ソーラー充電&完全ワイヤレス!Amazon「Ring Outdoor Cam Plus」で駐車場を防犯対策

前回の記事で「Ring Battery Doorbell」を玄関に設置した我が家。これで玄関はバッチリですが、玄関以外にもカバーしたい場所があるんですよね。

そのひとつが駐車場。玄関の間近ではあるのですが、家の横なので1台のカメラでカバーするのは不可能。防犯カメラ設置ってこういうことが時々あって、さらに 「カメラを付けたいけど、電源ケーブルの配線が面倒…」「そもそも近くにコンセントがない」なんてことが理由で諦めていた場所も。そんな場所に最適なセットが登場しました。

それがAmazonの「Ring Outdoor Cam Plus(バッテリーモデル)」(1万2980円) と、その真価を発揮させるオプションの「ソーラーパネル(USB-C、出力4W)」(7990円) の組み合わせです。さらに、純正オプションに「Ring 屋外カメラ&ソーラーパネル用ポールマウント兼ウォールマウント」(3180円)という便利アイテムもあるので、3つセットで用意してみました。

▲「Ring Outdoor Cam Plus」

▲「ソーラーパネル(USB-C、出力4W)」と「Ring 屋外カメラ&ソーラーパネル用ポールマウント兼ウォールマウント」も用意

ソーラーパネル接続で完全ワイヤレス運用が可能になると、これまで設置を諦めていた電源の取れない駐車場や家から離れた物置周りなど、防犯カメラの設置可能エリアが一気に広がります。

カメラ本体もバッテリー内蔵モデルなので、単体でもWi-Fiが届けば設置場所に困らない…と思いきや、ここで改めて考えておきたいのが設置方法です。防犯カメラ製品ってほとんどが壁に穴を開ける方法を推奨していますが、外壁にも穴を開けたくない日本人の気質(?)としては、重要になってくるのが純正の「Ring 屋外カメラ&ソーラーパネル用ポールマウント兼ウォールマウント」です。

これ、名前の通り、ポール状のものを抱き込むようにしてカメラ本体とソーラーパネルをメタルバンドで固定するための純正オプション。これがあるおかげで、さまざまな柱や柵、雨樋などにカメラを穴あけ不要で固定でき、しかも傷つける心配もないというスグレモノ。我が家はちょうど駐車スペース近くにあった雨樋に固定しました。

▲クランプマウントで雨樋にカメラを固定。メタルバンドはドライバーを使ってキツく締められて、結束バンドよりも安心

「Ring Outdoor Cam Plus」の本体サイズは約 幅6.7×奥行6.7×高さ12.8cm(スタンド含む)で、屋外カメラとしては小さめ。名前の通りアウトドア用なので、動作温度は-20℃から50℃と、公式にも耐候性あり。ソーラーパネルは1日10時間ほど日の当たる南向きにセットして、カメラ本体にUSB-Cケーブルで接続。これで、充電ケーブルも電源アダプターも不要な、真のワイヤレス環境が完成します。

ちなみに録画はクラウド経由で、SDカードなどへのローカル録画機能はなし。設置場所はWi-Fi電波が安定して入ることが必須ということを覚えておきましょう。

▲駐車場全体を見渡せる位置にカメラを設置。ソーラーパネルからのケーブルはうまく処理しないと若干見えます

▲駐車スペースから見た状態。これで手前の道の通行人までカバーできます

それでは、セットアップと実際の性能を見ていきましょう。

 

■クラウド録画ベースのRingらしい使い勝手

では次に「Ring Outdoor Cam Plus」のセットアップを進めていきます。

セットアップは他のRingデバイスと同様、「Ringアプリ」でQRコードを読み取り、Wi-Fi(2.4GHzまたは5GHz)に接続して、アップデートを登録するだけ。

注意点として、初回出荷時にはバッテリー充電を求められますが、今回はソーラーパネルによるバッテリー残量の増減を調べる目的であえて満充電にはせず利用を開始しました。

Echoデバイスとの連携もスムーズで、設定によってモーション検知時の通知やライブ映像表示も可能です。

▲Ringアプリで初期設定。カメラ映像の視聴や設定はすべてアプリベースです

録画には有料の「Ringプロテクトプラン」(ベーシックプラン月額350円〜)への加入が必須(30日の無料体験期間あり)。加入しなくても検知時の通知のみは利用可能ですが、防犯カメラとしての活用を考えるとクラウドサービスの利用料金は必須と考えてもいいでしょう。

