【達人のプラモ術】
ゲッコーモデル
「1/35 米海軍 パトロール エアクッション ビークル(PACV)後期型」
04/08
前回、苦労した艇体上部と艇体下部となるスカート部分の接着でが、本キット組み立てのキモになるので、もう少し詳しく解説しておきます。問題は、そのまま組むと艇体上下の接着時に、キャビン床面が艇体の下部となるパーツKの底板に干渉してしまい、上手く収まらないこと。キャビンの組み方も確認しましたが、間違いはないので、本キット特有の問題のようです。しかしそのままではスカートの間に不自然な隙間と段差が生じてしまうので、なんとかしなくちゃいけませせん。(全8回の4回目/1回目、2回目、3回目)
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■艇体の製作 その2
上手くパーツが収まらないのは、キャビンの床面が約1mm下側にはみ出していて、底板と干渉してしまうことが原因でした。CAD設計のプラモデルではたまにあるのですが、どうやらプラの厚みを計算し忘れているようです。
対応策としてパーツK側の底面をカットして、キャビンの床板が干渉しないようにしました。
■スカート部分の製作も難易度高し!
パーツKをカットしたことで、スカートパーツの爪も位置が微妙にズレてくるので、こちらも全て切り落としておくのは、前回も解説した通りです。パーツKを囲むように取り付けるスカートパーツも曲者で、強度が出しにくく、各パーツのサイズがタイトすぎて、艇体上部を組むとスカート同士の接着面に微妙な隙間と段差が生じます。なので擦り合わせ修正が必要となります。
艇体の上下を接着したあとは、接合面に隙間が生じないようにマスキングテープなどで固定し、しっかりと乾燥時間を取ります。
いやはや、なんにしても艇体の組み立てにこんなに苦労させられるとは想定外でした。
■キャビントップの製作
キビシ~!と叫びつつ、なんとか艇体を組み上げたら、キャビンのトップ(カバー)の製作を進めます(製作工程21)。内側をグレー、外側をオリーブグリーンで塗装したのち、ウインドパーツを接着していきます。パーツは13枚もあるのでなかなか手間が掛かります。
クリアパーツは透明度が高いのですが、接着しろが少ないので、接着の際に曇らせないように注意が必要です。作例では硬化後も透明度を維持できる「アロンアルファ光」を使用しています。
クリアパーツは、接着後にマスキングをして窓枠を塗装しなければいけないので、この時点ではワイパーを取り付けていません。
同時に、キャビントップの前面に設けられている折りたたみ式の乗降用ブリッジを製作していきます。この部分は、展開した状態か、折りたたみ格納された状態かを決めてパーツを選択する必要があります。
ブリッジを展開した方がキャビン内部が見えるのですが、今回の作例はジオラマで水上走行中を製作するので、格納状態で製作しています。
当初キャビントップは取り外し可能もするつもりでしたが、ルーフ上にエンジンが搭載されるため、取り外しは諦めました。6個のパーツで製作してデカールまで貼った4つの弾薬箱がほぼ見えなくなるなー、などとボヤキつつ製作を進めます。
キャビン内部にフィギュアを乗せるので、現時点ではキャビントップは接着していません。
■ジオラマベースの製作その1
艇体の組み立てに四苦八苦しつつ、パーツの乾燥時間を利用してジオラマベースの製作を進めます。ボックスアートを参考に、派手な水煙をあげながら水上から上陸してくるPACVといったイメージです。
水面ジオラマは本連載「達人のプラモ術」ではお馴染みですよね。今回もスタイロフォームをベースに水面を製作していきます。
しかし1/35のPACVはそれなりに大きいので、ベースは四つ切パネルサイズ(424×348mm)となりました。
■最大の難所は切り抜けた…はず
前回続き艇体の組み立て編でしたが、思っていた以上に難儀させられました。最近は海外メーカーのキットの精度や質も向上しているのですが、今回のようなトラブルは良くも悪くも海外製キットあるあるです。
次回はエンジンやラダーの製作など艇体の艤装を進めつつ、海面ジオラマの製作を進めます。それにしても海外メーカーに直接注文したフィギュアが予定日過ぎても届かないんですよ…。一抹の不安を感じつつもPACVの製作、次回をお楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/664902/
- Source:&GP
- Author:&GP