「誰も見てないし…」で選んでない?靴下ひとつで印象が変わる大人の“隠れ”装い術

【2025年春のファッション特集 #4】

「差し色のソックスっておしゃれだけど、自分で取り入れるのはちょっと勇気がいる…」。そんな声を、最近よく耳にします。雑誌やSNSで見る洒落者の足元はどれも絶妙で、真似してみたくなる。でも実際に自分のワードローブに取り入れようとすると、意外と難しいものです。

特に大人のカジュアルにおいて、ソックスの色使いは印象を左右する“隠れたキモ”。主役ではないけれど、手を抜けば一気に野暮ったくなる。だからこそ、足元の色選びはスタイリングの仕上げとして、しっかり考える価値があります。

色選びの基本は、白・黒・グレーなどの無彩色。または、ブラウンやカーキといったアースカラー。落ち着いた印象を与えつつ、コーデに奥行きを加えてくれます。全体の色数は2〜3色に絞ると、より洗練された印象にまとまります。あくまで“やりすぎない”。でも、“気を使ってる感”はしっかり出す。それくらいのさじ加減が、大人の男性にちょうどいい。

今回は、そんな大人にハマるソックス選びのコツをご紹介します。

執筆・監修/宇田川 雄一
ファッション&モノ情報誌で活躍するスタイリスト。ビジネスからアウトドア、インテリアまで守備範囲が広い。ウェアを始めバッグや靴、雑貨に至るまで最新トレンドを把握

【コツ1】ソックス選びは“靴 or パンツ”に合わせて足元のバランスを整える

▲ソックス 2970円/ラングル(HEMT PR)、シャツ 3万800円/テクネ(カナル)、トラウザーズ 5万6100円/フミヤ ヒラノ ザ トラウザーズ(ノウン)、シューズ 1万450円/ハルタ(ハルタ)

ソックス選びでまず試したいのが、「靴の色に合わせる」か「パンツの色に合わせる」という方法。これはスーツスタイルでもよく使われる基本テクニックで、自然と整った印象に仕上がる王道の考え方です。

スーツには型がある分、コーデに迷いにくく、知的で洗練された印象を作りやすいという魅力があります。実はこの理論、カジュアルなスタイルにも応用できるのです。

たとえば、靴とソックスの色を揃えれば足元に一体感が生まれ、まとまりのある印象に。ちょっとした意識で全体の雰囲気がグッと引き締まり、“こなれ感”のあるスタイリングが完成します。

▲ソックス 2090円/モクティ(ユナイトナイン)、パンツ 3990円/ユニクロ(ユニクロカスタマーセンター)、スニーカー スタイリスト私物

パンツとソックスの色を合わせると、脚のラインが自然につながり、すっきりとした印象に。たとえば白スニーカーのようなカジュアルな靴でも、パンツとソックスに統一感があれば、全体が上品にまとまります。

写真のように、あえて少し明るめのソックスを選べば、抜け感が加わってカジュアルさも程よくプラス。「パンツと同系色のソックスを選ぶ」というルールを持っておけば、毎朝のコーディネートで迷いにくくなり、時短にもつながります。

【コツ2】白ソックスは“抜け感”を生み出す名脇役

▲ソックス 2970円/ロトト(ジャーミネイション)

白ソックスは一見むずかしそうでいて、実は一度取り入れると手放せなくなる存在。軽やかさと清潔感があり、ほどよく洒落て見える絶妙な立ち位置は、今の大人のスタイルにぴったりです。

たとえばローファーに白ソックスを合わせると、きちんと感をキープしながらも、どこか抜けのある表情に。カジュアルな服装にも自然になじみ、「ちゃんとしてるけど、やりすぎてない」理想的なバランスを演出してくれます。

「学生っぽくない?」という声もありますが、それはもう昔の話。いまはその“真面目さ”や“清潔感”こそが好印象につながる時代。年齢を重ねた今こそ、自然体で取り入れてみてはいかがでしょうか。

【コツ3】配色は“3色以内”が正解。大人っぽく見せる秘訣とは

▲スニーカー 4万4000円/ヨーク(HEMT PR)

覚えておきたいのが、全体の配色ルール。色数を3色以内にまとめると、コーディネート全体がグッと上品に見えます。

たとえば、白シャツと白ソックスで色をリンクさせれば、足元だけが浮く心配もなし。逆に、ソックスだけ違う色を加えて4色以上になると、どこかまとまりに欠け、散らかった印象になってしまいます。

「落ち着いた配色=大人っぽさ」「賑やかな配色=幼さ」と意識するだけでも、全体の雰囲気は大きく変わってきます。

【コツ4】“差し色ソックス”で一歩先を行く足元に

▲ジャケット 1万5990円、パンツ 1万990円/アンフィーロ(オンワード樫山)、ニットポロ 2万5300円/エヌ ヴィビー(アテンション・ジャパン・プロダクツ)、シューズ 1万450円/ハルタ(ハルタ)

