自治体による防犯カメラへの補助金も続々とスタートし、今改めて注目となっている防犯カメラ。今回レビューするのはSwitchBot(スイッチボット)の「ソーラー屋外用防犯カメラセット」(実勢価格:1万6980円)です。
防犯カメラを発売しているメーカーは数多くありますが、前回レビューした日本の家電メーカー パナソニックの「VL-CV100K」をはじめ、ガジェットの定番ブランド AnkerやTP-Linkの製品をテストしてきました。
※過去のレビューのまとめはこちら
>> 2025年最新「防犯カメラ」の選び方と、購入前に知っておきたい5つのポイント
そして今回レビューするのはSwitchBot。家電のオートメーション化やスマートカーテン、温湿度計など数々のデバイスを手掛けるスマートホームブランドで、これまで取り上げたメーカーとは少し異なる出自のブランドとも言えます。
SwitchBot「ソーラー屋外用防犯カメラセット」のうち、カメラ部を構成する「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」は300万画素(フルHD)のカメラ搭載でIP65の防塵防水でバッテリー内蔵。そして「SwitchBot 屋外カメラ専用ソーラーパネル」も同梱していて、電源コンセントや工事不要で設置できます。
▲「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」は丸型で着脱可能な台座付き
▲「SwitchBot 屋外カメラ専用ソーラーパネル」。カメラとはUSB-Cケーブルで接続
SwitchBot製品のユニークなポイントは設置の自由度。屋外カメラ本体とソーラーパネルそれぞれに壁に木ネジを打ちこむ取り付けブランケットも同梱…なのですが、公式にも“カメラ用の三脚・クランプ取付を想定”した作りになっていて、三脚ネジの穴が空いています。
▲三脚ネジ用の穴付きカメラ。ソーラーパネルも三脚ネジ穴が空いています
カメラの設置固定方法は、一戸建ての僕の自宅でもいつも頭を悩ませるポイント。今回のSwitchBot「ソーラー屋外用防犯カメラセット」では、発想を変えて三脚とクランプを使った設置をしてみました。設置と言っても簡単で、玄関ポーチに三脚を立てて屋外カメラをセット、ソーラーパネルは三脚からクランプで固定しています。
▲玄関ポーチに三脚を立てて、そのままセットしてみました
三脚やクランプはカメラ用品としてネット通販で安価に入手可能。なので、外壁などに穴をあけられない家庭でも、自分で工夫して取り付けられる余地が出てきます。
▲ソーラーパネルはカメラ用に持っていたクランプで固定。ネット通販で約3000円
なお本当の防犯目的では、不審者にカメラ自体を排除されたり、盗まれたりする可能性も考慮する必要があるため、これはあくまで家の外の様子を確認できるようにする想定ですね。
▲クランプを2つ使って玄関ドア飾りへの固定にもチャレンジ
いつもよりも簡単に設置を済ませたところで、“SwitchBot”アプリからセットアップなどを進めていきます。
■スタンダードなカメラ性能と強力なSwitchBot製品同士の連携
カメラ部分である「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」のセットアップは、“SwitchBot”アプリから進めていきます。このアプリはSwitchBotの他のスマートホーム製品と共通で、連携も考慮した設計です。
▲SwitchBot「ソーラー屋外用防犯カメラセット」をセットアップ
初期設定の登録は簡単で、スマホと「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」を近くに置いてデバイスを登録、Wi-Fiに登録して完了。あとは事前に10000mAhのバッテリーを充電しておきます。なお、録画ストレージはmicroSDカード(別売)で、今回は128GBで検証。有料のクラウド録画のサービスも利用可能です。
▲“SwitchBot”アプリでカメラにアクセス
カメラへのWi-Fiの接続は、設置直後はよく途切れましたが、使っているうちに接続は安定しました。
では「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」で録画したビデオの画質を見ていきましょう。
▲日中に撮影されたビデオの映像
画質は公式表記では300万画素となっていて、録画データは2304x1296ピクセルになります。画角137度で撮影範囲が広く、画質としては防犯カメラのビデオ映像としては十分といったところ。
▲夜間に撮影されたビデオの映像
夜間は赤外線によるナイトモード撮影のほか、照明やスポットライトのある環境下ではカラー撮影も可能です(設定で自動切替も可)。完全な暗闇では映像のコントラストが低下しますが、ここは設置場所の環境や照明次第といったところでしょうか。
そして「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」の特徴のひとつが、録画の設定の自由度の高さになります。ソーラーパネルモデルなので、デフォルトは“イベント”録画ですが、設定上は“連続録画”も可能。ただし、説明書には“1日以内にバッテリーが完全に消耗されてしまう可能性がある”とあります。
▲基本は検知による“イベント”録画
検知は「人/動物/すべて」が対象で検知時に通知設定で設定可能。今回はビデオの検知頻度を最短5秒、ビデオの長さ60秒となる“常時監視”に設定しました。ただ設定できる検知対象にクルマがないこと、検知エリアのカスタマイズが四角のみ(他社は多角形が可能)といったところが弱めかもしれません。
▲録画データは“イベント”のタイムラインに記録
設置後の“イベント”を見てみると、“人”のみの場合、近くは漏れなく検知。ただし、デフォルトの“検出感度”の設定“中”では、10m程度の距離では画面端に取り漏らしがありました。この設定は検知する範囲(距離)を指定しているので、必要に応じて“高”で運用した方が良さそうです。
他におもしろい点として、動体検知時の通知設定がSwitchBotのスマートホーム製品のオートメーション機能と一体化していることです。そのため、アプリへのプッシュ通知だけでなく、SwitchBotのスマートホーム製品、照明やスマートプラグ経由で繋いだ機器をオンにするといった連動も可能です。
▲SwitchBotの他製品と同じオートメーション設定
逆に他製品をトリガーに「SwitchBot 屋外カメラ 3MP」の録画をスタートしたり、警告音を流すような設定も可能。こうした連携まで使い込むと、SwitchBotの独自性が出てきます。
ソーラーパネルによるバッテリー充電についても調べてみました。
1日のみの検証ですが“人物検出”の設定でイベント件数80件という条件で、67%でスタートして1日後に残量90%と1日でプラス23%。冬晴れで10時間程度の日照を得られ太陽光発電もよく働いたこともあり、大型ソーラーパネルによりバッテリー運用は余裕でした。
* * *
他製品ではまず考えられない自由度の高さがSwitchBot「ソーラー屋外用防犯カメラセット」の特徴です。三脚穴や、大型ソーラーパネルとセットにすると電源不要で使えることなどを見ても、設置の自由度はトップだし、SwitchBotの他のスマートホーム製品との連携させることも可能。
「防犯カメラの設置も、防犯を実現する方法も、自分で考えてカスタマイズしていきたい」
そんな人には、SwitchBot製品はピッタリかもしれません。
>> SwitchBot
<取材・文/折原一也 撮影協力/SwitchBot>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年よりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/659510/
- Source:&GP
- Author:&GP
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