新しいウエアラブルデバイスとして、“スマートリング” が注目されています。
日本では2021年からVisaのタッチ決済などができる「EVERING」が発売されていますが、今年2月にはサムスンの「Galaxy Ring」も発売されました。
フツーの指輪のように装着しているだけで健康管理ができるというもの。価格は6万3690円。どんなことができるのか? この価格は高いのか? 安いのか? 2週間ほど使ってみました。
■大きすぎず、ピッタリ合うサイズを選ぶことがポイント
まず、Galaxy Ringがどういうものかを説明しておきましょう。
本体サイズは幅7.0×厚さ2.6mmで、重さは2.8g。そこに加速度センサー、光学式心拍センサー、温度センサーが搭載されています。防塵・防水性能はIP68。10ATM(10気圧防水)にも対応しているので、そのままプールで泳いだり、シャワーを浴びても大丈夫と考えていいでしょう。
▲カラバリはチタニウムブラック、チタニウムシルバー、チタニウムゴールドの3色
▲リングの内側に3つのセンサーが搭載されている
Galaxy Ringは自分の指に合ったサイズを装着する必要があります。筆者はメディア向けの説明会でサイズを確認してから借りましたが、実際に購入した場合は、まずサイズを確認するための「Sizing Kit」が届きます。寝るときも含めて24時間装着して、14日以内にサイズを決めると注文が完了する仕組み。
大きすぎず、小さすぎないものを選ぶのがポイントとのこと。筆者は11ではややきつくて、12ではやや緩く感じて迷いましたが、11にしました。センサーがある位置を指の腹側にする必要があるので、指輪がクルクルと動かないほうがいいようです。あくまでも、筆者個人の意見ですが、迷った場合は小さめのサイズを選ぶことをおすすめします。
▲注文すると、まず「Sizing Kit」が届くので、装着したい指にフィットするサイズを選ぶ。14日間以内にサイズを確定しない場合はキャンセルとなる。なお、サイズは日本国内で用いられている指輪のサイズとは異なるので要注意
充電は付属のケースに入れて行います。ケースにはUSB Type-Cポートがありますが、ワイヤレス充電にも対応しています。電池は約7日間持つので、充電は週1〜2回でいいでしょう。
▲充電ケースはコンパクトでワイヤレス充電にも対応しているので、旅行などに持って行く場合もかさばらない
▲USBケーブルでも充電できる
■装着感は良好。カラー選びは慎重に!
筆者はGalaxy Ringを左手の人差し指に装着しました。普段は指輪をしていないので、装着感の良し悪しは判断できませんが、“まぁ、こんなものか”という印象。少し前まで、ほぼ同じ大きさのEVERINGを着けていたこともあり、すぐに慣れて、着用していることを忘れるほど馴染みました。
▲装着感は良好
▲印があるほうを内側にして着ける
▲左がEVERING、右がGalaxy Ring。Galaxy Ringがやや大きい程度
Galaxy Ringのフレーム素材はチタニウムで、筆者が借りたチタニウムブラックはやや重めというか、ガジェット感が強い印象。友人に「それ、フツーの指輪じゃないよね? 何ができるの?」と聞かれたりしました。アクセサリー感を重視するならチタニウムシルバーかチタニウムゴールドを選んだほうがいいでしょう。
■指に着けているだけで健康状態がわかる
筆者はGalaxy S25 Ultraとペアリングして使いました。プリインストールされている「Samsung Health」で接続し、測定された健康データを同期して、管理できます。サムスンのスマートウォッチ「Galaxy Watch」を使っている場合は、そのデータも統合できるわけです。なお、他社のAndroidスマホでも「Samsung Health」アプリをインストールして使うことはできますが、サムスンは推奨していないようです。できることに制約が生じるためで、それについては後述します。
▲サムスンから借りたGalaxy S25 Ultraとペアリングして使ったが、筆者が持っているGalaxy S24でも同じように使えた
▲Galaxy Ringを近づけるだけで、すぐに設定画面に導かれた
Galaxy Ringで測定できるのは心拍数、歩数、そして統合的に評価される睡眠の質、ストレス値、そして「エナジースコア」というもの。エナジースコアは、その日の体調を数値化したもので、Galaxy Watchでも表示されます。なお、AIを用いた機能のため、Galaxyのスマホ(Android 11以降で、最新バーションの「Samsung Health」アプリが必要)と接続する場合しか表示されません。
▲「Samsung Health」アプリでリングの電池残量や測定されたデータを確認できる
▲毎朝「エナジースコア」をチェックすることで、自然に健康を意識するようになるかも
睡眠やストレスは、ユーザーが意識することなく測定値から評価され、「Samsung Health」アプリを開くと確認できる仕組み。筆者が特に便利だと感じたのは睡眠のトラッキング。スマートウォッチでも計測できますが、夜、風呂に入るときにウォッチを外して、そのまま寝てしまうことが多いからです。指輪は着けっぱなしにできるので、知らないうちにモニタリングされている感じです。
▲睡眠状態は、かなり細かく分析される
▲ストレス値も自動でモニタリングされるが、アプリから起動し、リアルタイムのストレス値を測定することも可能
▲歩数も自動で記録される
Galaxy Ringには温度センサーも付いていますが、女性のユーザーは皮膚温度を測定して、生理周期を詳しく分析する機能も利用できるそうです。
▲「Samsung Health」アプリの設定画面
■キャッシュレス決済など、機能が増えたら便利なのだが…
Galaxy Ringには、ヘルスケア以外の機能もあります。リングを装着した指と親指をトントンと合わせるように動かすジェスチャーで、スマホのアラームをオフにしたり、カメラのシャッターを切ったりできます。なお、この機能を利用できるのも、Galaxyのスマホと接続する場合に限られます。
▲リングを着けた指と親指とでジェスチャー操作が可能
▲ただし、できる操作は2つだけ
Galaxy Ringは、スマートウォッチでできることの一部ができるデバイス、というのが率直な感想。腕時計を装着するのが嫌いな人や、頻繁な充電が面倒という人は利用する価値があるでしょう。ですが、歩数カウントを除くと、ワークアウトの計測機能がないので、スマートウォッチの代わりにはなり得ません。
6万3690円という価格を考えると、“機能がもう少しあれば”、“Galaxy Ringでしかできないこともあったらいいのになぁ”と思ったのが本音。キャッシュレス決済機能が付いていれば、ぐ〜んと利用価値が高まり、普及に弾みが付くように思いました。これからの進化に期待しましょう。
>> Galaxy Ring
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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◆睡眠を分析するなら着けっぱなしでも気になりづらいスマートリングがいいかも
◆これ、血圧計で心電図も取れるスマートウォッチなんです!
◆指輪で買い物できるって、すごい未来感あるよね!
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/673707/
- Source:&GP
- Author:&GP
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