MNP開始から17年。利用件数は1億件を突破!「お試し割」利用意向は1割に届かず

MM総研は、「MNP利用実態とお試し割の利用意向」の調査結果を発表しました。携帯電話番号を変えずに携帯会社を乗り換えられるMNPの累計利用件数は、2006年のスタートから17年で1億件を突破しました。2024年12月に導入された「お試し割」を利用したいと考える割合は9.3%にとどまっています。

2006年にスタートしたMNP

MM総研によると、MNPの累計利用件数は、2006年10月の開始から17年となる2023年10月に1億件を突破し、その8カ月後の2024年6月には1億1,000万件を突破しています。

導入から累計1,000万件到達までは46カ月かかっていましたが、2011年度からは増加傾向が続いています。

MM総研「MNP利用実態とお試し割の利用意向」

MNPの利用増、5つの要因

MM総研は、MNP利用件数の増加について、以下5つの要因があると分析しています。

  1. 楽天モバイルの躍進
  2. 同一会社のメインブランドとサブブランド間での流動が活性化
  3. 大手3社によるオンラインプランの訴求
  4. 総務省主導による、MNP手数料の無料化ワンストップ化による利用しやすさの整備
  5. 物価高騰による携帯料金見直し意識の向上

なお、本調査では、メインブランドとサブブランド間の変更(auとUQ mobile、ソフトバンクとY!mobile)はMNPに含めていますが、オンラインプラン(ahamo、povo、LINEMO)とメインブランド・サブブランド間の変更はMNPに含めていません。また、楽天モバイルMVNOから楽天MNOへの変更はMNPに含めています。

MNP利用経験者の割合は50.6%

MM総研では、15~69歳の男女1,259人を対象としたWebアンケートも実施しています。

MNPの利用経験について尋ねた結果、MNPを1回以上利用した経験者は50.7%と約半数でした。

利用回数は、「1回」が25.9%で最も多く、次いで「2回」の10.5%でした。なお、「6~10回」と「11回以上」は合計で0.6%とごく少数でした。

MNP利用経験者の平均利用回数は1.76回、とMM総研は推計しています。

MNPの利用理由は「毎月の料金がお得」が圧倒的多数

MNP利用経験者がMNPを利用した理由としては「毎月の利用料金がお得」が圧倒的な多数となりました。

以下、「新しいスマートフォンをお得に購入」、「家族や知人の勧め」、「販売スタッフの勧め」、「固定インターネットサービスなど他サービスとセット契約でお得」といった理由が続いています。

MM総研「MNP利用実態とお試し割の利用意向」

「お試し割」を「利用したい」は9.3%

2024年12月26日の電気通信事業法の省令改正により、iPhoneなどスマートフォンの販売条件が変化しただけでなく、携帯会社の判断で最長6カ月間、利用料金を割引できる、いわゆる「お試し割」が提供可能となりました。

「お試し割」には、自宅や職場・学校などの生活圏内での通信状態を、ほぼ無料で体感できるメリットがあります。「お試し割」は新規契約・MNPのどちらでも利用できます。

そんな「お試し割」を利用したいかを聞いてみると、「利用して新しい番号を追加で契約したい」が2.1%、「利用して別会社のサービスに変更(MNP)したい」が7.2%で、利用意向がある回答者は合計で9.3%と、1割弱でした。「利用を検討したい」と合わせても42.5%で、半数を割り込んでいます。

一方、「利用したくない」との回答が56.9%で、過半数を占めています。

MM総研「MNP利用実態とお試し割の利用意向」

「お試し割」利用したくない理由は?

「お試し割」を利用したくない理由として、最も多く挙げられたのは「現在のサービスに満足している」でした。

以下、「契約手続きが面倒」、「お試し割の仕組みがわからない」、「半年経過後は料金がかかる」、「家族割が適用されなくなる」などと続いています。

MM総研「MNP利用実態とお試し割の利用意向」

お試し割」は現在、携帯各社があまり積極的にアピールしていませんが、今後は対象ブランドやプランを限定しながら適用が進むだろう、とMM総研は予測しています。

サブブランドからメインブランドへの流動も活発に

今後のMNP市場の動向についてMM総研は、料金を節約する目的でのMNPだけではなく、同一会社の中でサブブランドからメインブランドへの変更も加速している、と指摘しています。

この動きは、SNSや動画・音楽などのサービスの進化と多様化によって、低料金・低容量を求めるだけではなく、高くても大容量と安定した品質を求めるユーザーも増加しているためで、今後も競争環境の激化でMNP市場は活況が続くだろう、と同社は分析しています。

Source:MM総研


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