Reactの画面でブラウザの翻訳機能でエラーが出る問題と解決策

Reactを使ったWebサイトの開発中、ブラウザ翻訳機能を使用した場合に、以下のようなエラーが出力されることがあります。

NotFoundError: Failed to execute 'insertBefore' on 'Node': The node before which the new node is to be inserted is not a child of this node.

この問題は、ブラウザの翻訳機能が原因でReactが管理するDOMと実際のDOMに不一致が生じることで発生します。
この記事では、この問題の原因を解説し、解決策を展開します。

問題の原因

Reactは、仮想DOMの状態を管理して、最適化されたDOM操作を行います。
ブラウザの翻訳機能は、画面の文字を変更するために実際のDOMに序盤の変更を加えます。
これが原因で、Reactの再レンダリング時に不正なDOM操作が発生することがあります。

解決策

この問題を回避するための方法を以下に述べます。

Key属性の適切な使用

要素にユニークなkey属性を設定します。
Reactはkeyを使って同じ要素を特定するため、DOM操作の非合理性を減らせます。

function ItemList({ items }) {
  return (
    <ul>
      {items.map((item) => (
        <li key={item.id}>{item.name}</li>
      ))}
    </ul>
  );
}

このように、ユニークなIDをkeyに使用することでレンダリングを正しく管理できます。

StrictModeの無効化

ReactのStrictModeは開発中のチェックを強化するための機能ですが、これが原因で問題が発生することもあります。

StrictModeを無効化する例

有効化されている状態

import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
import App from './App';

ReactDOM.render(
  <React.StrictMode>
    <App />
  </React.StrictMode>,
  document.getElementById('root')
);

無効化した状態

import React from 'react';
import ReactDOM from 'react-dom';
import App from './App';

ReactDOM.render(
  <App />, // StrictModeを削除
  document.getElementById('root')
);

これにより、簡易に問題の因果を認識することが可能になります。

React Refsの使用

直接的なDOM操作が必要な場合には、ReactのuseRefforwardRefを使用して実際のDOM要素にアクセスします。

useRefの例

import React, { useRef } from 'react';

function TextInputWithFocusButton() {
  const inputEl = useRef(null);

  const onButtonClick = () => {
    inputEl.current.focus(); // refを使ったDOM操作
  };

  return (
    <div>
      <input ref={inputEl} type="text" />
      <button onClick={onButtonClick}>Focus the input</button>
    </div>
  );
}

export default TextInputWithFocusButton;

この例は、ユーザーインターフェースを検証する際にも有用です。

forwardRefの例

親コンポーネントから子コンポーネントにrefを渡します。

import React, { forwardRef, useRef } from 'react';

const FancyInput = forwardRef((props, ref) => (
  <input ref={ref} type="text" />
));

function ParentComponent() {
  const inputRef = useRef(null);

  const focusInput = () => {
    inputRef.current.focus();
  };

  return (
    <div>
      <FancyInput ref={inputRef} />
      <button onClick={focusInput}>Focus the input</button>
    </div>
  );
}

export default ParentComponent;

まとめ

Reactを使用したWebサイトにおいて、ブラウザ翻訳機能によるエラーは頻繁に発生し得る問題です。
このエラーの原因は、Reactが仮想DOMを用いてDOM操作を効率化している仕組みと、ブラウザ翻訳機能がDOMに直接変更を加える挙動の衝突にあります。

今回ご紹介した解決策は、いずれもこの問題に対処するための有効な手段です。
それぞれの手法をプロジェクトに適用することで、ブラウザ翻訳機能によるエラーを軽減し、ユーザーにとってより快適な体験を提供できるでしょう。

最後に、エラーを完全に防ぐことは難しい場合もあります。
その際はエラーメッセージを丁寧に読み解き、公式ドキュメントやコミュニティの知見を活用することで、より効果的な解決策を見つけることができます。


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