▲Ringアプリからアクセスすればカメラ映像のライブ視聴や過去動画の確認も可能

カメラ性能は優秀です。解像度は2K(2560×1440ピクセル)で非常に高精細。設置角度の都合もあってクルマのナンバーは見えませんが、近づく人物の特徴は十分に捉えます。視野角は対角160°、水平140°、垂直80°と非常に広いので、複数台のクルマがある駐車場もカバーできるでしょう。

▲日中の録画映像。クルマに近づく不審人物も検出しました

▲夜間の映像(センサーライトが付いた状態)。ややノイズが多いが特徴の把握は可能な程度

また、モーション検知ゾーンやプライバシーゾーンを細かく設定できます。検出対象は人物、クルマ、その他のモーション(すべて)。これらに対して録画と通知を個別に設定可能です。

もし、普段人が立ち入らない駐車場なら、全てのモーションに対して通知が必須。今回設置した我が家の駐車場スペースは通行人が歩く小道もあるため、録画と通知のみを設定しました。

▲Ringアプリでは、録画や検知する内容、さらにモーション検知エリアやプライバシーゾーンも設定可能

使ってみて気付いたポイントとして、ソーラーパネル接続では24時間録画はできず、検知による録画のみとなることがあります。

▲アプリの“イベント”タブからクルマや人の出入りを確認。通知なしでこの確認だけで運用するスタイルもアリ

人物の検出と人の検出は正確に働いていて、防犯カメラに映った僕自身や、通行人の姿も確認できました。ただ駐車場の検出、クルマ目当てと考えるとカスタマイズの必要性も感じました。

まず、検知による録画は初期設定の“オート”設定では30秒で録画が切れた上に検知後の無効時間があるため、「侵入してきたクルマは録画できているけど、クルマから降りてきた人物が録れていない」というパターンが多発。これは“モーション検知の頻度”を常時作動させる“頻繁”に変えるか、“録画の長さ”の設定を最大の120秒に設定するなどで対処したいところ。

そして、このカメラ最大のメリットである「ソーラー充電による連続稼働」も試してみました。

設置場所はソーラーパネルに1日10時間の日照がある好条件で、検証をスタートした1日目の夕方時点で、バッテリー残量44%でスタート。翌日は天候に恵まれ24時間後にはバッテリーレベル96%まで回復。この時の1日のイベント検出が10件とバッテリー消費も少ない条件ではありましたが、その後、小雨続きだった1週間を通して記録したバッテリーの最低レベルは94%でした。もちろん、日照時間が短い場合はソーラーパネルによる発電量は小さくなりますが、それでも大型ソーラーパネルによる発電量は安心材料です。

*  *  *

「Ring Outdoor Cam Plus」と「ソーラーパネル」の組み合わせは、屋外防犯カメラ設置のハードルを劇的に下げてくれます。特に、電源確保がネックで設置を諦めていた駐車場や庭などに導入しやすいのがポイント。また純正オプションの「Ring 屋外カメラ&ソーラーパネル用ポールマウント兼ウォールマウント」を用意している点は、他社にはないきめ細かさです。

導入にあたって唯一の引っかかりポイントは、運用するためには初期費用以外に録画に必要な「Ringプロテクトプラン」のサブスク加入が必須となること。またローカル録画機能がないということも、Wi-Fi電波のトラブルという心配にも繋がるため、これを許容できるかどうかが購入を決めるポイントとなりそうです。

防犯効果として見ると、「Ring Outdoor Cam Plus」と「ソーラーパネル」の組み合わせは、ソーラーパネルが目立つこともあり、取り付けてあるだけで監視中と知らしめる効果は十分あるように思えます。あとは設置場所のプライバシーには十分配慮すること。必要ならステッカーなどでカメラの存在を明示しておくと、ご近所トラブル回避にもなりますよ。

▲プライバシー配慮と防犯効果のために、あえて目立たせる録画中シールも有効です

>> Amazon.co.jp「Ring スマートホームセキュリティ」

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年よりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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