約8万円で買えるAIスマホ「Google Pixel 9a」登場。上位モデルとの差はいかに?

Googleの最新スマートフォン「Google Pixel 9a」が4月16日に発売されます。昨年8月に発売された「Google Pixel 9」(12万8900円〜)の廉価版で、128GBモデルが7万9900円、256GBモデルが9万4900円(いずれもGoogleストアでの価格)となっています。ドコモ、au、ソフトバンクも取り扱い、各社では端末購入プログラムを利用して、実質的な端末代を安く抑えることもできます。「&GP」では、このPixel 9aをいち早く借りて、試すことができました。実際の使用感を交えて、特徴を紹介します。

▲Pixel 9aは6.3インチのディスプレイを搭載

 

■カメラの出っ張りがなくなり背面がフラットに!

Pixel 9aの最大の特徴は背面にあります。Pixelシリーズは、背面のカメラが出っ張っていて、それを強調するようなデザインになっていました。ですが、Pixel 9aのカメラ部は微かに突起しているものの、ほぼフラット。スッキリとした印象ですが、好みは分かれるかもしれません。

▲カメラ部の出っ張りが抑えられ、フラットなデザインに。背面パネルは複合素材のマット仕上げで、サラサラとした手触り

▲カラバリは、Obsidian、Porcelain、Peony、Irisの4色

ディスプレイは6.3インチ(1080×2424ドット)。上位モデルのPixel 9と同じ画面サイズですが、Pixel 9aのほうがベゼルが太く、本体サイズは上回っています。それでも横幅は73.3mmで、片手持ちでほとんどの操作を行えることは利点。重さは185.9gで、Pixel 9シリーズで最も軽いです。

▲左がPixel 9、右がPixel 9a。画面サイズは同じ6.3インチだが、Pixel 9aのほうがベゼルが太い

▲左もPixel 9は152.8×72×8.5mmで198g。右のPixel 9aは154.7×73.3×8.9mmで185.9g、Pixel 9のほうが薄いが、カメラ部は出っ張っている

 

■望遠カメラはないが、撮影画質は満足必至

リアカメラはメイン(4800万画素/F1.7)+超広角(1300万画素/F2.2)の2眼。上位モデルのPixel 9は(5000万画素/F1.68)+超広角(4800万画素/F1.7)で、画像センサーの大きさもPixel 9が上回っています。カメラ性能を重視する人には、Pixel 9や、望遠カメラも備えたPixel 9 Proが適していることは言うまでもありません。しかし、Pixel 9aで撮ってみると、“これで十分” いや、むしろ “期待以上” と思える画質で撮影できました。

▲背面カメラはメイン(広角)+超広角の2眼

▲超広角(0.5倍)で撮影

▲メイン(1倍)で撮影

▲2倍でも精細な画質で写る

▲デジタルズームは最大8倍。最大にしても画質劣化はこの程度

超解像技術を用いたウルトラズームは最大8倍。さほど画質劣化は気にならないので、積極的にズームも使えそうです。前モデルのPixel 8aにはなかったマクロフォーカス機能も追加されています。被写体に約5cmまで近づいてもピントを合わせられるので、料理や花などを撮るときに重宝しそうです。

▲かなり暗いレストランで撮ったが、料理が映えるように写った

▲夜景モードはナチュラルな色味で明るく撮れる

▲被写体に近づけてもピントを合わせやすくなった

▲「カメラ」アプリが多機能ながら使いやすいことも魅力

なお、複数人で撮影する際に、まず撮影者以外を撮影し、撮影者が交代して続けて撮影することで全員の集合写真が合成される「一緒に写る」にも対応しています。

ちなみにフロントカメラは1300万画素でF値2.2。画角は2段階に切り替えられます。背景をぼかす「ポートレートモード」でも撮影可能。この「ポートレートモード」のボケがナチュラルで、顔が明るく補正されるのも魅力。手のひらをかざしてセルフシャッターを起動できたり、複数人で撮る際に理想的な構図に導く音声ガイドなどもあり、よく自撮りをする人も満足すること請け合いです。

 

■上位モデルと同じプロセッサーで、AI機能を使い倒せる!

プロセッサーはグーグル独自開発の「Google Tensor G4」。グーグルによると、Pixel 9などの上位モデルと全く同じチップが搭載されているとのこと。よって「Gemini」や「かこって検索」、多彩な画像編集機能など、上位モデルと同じAI機能を利用できます。

▲グーグルの生成AI「Gemini」は電源ボタンの長押しで起動でき、すぐに知りたいことを調べられる

▲会話しているように調べられる「Gemini Live」のレスポンスも速かった

▲「フォト」の「編集マジック」で、画像のイメージを自在に変えられる

▲プリインストールされた「Pixel Studio」で画像生成も楽しめる

ただし、Pixel 9シリーズがアップデートで対応する「Pixelスクリーンショット」という、スクショが自動で整理されて、あとからスムーズに検索できる機能は利用できないとのこと。上位モデルのRAMが12GB以上であるのに対して、Pixel 9aのRAMが8GBしかないことが理由のようです。

 

■日常使いで不満を感じることはなさそうな印象

バッテリー容量は5100mAh。標準的な使い方で30時間以上の連続使用を見込めて、「スーパーバッテリーセーバー」をオンにすると、最長100時間も持つそうです。筆者は1週間ほど使っただけですが、電池持ちは良く、多少ヘヴィに使っても1日は持ちそうです。

▲2つのバッテリーセーバーがあり、「スーパーバッテリーセーバー」は使うアプリを制約して、電池持ちを大きく伸ばせる

内蔵スピーカーはステレオで、音質はまずまず。十分な音量が出るので、2人で動画を観ても、音声が聴き取りづらいということはなさそうです。

SIMはnanoSIM+eSIMのデュアル運用が可能。防塵・防水はIP68で、おサイフケータイにも対応。OSとセキュリティは7年間のアップデートが保証されています。長く使う上でも安心です。

▲多くの人が求める機能にもしっかり対応

個人的には、もうちょっと安かったらなぁと思ったりもしましたが、約8万円で最新のAI機能を使い倒せるのは魅力。上位モデルよりも、このフラットなデザインが好き! という人は、Pixel 9aを選んでも後悔することはないでしょう。

>> Googleストア

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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