてしまいますが、ナビ画面をチラッと見るのに支障はありません。

スマホはアンダーアームに載せて上からホールドする構造になっています。わずかな力でスマホを固定できるのに、たとえば急加速した際などにもスマホがホルダーから外れにくい形状をしているので、運転中にスマホが落ちて慌てることもありませんでした。

本体中央にもアームが格納されていて、これを出せばスマホを横向きに固定できます。ただ横向きにすると視界の中にスマホの画面が大きく入ってきて運転中に気になる場面があったほか、充電中はケーブルがディスプレイに完全にかかってしまうので、縦画面での設置をおすすめします。

 

▼長靖工業「JB64/74 ジムニー専用 スマートフォン車載ホルダー」

ハードな見た目がジムニーに馴染む

ジムニーのインパネはオフローダーとしての機能を追求したハードな雰囲気が魅力。助手席側の乗降グリップも太くてゴツく、シボのデザインも相まってハードなイメージを強調しています。こちらのスマホホルダーはアルミニウム合金製で、ジムニータフな雰囲気にハマります。

アーム式のスマホホルダーの場合、本体を両面テープや吸盤で固定するタイプだと走行中の振動でホルダーが落ちてしまうこともありますが、これはグリップについているネジを利用しているのでその心配がありません。

スマホの固定は強力なバネで挟みます。3週間ほど使ってみましたが走行中にスマホが落ちてしまうこともありませんでした。固定部の向きを変えることで縦画面、横画面どちらでも好みで使えるのも便利です。

ホルダーの角度は2つのボールジョイントで自在に調整できます。画面の向きも縦横自由にセッティング可能。ただ、固定場所が助手席前なので、地図の確認する際などは視線をかなり外す必要があります。これは助手席の人が使うのに向いていると感じました。

<取材・文/高橋満(ブリッジマン)>

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