防犯対策の第一歩は”音”と”光”。ホムセンで聞いた、防犯テクニックと売れ筋アイテム6選

闇バイトを発端に2024年秋から徐々に強まっている防犯意識。2024年10月実施の警察庁による「治安に関するアンケート調査」では「治安が悪くなった」と答える人が7割を超えるなど、不安に感じる人も増えています。犯行件数を見ても、空き巣などの住宅対象侵入窃盗は増加傾向に。

>> 「防犯カメラ」だけじゃダメ? モノ視点で考える家の防犯対策【一戸建て編】

こんなご時世だからと、安全と安心のためにも防犯アイテムの導入を検討している人も多いのでは。しかし探せば探すほど、“一体なにから設置すればいいの?”と混乱しがち。そこで今回は、ジョイフル本田荒川沖店の近藤さんに“防犯のための段階的な対策方法と売れ筋アイテム”を聞きました。

▲茨城を中心に展開する大型ホームセンター・ジョイフル本田。生活用品からプロ向けアイテム、趣味雑貨まで幅広い商品が並ぶ

【店舗情報】
ジョイフル本田 荒川沖店
住所: 茨城県土浦市北荒川沖町1-30
営業時間:9:00~20:00 ※一部店舗やサービスは営業時間が異なります
定休日:元日
Webサイト:ジョイフル本田 荒川沖店

■防犯カメラよりも“音”と“光”でまずは対策!

「防犯と言うと、防犯カメラを検討しがちな人が多いのですが、まずは“音”と“光”での対策をオススメしています」

近藤さんによれば、防犯アイテムを導入するなら、現在の状況に合わせて設置していくのが良いとのこと。周辺で大きな事件などが起こっていないような場合に“予防”として取り付けるには、まずは“音”が鳴るモノや“光”で照らすモノがオススメという。

“音”の防犯アイテムとしては、グリーンテックの「歩くと音がする防犯砂利 30L」。侵入してきそうなところにピンポイントで敷くだけでも安心感が変わるのだと言います。

「敷くだけでできる対策ということで、最初のステップとして提案しています。玄関先や裏口付近に敷くのがオススメです。特に1人暮らしの方から、実際に砂利を踏む音で来訪者に気づくことが多いという声を聞きますね」

その他にも、不意の窓の開放や振動に反応してアラームが鳴り響く、窓に取り付けるだけでOKな防犯アラームも人気です。

“光”の対策アイテムとしては、センサーの範囲内に入った熱源に反応して自動でライトが点灯するセンサー式ライトがポピュラー。センサーライト選びの1番のポイントは給電方法だと近藤さんは言います。

「設置の手軽さからソーラー式を求めて来店される方も多いですが、安心感があるのは断然コンセント式。ソーラー式は天候に左右されてしまうし、乾電池式や充電池式は電池残量の管理が難しい。確実に給電できるコンセント式が最も安心です」

屋外用のコンセントが設置されている家であればそのまま差し込めばOK。コンセントがない場合は2〜3万円程度の設置工事が必要となりますが、安心を買うという意味でも、近藤さんはコンセント式がオススメとのこと。

とはいえ、賃貸のように設置工事ができないなんて場合には乾電池式を、乾電池式では電池残量の管理が難しい、なんて人はソーラー式を検討するのが良いそうです。

ちなみに明るさの選び方については「よく設置される玄関先やカーポートの広さが2畳〜4畳程度なので、1000lm〜2000lmのモノだとちょうどよく照らしてくれます」とのこと。

■ホンモノそっくりのダミーカメラで牽制を

音と光の対策をしたけど、もう少し設置して安心したい! という人には、ダミーカメラの設置がオススメ。例えばREVEX(リーベックス)の「ダミーカメラ SD-DM1」は、同社製のホンモノのセンサーカメラである「SD1000」と全く同じ見た目で、素人目には違いがわからないほど。

いやいや、ダミーカメラなんて昔からあるやん! なんて思ったそこのあなた。実はこのダミーカメラもかなり進化しているんですって。

▲本物(左)とダミー(右)。こんなん分かりませんわ〜!

「今のダミーカメラの中には、本当に撮影が可能なモデルと全く同じ形、素材でできているモノがあるんです。これまでのダミーカメラは空き巣のプロたちには見破られてしまうこともあったそうですが、カメラ機能を外しただけの“ほぼホンモノ”なら見抜くのは相当に難しいでしょう」

ここまで似ているなら牽制としては十分なように感じますが、より効果的に設置したいのであれば、“本物とダミーを混在”させる取り付け方が良いのだそう。

「ひと目につきやすい場所=壊しやすい・持っていかれやすい場所にダミーカメラを設置し油断させておいて、目立たない場所にホンモノのカメラを置いておくのも防犯テクニックのひとつです」

■差し迫った状況下では防犯カメラとステッカーを

周囲で怪しい人物が目撃されたり、事件が起こったなどの差し迫った状況下では防犯カメラの設置はマストですが、近藤さんによれば、防犯カメラは単独での設置よりも他の防犯アイテムとの組み合わせでこそ真価を発揮するのだそう。

