【ビジネスファッション裏技事典】
スーツだけでなく、ジャケパン、セットアップとビジネスファッションがどんどん多様化する昨今。それ故、「何をどんな風に着こなせばいいのかわからない(汗)」というおしゃれ迷子が増えている模様。そこで、さまざまなファッションメディアで活動するエディターが、その悩みを解決するビジネスファッションの裏技を伝授します。
押条事務所所長・ファッションエディター/押条良太
「MEN′S CLUB」編集部を経て独立。「OCEANS」「Begin」「LEON」などのメンズ誌やブランドのカタログ、広告を手掛ける。得意分野はスーツをはじめ、ドレス靴、ウェルネス、グルーミングと幅広い。湘南在住で、趣味はサーフィン。
Q. 「スーツに合わせるソックスはどんなものを選ぶべき? 3足1000円の無地のソックスだとマズイですか?」S.H.さん(32歳)
A. スーツに合わせるソックスの第1条件は金額ではなく「長さ」。膝下まである「ロングホーズ」を選びましょう。
もし、アナタが電車に乗っているとしましょう。目の前のシートにスーツを着た男性が座りました。スーツの生地はいかにも上等そうで、靴もピカピカ。一見、隙のないジェントルマンに見えますが、彼が足を組んだらパンツの裾からくたびれた靴下が見えて、おまけに素肌とスネ毛が覗いている…ちょっぴり残念な気持ちになるのでは? 目立たないように思われがちですが、意外と印象に残りやすいものです。ということで、今回のテーマは、スーツスタイルの盲点になりがちなソックス選びです。
■ソックス選びのプライオリティは「丈」。ふくらはぎが隠れるハイソックスが正解
1番注意しなくてはならないのは、座ったときや足を組んだときなどに、パンツの裾と靴下の間から素肌やスネ毛が見えてしまうこと。これは着こなしのルールどころかマナー違反に当たるもので、欧米ではその昔、「食事中にげっぷをするほどの失礼」と言われたほど。
ゆえにくるぶしが見えるようなスポーツソックスは論外です。スーツにふさわしいのは、座っても足を組んでもパンツの裾から決して素肌やスネ毛が見えないソックス。そのため丈は長ければ長いほど良いというわけです。
スーツに合わせるソックスは「ホーズ」と呼ばれ、これは水を撒く「ホース」の複数形に由来します。なかでも間違いがないのは、ふくらはぎから膝下まである「ロングホーズ」のアイテムです。もしロングホーズに抵抗を感じるなら、ふくらはぎがほとんど隠れる程度のホーズでも大丈夫。要は素肌とスネ毛が見えないというのが肝心なのです。
■肌にぴったりと密着する薄手のニット素材を選びましょう
ロングホーズはスーツ専門店やスーツを扱うセレクトショップなどで購入できます。きちんとしたスーツに合わせるなら、肌にぴったりと密着する薄手のニット素材を選ぶのが吉。ウールが使われたものは保温性に優れ、寒い時季の防寒対策にもひと役買います。反対に、汗ばむ季節は、肌触りがシャリッとしたコットン素材を選ぶと良いでしょう。
■スーツやシューズとソックスの色を合わせれば、脚がすっきりスマートな印象に
ソックスは色選びも重要です。ポイントはスーツ、もしくはシューズの色に合わせること。そう考えると、ソックスはスーツの基本カラーであるネイビーやグレーがメインになるでしょう。黒に近いダークネイビーやチャコールグレーのスーツにはブラックのソックスも選択肢になります。
組み合わせをあれこれ考えるのが面倒であれば、とりあえずダークネイビーを選んでおけば、1番使い回しが利きますし安心でしょう。ちなみに筆者もネイビーソックス最強説の信者であり、3本ほど常備しています。
ソックスの色がスーツやシューズの色と揃っていると、着こなしに統一感が生まれるだけでなく、座ったときや足を組んだときに脚がすっきり見える美脚効果も期待できます。目立たちにくいからと、ついつい後回しにしがちなソックスですが、ロングホーズを買うことはスーツスタイルの格を上げる賢い投資になるでしょう。
■スーツスタイルの格を上げる! 長持ちして高級感もピカイチな高品質ソックスをピックアップ
足と靴の摩擦や汗など、負荷がかかる消耗品ゆえにソックス選びは丈夫さやコストパフォーマンスもポイントになります。高級感がありながら丈夫で長持ち。そんなプライス以上の価値を感じられる4本をご紹介します。
1. 希少な海島綿を使ったハイグレード・ホーズ
ナイガイ トラディショナル
「ナイガイ スーペリオール 海島綿 ロングホーズ ミッドナイトブルー」(3300円)
1920年から続くレッグウエアの老舗が作るロングホーズは、西インド諸島のシーアイランドコットンを使ったリブソックス。カシミアを思わせるなめらかな肌触りといい、しっとりとした光沢といい、繊維の宝石と呼ばれる最高級コットンの魅力を存分に味わえます。
2. ナンバー刺繍で実用性も高めた定番ソックス
麻布テーラー
「ホーズ ソックス No.2 ブラウン」(1650円)
シルケット加工が施された高級エジプト綿の双糸で編まれたリブソックスは、シルクのような光沢感が持ち味。履き心地にも定評があり、ふくらはぎは絞めつけすぎないよう段階的に着圧が調整されています。ナンバーの刺繍は選択の際に左右がバラバラになるのを防ぐ工夫。
>> 麻布テーラー
3. 英国紳士御用達のロングホーズといえばコレ!
パンセレラ
「ビジネスロングコットンソックス 6614」(4290円)
英国・レスター生まれの名門が作るソックスは履き心地で違いを実感できます。つま先の仕上げを手作業で行う工程・Hand Linked Toeによって、足にぴたっと吸い付くようなフィット感を味わえます。春夏はエジプト綿とナイロンのミックス素材を使ったこちらを。
>> パンセレラ
4. 日本の技術力が生み出す極上のフィット感
タビオ メン
「9×2 リブロングホーズ チャコールグレー」(1980円)
職人の技にこだわるジャパンブランドのロングホーズ。伸縮性のある裏糸と繊細な細番手の表糸で編み上げ、さらにリンキング仕様のつま先の縫製によって足を包み込むようなフィット感を実現しています。シルケット加工糸による上品な光沢も見どころです。
>> タビオ メン
<文/押条良太>
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