さらに一歩先を狙うなら、カラーソックスを“差し色”として取り入れるのもひとつのテクニック。たとえば、全身ブラックのストイックな装いに、赤いソックスを一点だけ。それだけで、ぐっとモードな空気が漂いはじめます。

情熱的な赤と、重厚でミステリアスな黒。このコントラストが際立ち、視線を引きつける印象的なスタイルに仕上がります。モード感を演出したい日や、ちょっとかっこよく見せたいシーンにぴったり。おしゃれ上級者の間でも支持されている配色バランスです。

【コツ5】“革靴×カラーソックス”で上級者な足元を演出

▲ソックス 2970円/ラングル(HEMT PR)

カラーソックスの魅力は、“小さな面積で大胆な表現ができる”こと。普段は明るい色をあまり着ない人でも、足元なら気負わず取り入れやすいのがポイントです。

赤や黄、グリーンなどの鮮やかな色も、アクセントとして効果抜群。まずは革靴と合わせるのがおすすめです。中でも、スリッポンタイプならドレス感とカジュアルさのバランスが良く、カラーソックスとも好相性。

赤×黒のような定番配色に限らず、さまざまな組み合わせにチャレンジして、足元からファッションを楽しんでみてください。

【コツ6】“見せるソックス”で、春夏の足元に遊び心を

▲右:ソックス 2970円/ロトト(ジャーミネイション)、ほかスタイリスト私物

春夏はショートパンツやサンダルの出番が増える季節。それにともない、ソックスの存在感もグッと高まります。そんなときに少し遊びを効かせたいなら、ライン入りやブランドロゴ、最近人気のメッセージロゴ入りソックスがおすすめ。主張しすぎず、程よいアクセントになるので、大人でも取り入れやすいのが魅力です。

ここ数年でソックス専門ブランドが増えてきたのも、「靴下=消耗品」という価値観が変わってきた証拠。今やソックスは、コーディネートを仕上げるための“ファッションアイテム”として定着しつつあります。

このあとは、実際にスタイリングや日常で愛用している、おすすめのソックスを紹介していきます。

■足元で差がつく!コツを活かすソックス7選

ソックスは小さなアイテムながら、印象を大きく左右する“足元の名脇役”。これまで紹介してきた選び方のコツを踏まえれば、自分らしい一本がきっと見つかるはずです。ここでは、デイリーに使いやすくて、コーディネートにも効く、おすすめのソックスを厳選して紹介します。

【1足目】革靴にもスニーカーにも◎上質感で差がつく大人のリブソックス

Tabio MEN(タビオ メン)
「オーセンティック4×2リブソックス」(1100円)

▲カラーは写真のライトモクグレーのほか、クロ、サラシ、ベージュ、アカなど全11色をラインナップ

「オーセンティック4×2リブソックス」は、アメリカントラッドな装いに映える、ほどよい光沢感のある一足。毛羽立ちを抑えた糸で編まれたリブは、カジュアルになりすぎず、セットアップやビジカジスタイルにも自然に馴染みます。

スニーカーにも革靴にも合わせやすく、オン・オフ問わず活躍する汎用性の高さも魅力。つま先は「リンキング仕様」と呼ばれる縫製で仕上げられており、縫い代がフラットになることで、靴の中でもゴロつかず快適な履き心地を実現しています。洗練された雰囲気と抜け感をほどよく両立した、大人のためのリブソックスです。

>> Tabio MEN

【2足目】ユニクロで迷ったらこれ。程よい“クシュっと感”が今っぽい

UNIQLO(ユニクロ)
「スポーツソックス/パイル」(390円)

▲カラーは写真のBLACKとOFF WHITEの2色をラインナップ

ユニクロは、「50色ソックス」やビジネス仕様、高機能なスポーツタイプなど、まるで靴下専門店のような充実ぶり。定番の白や黒だけでも素材違いや厚みによって種類が豊富で、どれを選べばいいか迷う人も少なくありません。

そんな中でおすすめしたいのが「スポーツソックス/パイル」。クッション性に優れ、快適な履き心地に加えて、ほどよいボリューム感で今っぽさも演出できます。

最近は、ソックスをくしゅっとたるませて履くスタイルがトレンド。ショートパンツに合わせれば、こなれ感のある足元に仕上がります。ルーズすぎず清潔感もあるため、大人の男性でも無理なく取り入れやすい一足です。

>> UNIQLO

【3足目】一度履けばクセになる。「やわらかさ」と「シャリ感」が絶妙なラインソックス

ROTOTO(ロトト)
「WASHI CUSHION STRIPE CREW SOCKS」(2970円)

▲カラーは写真のBLUE / REDのほかNAVY / YELLOW、BEIGE / GREEN、BLACKの4色をラインナップ

春夏にぴったりなのが「WASHI CUSHION STRIPE CREW SOCKS」。スポーティなデザインながら、足底には和紙糸を使ったパイル編みを採用しています。蒸れにくく、消臭性にも優れた和紙糸は、いま注目の天然高機能素材です。

