AIを活用した仕事の効率化、今のビジネスパーソンならみんな進めていますよね。
メディアの人間としてはリモートワークの導入やビデオ会議で仕事の効率化が進んでいますが、一方で“モノ”や“コト”を扱う時には、対面による打ち合わせや現場取材の機会が多いも事実。
そこで、対面での打ち合わせや会議などの効率的な情報保存ツールとして目を付けたのが「PLAUD NotePin」です。
▲「PLAUD NotePin」(左)は実勢価格2万8600円
発売は2024年10月で、発表当時の売り文句は“OpenAI社GPT-4o搭載 次世代ウェアラブルAIメモリーカプセル”。
実は昨年10月の発売直後から注目していました。その後、IT系のジャーナリストやスタートアップ関係といった最新デバイスを得意とする人たちがその使い勝手を褒めていたので、遅れ馳せながら僕も2025年のビジネス環境として本格導入を考えてみたワケです。
▲ICレコーダーらしからぬ形状の「PLAUD NotePin」
改めて「PLAUD NotePin」とは何かというと、機能的にはICレコーダーの一種と言って差し支えるありません。高さ51mm、幅21mm、厚さ11mm、重量わずか25gというサイズもそうだし、アルミニウム合金製で装着して使うというスタイリングも従来のICレコーダーとは異なります。
▲マグネットピンによる固定
身に着けると外見はまさに“ピン”。製品パッケージには、挟み込んで固定するマグネットピン、物理的に固定するクリップ、首掛けをするネックストラップ、そして腕時計型のリストバンドと利用シーンに応じて使い分けられるグッズが付属しています。
▲4種類の装着グッズ
▲クリップを使って打ち合わせの際にPCに固定
▲リストバンドで腕元に装着もできる
2つのマイクと、ビームフォーミングアルゴリズム、音声拡張機能によって、クリアな音声を録音ができるという点もウリです。メモリは64GBで、バッテリー駆動による最大録音時間は20時間。
ということで、実際に使い込んでいきます。
■AI要約は「GPT-4o」「Claude 3.5」「o3-mini」に対応
「PLAUD NotePin」の利用は、スマホの専用アプリ「PLAUD」との連携が前提です。スマホアプリと接続すると新しい録音が自動的にBluetooth LE(BLE)により転送されます。高速伝送機能も搭載しています。
▲録音したデータはスマホの専用アプリ「PLAUD」で管理。AI機能もこちら経由で利用
もちろん、スマホのアプリ内で録音した音声をそのまま再生して聞くこともできるし、クラウド経由で文字起こしやAI機能を使えるという仕組みも付いています。AI機能は無料のスタータープランでは月に300分まで無料です。
アプリ側には「GPT-4o」と「Claude 3.5」、そして取材時の最新バージョンでは推論モデル「o3-mini」のβバージョンも選択可能でした。
▲文字起こしに使えるAIサービスの進化に応じた高性能化も期待できそう
では、「PLAUD NotePin」を実際に持ち出して録音、そして文字起こしをしてみます。
仕事用なので実際に取材に持ち出してはみたのですが…録音した内容をそのまま公開はできないので、取材や打ち合わせの音源のスタイルを再現する形で、自宅で独自の内容を録音しなおしてみました。
▲AI搭載ICレコーダーをビジネス導入する際のメリットや課題などのトピックをピックアップ
はい、まず文字起こし済みのファイルを選択した際に最初に目に入る“要約”が的確で、特に議事録、議題のようなトピック検出が優れているように思えます。それから、元の音声と文字起こしも保存されていて、1対1の打ち合わせで録音条件が良ければ、文字起こし(GPT-4oを使用)の精度は高い印象。
▲録音内容からそのまま文字起こししたデータ。日本語化として誤変換はあるが内容は理解できるレベル
文字起こしから音声の該当箇所にジャンプできる使い勝手は一般的なICレコーダーにはない便利さです。また“マインドマップ”も議論の全体像を上手く示してくれます。
▲25分にわたってした会話の全体をマインドマップ化
別のパターンも試してみました。
メディアの仕事では、会議や打ち合わせではなく、発表会に出かけて説明を聞くことも多々あります。今度は、ステージ上のトークを取材するイメージで、離れた位置のiPadで僕のYouTubeチャンネルの音声を録音してみました。隣の部屋もガヤガヤしていたりと、やや悪条件下での録音です。
その内容がこちら。
▲2024年のテレビ総まとめというテーマを大きく捉えています
まず、“要約”の精度は十分。内容全体をちゃんと表しています。ただ、文字起こしをしたテキストで見ると、会話した内容と比べると日本語の認識としては荒く、ここから文脈を理解して概ね正しい要約を作れていることに逆に感心するほど。
▲専門用語が多く文字起こしは荒いですが、この文字をタップすると元音声に飛べるので確認は可能
なお文字起こしのデータは、利用規約によると利用目的以外には使用されず、暗号化されて他者がアクセスできないとされています。ただ、AIはクラウドで動作しているため、ビジネスで使う際には会社のセキュリティポリシーも確認しておきましょう。
* * *
「PLAUD NotePin」を実際に使い込んでみると、使い勝手の良さは想像以上。まずベーシックな部分として、ICレコーダーとして録音品質がそれなりに信頼できる、というのが実機レビューで確認できた安心ポイントでした。
もちろん同じようなことは、ICレコーダーから音声ファイルを取り出してAIで文字起こしするとか、ビデオで収録するといった方法も可能です。ただ、別々のツールを手動で組み合わせる使い方って、面倒になって結局続かなるんですよね。
あくまでビジネスのためのツールとして、最小限の手間で、面倒なことをAIが的確にサポートしてくれると考えると「PLAUD NotePin」に2万8600円を払う価値はあるんじゃないかなと思います。
>> PLAUD
<取材・文/折原一也>
折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年よりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/667552/
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