衝撃的なルックス! ついにベールを脱いだジャガーのピュアEV「デザインビジョン」が目指すところ

あの英国製プレミアムブランドのジャガーが、ピュアEVのメーカーに生まれ変わろうとしています。そこで公開されたのがコレ。2024年11月に英国ゲイドンにあるジャガーのテクニカルセンターでベールを脱いだ「デザインビジョン」なのです。

■次世代を感じさせる衝撃的なルックス

▲24年12月の「デザイン・マイアミ・バーゼル」で一般公開

MIAMI, FLORIDA - DECEMBER 02: A view of the Type 00 London Blue during the Reimagined Jaguar Brand Debut At Miami Art Week on December 02, 2024 in Miami, Florida. (Photo by Jason Koerner/Getty Images for Jaguar)

けっこう衝撃的なルックスです。ファストバックの車体は全長5m超えですが、パッケージはガルウイングドアをそなえた2人乗り。フロントマスクにはラジエターグリルの開口部はなく、四角いパネルがあるのみ。そこによく見ると、あたらしい書体になったジャガーの文字が入ってます。

MIAMI, FLORIDA - DECEMBER 02: A view of the Type 00 Miami Pink during the Reimagined Jaguar Brand Debut At Miami Art Week on December 02, 2024 in Miami, Florida. (Photo by Jason Koerner/Getty Images for Jaguar)

リアにもやはり四角いパネルがそなわります。リアウインドウがあるべきところはボディパネル。ガラスははまっておらず、後方確認はカメラを使うとのこと。

▲キャビンはかなり後退したファストバックスタイル

なにより全体の印象がユニークです。23インチ径ロードホイールと組み合わされた大径タイヤが四隅に配されて、そこをカバーするオーバーフェンダーが張りだしています。ボンネットは長く、キャビンは後方に位置。英国のスポーツカーの伝統的なプロポーションを連想させます。

■別名“タイプ00”の意味するところは!?

▲左右独立したデュアルコクピットで、中央に「ブリッジ」と呼ばれるセンターコンソールがそなわる

これだけ大胆なデザインをしたのには理由があります。と、ジャガーカーズのブランドデザインダイレクターのリチャード・スティーブンス氏は、そのときの発表会の場で、語りました。

「ジャガーはこのさき、いままで以上にプレミアムな市場を狙っていくつもりです。その市場で存在感を出すには、なににも似ていないことが大事だし、私の意見では、ここまで気分がアガるようなEVはなかったと思います」

▲ガルウイングドア採用

▲ジャガーの車名もあたらしいロゴで表現される

このクルマは別名、タイプ00(ゼロゼロ)と呼ばれます。ひとつめのゼロは、ゼロエミッション。製造時における温室効果ガスの排出量ゼロであること。

もうひとつのゼロは、ここがジャガーにとってのリセットであること。ゼロスタートっていってもいいでしょうか。なにしろ、ジャガーは2024年中に、いままで販売していたほとんどのモデルの生産停止を発表しているのです。

▲大容量のバッテリー搭載で、一充電あたりの走行距離は690km

■ジャガー創業者のモットー“コピー・ナッシング”

▲プランビュー(上からの眺め)ではリアフェンダーが張りだしてスポーツカー的なルックス

それにしても、デザインは大胆です。デザインの背景について、ジャガーのデザインを統括しているチーフクリエイティブオフィサーのジェリー・マガバーン氏は言います。

「デザインチームが肝に銘じていたのは、創業者のウイリアム・ライオンズによる“コピー・ナッシング(なにも真似しない)”というモットーでした。そして存在感を出すことが重要なのです。ラブ・オア・ヘイト。現段階ではそれでいいと思っています」

デザインビジョンの名のとおり、このままの姿での市販化はないかもしれません。2026年をめどにまず大型4ドアのEVが登場し、そのさきに2ドアクーペも計画もあるとか。現在のところ、それ以上のことは、まだ未定とのことです。

スティーブンス氏もマガバーン氏も、ジャガーEタイプ(1961年発表)を引き合いに出します。Eタイプが発表されたとき、誰も予想していなかったので、まるで未来からのクルマか宇宙船のようだと驚かれたとか。

Eタイプは、世界でもっとも美しいクルマといまも高い評価を受けています。未来の新世代EVも、そこをめざすのでしょうか。期待が高まるではありませんか。

▲ジャガーのシンボルの「リーパー」は車体側面につく

>> ジャガー TYPE 00

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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