「防犯カメラを単体で取り付けたとしても、カメラがあるから完全に安全とは言いきれません。特に入念に下調べをした上で計画的に犯行が行われるようなケースでは、必ずしも犯人につながる証拠までは残せない可能性もあります。犯罪の抑止として大事なことは“ウチは録画しているからな。防犯意識が高い家だからな”といったアピールなので、他の対策と共に設置するのが効果的です」

そして防犯カメラと合わせて導入したいのが、防犯ステッカー。注意を引きやすい赤や黄色を使ったステッカーや、某警備会社を彷彿とさせるようなブルー×イエローのモノ、サイズも小さなモノから大きなモノまで様々あります。この防犯ステッカー選びにもポイントがあって、それはサイズ感。

「“さりげなく貼ってあること”が大事です。大きすぎるステッカーだと逆にどこにあるのか探してしまって逆効果。基本的な考え方としては“しっかりと対策をしている家”という印象付けなので、大仰なものではなく、目立ちすぎない小さめのステッカーを選んで玄関先やカーポートなどに取り付けるのが良いでしょう」

なんとなく“大きいモノを目立つように貼ってけばOKでしょ!”なんて思っていましたが言われてみれば確かにそうかも…。実際に売れているステッカーも小さいモノだそうです。

■ホムセンの売れ筋防犯アイテム6選

1. 踏むと72デシベルの音が鳴る、敷くだけでOKな砂利

グリーンテック

「防犯の砂利 30L ブラウンミックス」(1298円)

敷くだけ、踏むだけでできる防犯なので、何から始めたら良いかわからない人にまずオススメです(近藤さん)

リサイクルしたガラス瓶を発泡させた素材を使用した、踏むと約72デシベルの大きな音が鳴る砂利。室内にいても分かるほどなので、気になるところに敷設するだけでも十分対策となります。また、除草後に敷設すれば雑草対策にもなるので、庭のお手入れが大変な家庭では一石二鳥の働きをしてくれます。

>> グリーンテック

2. 全光束2000lmで広範囲をしっかり照らしてくれるセンサーライト

musashi(ムサシ)

「11W×2 灯 フリーアーム式 LED センサーライト LED-AC2022)」(7678円)

▲ボールジョイントで2灯の向きを自由に変えられるため、広範囲でもピンポイントでもしっかり照らせる

玄関先や駐車場などの設置をされる方が多いですね。特に新しくクルマを買った方や人気車種にお乗りの方が盗難防止のために取り付けています(近藤さん)

自由自在に角度調節ができる2灯のライトが広い範囲を明るく照らしてくれます(全光束2000lm)。取り付け方法がクランプ式のため、自宅の壁にビス打ちすることなく設置可能なので賃貸でもOK。コンセント式の給電方法なので、屋外用コンセントの確認が必要です。

>> musashi「LED-AC2022 11W×2灯 フリーアーム式LEDセンサーライト」

3. ホンモノと同じ素材で見分けがつかない最新ダミーカメラ

REVEX(リーベックス)

「ダミーカメラ SD-DM1」(1738円)

使われている素材もホンモノと全く同じで、ロゴ下にある型番表記も「SD1000」。ホンモノと混ぜて複数設置するのも対策としては◎です(近藤さん)

同社製のセンサーカメラ「REVEX SD 録画式センサーカメラ SD1000」(6578円)からカメラ機能を外しただけの“ほぼホンモノ”のダミーカメラ。センサーも搭載されていて、乾電池を入れておくと人の動きに反応して赤いLEDライトが点滅するという本格派。

>> REVEX「ダミーカメラ SD-DM1」

4. 5000円台で買える、スマホ連携が便利な見守りカメラ

Kashimura(カシムラ)

「スマートカメラ 防水/首振/高輝度 KJ-188」(6578円)

“外出中のお子さんやペットの様子が気になる”というお客様がお求めになりますが、防犯を兼ねて設置される方も多いですね。値段が5000円前後と買いやすく、いつでもどこでも映像を確認できるのが人気の理由です(近藤さん)

商品としては防犯カメラではないものの、防水処理で屋外にも設置可能なスマートカメラ。専用スマホプリを通して映像確認をするモデルで、アプリ操作でカメラを自由に操作OKな見守りカメラです。

>> Kashimura「KJ-188 スマートカメラ 防水/首振/高輝度」

*  *  *

防犯しなきゃ! とは思うものの何かと難しい防犯アイテム。まずは音の鳴る砂利やセンサーライトからスタートして、ダミーセンサー+ステッカー、センサーカメラ+ステッカーと、お住まいの状況に合わせて対策していくのが良さそうです。

 

<取材・文/山口健壱(&GP)>

山口健壱|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回って&GP編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。ゴルフの動画企画でワカちゃんが上手すぎたので、負けないように焦って修行してます。

 

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