トランプ大統領、「完全米国製iPhoneは実現可能」と主張

トランプ米大統領が、すべてのパーツを米国内で製造し、デバイスの組み立ても米国内で行う“完全米国製”のiPhoneは実現可能だと考えていることが明らかになりました。果たして、そんなことが本当に可能なのでしょうか。

Appleは米国の半導体工場に75兆円を投資

トランプ政権下でホワイトハウス報道官を務めるカロリーネ・レビット氏は、4月8日のメディア向けブリーフィングで、トランプ大統領がiPhoneのすべてのパーツの製造および組み立てを米国内で行うことを視野に入れていると述べました。

具体的には、「ご存じのとおり、Appleは米国に5,000億ドル(約75兆円)を投資しています。もしAppleが、米国内でiPhoneを製造することが不可能だと考えていたなら、これほどの巨額投資は行わなかったはずです」とレビット氏は語っています。

実際には“完全米国製”は不可能?

トランプ大統領は4月9日から、中国、ベトナム、タイ、インド、欧州連合などに対して関税を大幅に引き上げました。その背景には、製造業を米国内に呼び戻そうとする狙いがあると見られています。

しかし、“完全米国製”のiPhoneを本当に実現できるのでしょうか。Appleが公開しているサプライチェーンのリストを見ると、同社は50カ国以上で製造された部品を使用しており、レアアースの供給元は79カ国にものぼることがわかります。

それぞれの国から特定の部品が調達されているのは、価格や品質などの合理的な理由があると推測されます。それらを無視して「すべてを米国製に」と方向転換するのは、やはり現実的ではないのではないでしょうか。

クックCEOは2017年に中国での製造理由を説明

Appleの中国を中心とするサプライチェーンを構築したのは、現CEOで元COOのティム・クック氏だとされています。クック氏は2017年、Appleが多くの中国企業を活用しているのは、労働コストの低さが理由ではないと説明しました。

「例えば、中国には最先端の金型製造技術があり、この分野の会議を開けばサッカー場がいくつも埋まるほどの人材が集まります。一方、米国ではおそらく一室を満員にするのも難しいでしょう」と、クック氏は述べています。

Source: MacRumors

Photo: Apple


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