履き口にはやわらかなコットン、足底にはシャリっとした和紙糸と、パーツごとに素材を使い分けているのもポイント。それぞれの特徴を活かした構造で、快適な履き心地に仕上がっています。

この靴下を手がける「ROTOTO(ロトト)」は、“一生愛せる消耗品”をコンセプトに、奈良の靴下産地で職人と共に丁寧なものづくりを続ける注目ブランド。見た目、履き心地、耐久性のすべてにこだわった靴下は、一度履いたら手放せなくなるはずです。

>> ROTOTO

【4足目】締め付けないのに落ちない。“快適フィット”を極めた一足

RANGL(ラングル)
「Rook (クルー丈)」(2970円)

▲カラーは写真のLIMEのほか、BLACK、WHITE、STONE、NAVYなどの全16色をラインナップ

“究極の靴下”を追求するRANGL(ラングル)は、足の構造や動きに寄り添いながら、快適さと美しさを両立したデザインを提案するブランド。

なかでも注目なのが、クルー丈の「Rook」。最大の特徴は、“締め付けずに、ずり落ちない”を実現した、独自の円筒形スマートリブトップ。さらに、くるぶし部分はたるみを防ぐ平織り仕様。立体的なかかと設計とL字型フォルムによって、足にしっかりフィットし、まるでオーダーメイドのような履き心地に仕上がっています。

シンプルな見た目ながら、多彩なカラー展開でコーディネートにも取り入れやすく、毎日の足元に快適さと楽しさを添えてくれる一足です。

>> RANGL

【5足目】日常に“ちょうどいい主張”。モードな縦ラインソックス

CHICSTOCKS(シックストックス)
「ライン」(1980円)

▲カラーは写真のアイボリー×ブラックの他、アイボリー×ミントブルー、カラー: ヘザーグレー×ネイビー、ブラック×ブルーなど全31色をラインナップ

“ソックスからその日のスタイリングを考える”をコンセプトに、2017年に誕生したCHICSTOCKS。靴下の産地・奈良県の工場で、古い機械を使って編み上げる国産ならではの温もりある仕上がりが魅力です。

中でもブランドを象徴するモデルが「ライン」。靴とパンツの隙間からさりげなく覗く一本の縦ラインが、全体のコーディネートに洗練された印象を添えます。

過度な装飾を抑えつつも視線を引く絶妙なバランスで、足元にモード感と個性を演出。抗菌防臭加工を施した糸を使用し、季節を問わず快適な履き心地も実現しています。

>> CHICSTOCKS

【6足目】機能もコスパも文句なし。リピート必至の頼れる1足

NIKE(ナイキ)
「ナイキ パフォーマンス ライトウェイト(3足)」(2200円)

▲ブラック、ホワイト、グレーの3足セット

「ナイキ パフォーマンス ライトウェイト クルー ソックス」は、快適さと実用性を兼ね備えた一足。通気性・速乾性に優れ、かかとやつま先は補強されているため、毎日の使用にも安心です。色違いかつ3足セットで2200円と、コストパフォーマンスの高さも魅力。

注目したいのは、ナイキの象徴である「スウッシュ」ロゴ。Tシャツやスニーカー、そしてこのソックスにさりげなく入っていても、主張しすぎず、ほどよい存在感を放ってくれます。この“控えめなのに印象に残る”絶妙なバランスが、ファッション好きに支持される理由のひとつ。足元にちょっとしたアクセントを加えたいときに、ぴったりのソックスです。

>> NIKE

【7足目】約30分で99%消臭。“清潔さ”を履きこなす超高機能ソックス

VIBSOX(ビブソックス)
「RIB SOCKS」(1870円)

▲カラーは写真のラホワイトのほか、チャコールグレー、ブラック、ブルー、ネオンイエローの5色をラインナップ

「RIB SOCKS」は、二重仕立てのリブ構造で締め付け感を抑え、裏地には肌あたりのやさしいガーゼ素材を採用。つま先・足底・かかとにはパイル生地を使用し、ふかふかのクッション性を実現しています。たるませて履く、長く伸ばして履くといった2WAY仕様で、好みに合わせたスタイリングが楽しめるのもポイント。

さらに、足元の清潔感にも配慮。汗臭や加齢臭を約30分で99%消臭し、抗菌・防臭機能も完備。洗濯を繰り返しても効果が持続するため、日々の使用にも安心です。快適性と実用性を兼ね備えた、現代のスタンダードともいえる高機能ソックスです。

>> VIBSOX

*  *  *

ソックスは、じつは“おしゃれの仕上げ”に効く名脇役。頑張りすぎなくても、足元にまで気を配れる人は、それだけで洒落て見えるものです。

ほんの少し意識するだけで、全体の着こなしがグッと洗練された印象に。「足元にまで気が回る人」は、スタイリング上級者の証。これからはソックスにも、ぜひ自分なりのこだわりを持って選んでみてください!

>> 2025年春のファッション特集

<メイン写真/田中利幸>

 

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